さらばドコモ版PHS

[パナソニック電話との組み合わせの話しを追記しました]
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NTTドコモのPHSサービスが、明日で終了する。
昨年、FOMAを解約したが、実はPHSの方はとってあった。
今日、「PHSを任意のドコモ携帯と交換」というサービスを使って(これも7日ー月曜日ーで終わる)、P905iと交換してきた。

ドコモショップの人に聞いたところ、私がPHSの契約をしたのは1997年5月26日。
なんと10年以上にわたって使い続けていたことになる。
当時はPHS事業は、NTTドコモではなく、NTTパーソナルという別会社が行なっていた。
販売店で、同じNTT系列会社なのに、ドコモがPHS販売の邪魔をしているとか、そんな噂も聞いたっけ。それだけにNTTのPHSには愛情があったが、ドコモにはちょっとだけ反感を持っていた時期もある。

PHSのコンセプトは好きだったし、何よりもPHSとISDN固定電話で通話すると、その音質の良さに驚かされた。
パソコンを使っていち早くモバイル通信を始めたのも、PHSがきっかけだった。
NTTパーソナル(NTTドコモ)のPHS端末、Paldioシリーズは、常に新しいことに挑戦しているイメージがあって楽しかった。
 有名なソニー製のPALDIO 101Yのデザインも鮮烈にイメージに残っている(長い間、石丸電気のテレビCMに登場していた)。
 だが、特に愛着があったのはシャープ製のPHSだ。
 小ささが光っていた312Sも愛用し、通信ケーブルと通信用PCカードを使ってモバイル通信していた。

 送話口がカパっとはずれて、そのままパソコンのPCカードスロットに差し込めるというPALDIO 321Sには大きな衝撃を受けた。
 さらに、それを一回り小さくして、送話口をカパっとはずしてCFカードスロットに差し込めるようにした611Sにはいたく感動して、すぐさま機種変更した。
 あれだけ小さくしたにも関わらずスピーカーフォン機能もあるし、ボタンも結構押しやすいし、本当によくできた端末だと思う。
 その後、Bluetoothの素晴らしさを教えてくれたのが上の写真にもある633Sで、これには疑似iモード機能や、ちょっとした位置情報サービスもついていた。
 たしか、上にあげた端末以外にもシャープ製端末2台ほどを使っていたはずだ。

 今やauのカシオ端末を愛用する私だが、その前はPALDIOのSシリーズの大ファンだった(それだけに事業部が違うとはいえ、同じシャープのEM-ONEのつくり込みの悪さには、ついつい文句を言いたくなってしまう)。

 そうそう、PHSといえば、もう1つ、パナソニック製の固定電話と組み合わせて使うのがベスト、ということもPHS好きの間では常識だ。

 なぜなら、パナソニック製固定電話の多くには、PHS端末を子機として登録する機能があるからだ。
 つまり、PHSを手元に置いておけば、PHSにかかってきた電話も、固定電話にかかってきた電話も1台で受けることができる。
 さらに、電波の入りにくいところでも、NTTパーソナル/ドコモが販売している、HOME STATIONという装置を置くことで電波を入りやすくすることができた。
 買うと決して安くはないHOME STATIONだが、常に目を光らせていたユーザーは、2〜3回あったHOME STATIONを無料でもらえるチャンスを有効に生かして、少なくとも自宅や実家には導入していたはず。

 こうして振り返ると、PHSってなんだか楽しかったが、ドコモのPHS事業への取り組むはどんどん消極的になっていった。

もっとも、確かにFOMAの登場以降は、PHSの32/64Kbpsというスピードには限界を感じ始め、もはやPHSをモバイル端末としては使わなくなっていた。
 筆者も通話はFOMA、通信はAirH"に切り替え、その後、auのカシオ端末の素晴らしさを知ってしまう。

 だが、FOMAは解約できても、PALDIOは解約できずに今日まで来たのは、それだけNTTのPHSサービスに愛着を感じていたからに他ならない。
 そのPHSサービスが、今日で終わりというと、ちょっと感慨深いものがある。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年01月06日 | Permalink

TypeTrace公開β版リリース

前のブログエントリーで書けば良かったのですが、
年末のドタバタで、忘れていた大事なニュースがあります。

以前、CNet Japanの記事でとりあげ、
このブログでも何度かとりあげている
遠藤拓己さんの作品「TypeTrace」の公開β版がついにリリースされました。



以下のURLからダウンロードできます:
http://dividual.jp/get/tt/



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年01月02日 | Permalink

あけましておめでとうございます(2008年)

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皆さん、あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

さて、ネズミ年のお正月、家で家族とゆっくり映画を楽しむのであれば、
「レミーのおいしいレストラン」が絶対にお勧めです。
本の執筆で忙しかったこともあり、劇場公開は逃してしまったのですが、
年末にDVDを買ってから、今日の夜までに既に3回観ています。
(新年もこれを観ながら迎えました)。

レミーのおいしいレストランレミーのおいしいレストランAmazonで詳しく見る by G-Tools


子供と一緒に楽しめる映画ですが、
大人だけでも十分楽しめる素晴らしい作品です。

米国ではiPhoneの発売と同時に公開された映画で、
製作開始もiPhoneとほぼ同じくらい。
出来映えもiPhoneと同じくらいに細かなところまでこだわってつくられています。

特にスティーブ・ジョブズファンは必見!

「我々は海賊でありアーティスト」とか
「後ろばかり振り返っていては、新しいチャンスを見逃す」とか
まるでジョブズが言わせたんじゃないかと思えるセリフがたくさん出てきます。

映画を見た後に立てた今年の目標は「不言実行」。

ちょっとネタバレ(それほどでもないです)な理由は「続きを読む」の先で...

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年01月01日 | Permalink

2007年を振り返る

またしても前回更新から時間が空いてしまい、気がつくと大晦日。

実は来春の発刊を目指して再び本の執筆をしているのだが、それと並行していくつかWebの記事も書いているので、時間がいくらあっても足りない。

2008年は仕事の数を絞ってwork-life balanceをよくしないと...と2008年の抱負を書こうと思ったけれど、その話は年明け最初の記事に譲って、こちらの2007年最後の記事では、今年1年を振り返ってみたいと思う。

Sunset in Hayama (@Denny's)
(今年、最後から2日目=大晦日前日の夕陽@葉山)

今年(そしておそらく来年の前半)は、これから先5年〜10年くらいの中心的議題が次々と登場した年だと思う。

まずは大局的なところから:

1.環境問題:



 記録的猛暑に見回れようとも、世界最大規模のハリケーンが世界を襲おうと「二酸化炭素と温暖化の関連性は科学的に証明されていない」といった声をあげる人もいるが、そういう人達は、「関係ないから何もやらなくていいんだ」という意見なんだろうか。
 「関係ない」からといって、これまでの消費社会、消費文明を続けていくったら、もしかしたら今は無視できている別のところにも、そのうち大きな歪みが現れてくるように思えてならない。

 今年、この環境問題について、私ができた小さな小さな貢献のいくつかを紹介しよう(貢献というにはあまりにも小さいレベルだけれど)。

 まず、いろいろな場所で、応援しているNGO「Think the Earth」について話してきたこと、それから応援している電気自動車「Eliica」について紹介してきた。
Eliica

 環境関連の取材は、まだまだ数が少ないが、意外だったのが夏に参加したFoo Campで、結構、みんな環境関連の話題について話し合っていたこと。実はFoo Camp初日にRechargeIT.orgというCO2削減のイニシアチブを始めている。

FOO CAMP

今年、書いた環境問題に絡んだ記事で今、思い出せるものは...

ネットに衝撃を与えた「インパクト・ゼロ」な生き方
地球意識を芽生えさせるソフトたち
地球×アート×IT


2.資本主義とグローバリズムによる歪み



これまでにも「格差社会」の問題が指摘されていたが、今年はNHKスペシャル「ワーキング・プア」や「〜難民」といったニュースが取り沙汰。もはや「無視できない問題」を通り越して、「切羽詰まった問題」になりつつある。
 フリードマンの「フラット化する世界 」が、これからの世界の怖い一面を紹介する一方で、フロリダの「クリエイティブ・クラスの世紀」など希望を与えてくれる本もある。
 BRICsを含む発展途上国が、発展した国になっていく中、日本を含むこれまで先進国と言われていた国々(やその国の人々)は、道をあけて、次のステージにいかなければならない。
 例えばモノヅクリ1つをとっても、上位のレベルのクリエイティブな作業に移行していかなければならない気がする。ただ、そうしたトランジションが雇用率や平均所得を維持したまま行なうにはどうしたらいいのかは、これからの日本の(そしてその他の先進国の)課題かな。
 私は、こっち方面はまだまだ弱く、取材も足りていないが、今年書いた、関係ありそうな記事はこのあたりか...

「Mac for クリエイティブ・クラス」宣言


3.産声をあげた新しいプラッフォトーム:



今年、1番の話題と言えば、やはりiPhoneだろう。同製品は、パソコンに変わる、1人1台、いつでもどこへでも持ち歩く、パーソナルで、使い勝手がよく、パソコン並みの性能を備えたデバイス=新時代のケータイというプラットフォームが誕生するきっかけをつくった製品だ。

 もちろん、1社だけですべてをつくることはできないが、アップルには、ちゃんと水面下で手を結んだよきライバル、Google社のAndroidがある。

 この2つが切磋琢磨しながら、パソコンでおかした失敗を、もう1度、やり直して、新しいパーソナルかつユビキタスな情報機器の新秩序をつくりだそうとしている。

 本件についての記事は、日経BP刊の「iPhoneショック
ウェブブラウザー戦線異状あり──2008年、「Safari/WebKit」が大ブレイク!?
あたりで記事を書いた。

この「ケータイ」というプラットフォームが2008年以降の社会に与える影響を考えて欲しい。
私はいずれ、これがおサイフやケータイ型テレビという枠を超えて、家の鍵になったり、すべての家電に対応したプログラマブル+遠隔操作対応のコントローラにもなる気がしてならない。

これからは「ケータイ」を握る企業が、家電業界を握る可能性もあるんじゃないだろうか。

家電メーカーにとって、いいケータイを生み出すこと、あるいはいいケータイとパートナーシップを結ぶことは、死活問題になる気がしてならない。



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年12月31日 | Permalink

日本進出に向け前進のiPhone、その秘策とは..!?

本日、一番の話題と言えばやはりこれ:
Reuters(via CNet Japan): アップル、「iPhone」日本投入でドコモとソフトバンクと交渉

朝、auケータイに表示されるEZニュースフラッシュを見た家族に「iPhoneはドコモと組むことになったみたいね」と言われて、慌てて起きて上のニュースを確認しました。

 これは本格的な交渉が始まったということでしょうか。
いずれにしても、上の2社に加えて、auも非公式には話をしている(メールや電話での連絡?)という話しは私も聞いており、明日発売になる書籍「iPhoneショック」で書いています。

 さて、交渉が難航している一因として、キャリアからアップルに対して上納金を支払うという仕組みがあることがあげられていますーー実際、多くの方がこれまで、「この上納金をとるのをやめない限り、日本での実現は難しい」と指摘されていました。

 ところが、今回、「iPhoneショック」執筆に当たり、実はある条件が整えば、キャリアにとって毎月1顧客あたり1000〜1500円の上納金を渡すことは苦ではないことが、あるキャリア役員さんの匿名取材でわかりました。アップルは、この条件を崩すことはないはずなので、そういう意味では、日本でも、キャリアからアップルへ上納金を支払うこと自体は難しくなさそうです(このカラクリ、ぜひ!「iPhoneショック」を読む際の楽しみとして、ご覧になってください)。

 では、今、アップルとキャリア2社が話し合っているのは、上納金の額ではないかと思っています。
 新聞などに「ドコモ優位」などと出れば、ソフトバンクからいい条件が引き出しやすくなるし、逆もまた真。どんどん、値段をつり上げていって、片方かが競り負けて、勝負が決まり、MACWORLD EXPO/2008で正式発表、という形でしょうか?

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年12月19日 | Permalink