Googleで言葉の壁を越える
mixiやfacebookなどのSNSでつながっている方はご存知かもしれないけれど、私は「言語オタク」。
いや、「オタク」って言われるほど本格的でもなければ、本腰をいれて何かをやっているわけではないが、新しい言葉を覚えることに普通の人よりは多くの喜びを感じるタチだと思う。
当然、機械翻訳にも興味がある。'80年代から、日本で発売されているもの、発売されていないものも含めて、いろいろな機械翻訳ソフトの製品を見たり、取材をしてきた。
nobilogでも、日本語と韓国語の機械翻訳の精度の高さにビックリして、こんな記事を書いたことがある:
韓国語チャットの日々
ただ、これまでの機械翻訳技術には限界を感じていたのも事実。
それだけにGoogle社が翻訳エンジンを、SYSTRAN社製から自社製に切り替えたときには期待に胸が高まった。
小川さんとの共著「アップルとグーグル」(*1)でも、書いたが、このGoogle 翻訳(Google Translate)がなかなか凄い。
これまでの翻訳エンジンのように、言語学的に文章を解析して翻訳する、というよりも、もっとWeb 2.0的な発想で、Web上に無尽蔵にある世界各国語テキストの対応付けを見て、そこから訳文を割り出している。
このため「俺たちに明日はない」を英訳すれば「Bonny and Clyde」と出てくるし「愛と哀しみの果て」は「Out of Africa」になる(ある程度、話題の映画であり、かつ特徴的なタイトルでないと、うまくいかないことも多い)。
本を書いたときまで、Google 翻訳といえば、ポップアップメニューに「英語からフランス語」、「ドイツ語から英語」といった「どの言語からどの言語」の組み合わせが用意されており、その組み合わせの範囲内でしか翻訳ができなかった。
そして他の多くの機械翻訳ソフトがそうであるように、日本語と対応付けされているのは、英語だけ。
つまり、「日英」や「英日」の翻訳はできても、「日仏」や「独日」、「日伊」といった翻訳は英語を介して行うしかなかった。
ところが、これが先月だったか、先々月だったかに突然変わった(いつだったかな...やはり、ブログは「感動」した瞬間にこまめにつけないとダメだな。反省!でも、ホラ、こうやってつい文が長くなってしまうのがわかっているので、どうしても途切れてしまう。ネタフルのコグレさんやみたいもんのいしたにさんに「潔い脳」を特訓してもらわないと)。
「翻訳元の言語」と「翻訳先の言語」が共にポップアップメニュー形式になって、23カ国語が選べるようになったのだ。
切り替わったときから「Googleなら、どの言語か自動的に検出することも可能なんじゃないの」と、思っていたんだけれど、今、見たら23カ国語の一番上に、ちゃんと「言語検出」という項目も加わっている!(いつからだろう。最初からあった?)
おかげで、例えばこのnobilog2をクロアチア語に翻訳なんていうことも簡単にできる。
最近、最近ではブータンやらチベットでも、パソコンが使われ始めていて、これらの国内での実情をインターネットを通じて世界に発信している人々がいるという。
私はそっち方面は興味はあるけれど、うとくてよく知らない。
ただ、実はMac OS Xに、バージョンv 10.5 "Leopard"から、チベット語を扱う機能が追加されているという動きもある(チベット語は、パソコンで扱うのが非常に難しい言語をいわれていました。記事の最後に参考文献をあげますが、自分でも検索して調べてみてください)。
パソコンとインターネット(Google)を通して、今、世界が大きく変わろうとしていることを感じ取ることができる。