Yahoo! Japan、iPhone戦略の隠し球?

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マスコミの一時的な「iPhone、日本では失敗」報道も沈静化し、
今度は逆に一般的な報道よりは売れているんじゃないかというニュースも出始めている:

Apple Insider: Japanese iPhone 3G sales better than reported

でも、本当に大事なのは、新しいもの好きの人が飛びついた、最初の3ヶ月に何台売れたかではなく、
より厳しい目で製品を評価する、一般顧客がこれからどれくらいiPhoneを買うかだろう。

パソコンの便利さと楽しさを携帯電話という製品の殻に凝縮したiPhoneは、
OSのバージョンが2.1になって、そうした一般の人達の中でも、
ある程度、技術的な素養があって、自分でトラブルを解決できる人達には勧められるレベルに到達した、と思っている。

 それでも動作が不安定になることも多いし、「私は機械音痴」という人には、まだまだ難しいデバイスかもしれない。しかし、1つ確実なのは、この3ヶ月、携帯電話業界周辺でも、パソコン業界周辺でも、もっとも多くの楽しみを享受しているのはiPhoneユーザーだということ。
 ここ数ヶ月の講演活動などで会う人の中には、インターネットで聞きかじったiPhoneの問題点や不安点をあげつらう人も多いが、そうした人のほとんどは、実物のiPhoneをちゃんと触っていない人で、実際に使っている様子をデモして見せると「思っていたよりもぜんぜん凄い」と声をあげる人が多い。
 確かに問題がないとはいわないが、今のiPhoneは、それらの問題点すべてに目をつぶることができるほどの魅力を放ち始めている。
 ソフト開発者のビジネスチャンスとして考えても(世界展開している開発者に限るが)大きなポテンシャルを見せ始めている。

 ちなみに、この1〜2週間でApp Storeで売られているアプリケーションの品質が、一気にレベルアップした。最初の頃は、「とりあえず、iPhoneで動くようにしました」というものが多かったが、今では大手のゲームハウスとかがメジャータイトルを次々とiPhone用につくり直し始めている。そういう意味では、開発者にとって参入障壁が高くなった、という側面もあるのかもしれない。

 いきなり、最初から脱線してしまったが、ここで表題にもあるYahoo! Japanの話し。

 Yahoo! Japanは、ソフトバンクモバイルの関連会社ということもあり、iPhoneにも真剣だ。

 何よりも凄いのは、ソフトバンクのiPhone発売確定から数週間で、iPhoneに最適化したポータルサイトをつくってしまったこと。これが「ヤフー!」っぽい外観も含めて、実によくできている。
 ソフトバンクモバイルのショップでiPhoneを買った一部のユーザーのホーム画面には、そのアイコンが登録されているが、登録されていない人は、ぜひiPhoneのSafariに以下のアドレスを入力して、ホーム画面に登録するべきだろう:

http://ipn.yahoo.co.jp/

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投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年09月30日 | Permalink

Without Thoughtは明日(9月19日)まで

「九州は食べ物が最高!!!」を実感した熊本出張+翌週の福岡出張の後、さすがに疲れが出て、
2日ほど寝込んでしまった。ブログの更新はおろかTwitterの更新すらできておらず。
メールも2日がかりで返事を書き続けた物の、実はまだ未返答のメールが30〜40件あることにさきほど気がついたところ。

そんなお尻に火がついた状態の中だったけれど、Without Thought Vol.9が明日(19日ー金曜日)までということを知って、今日、慌てて見に行った。

公式ホームページ:WITHOUT THOUGHT Vol.9


Without thought vol.9

WITHOUT THOUGHTとは、深澤直人さんがDMN(ダイヤモンド・デザインマネジメント・ネットワーク)の協力の下、いろいろな企業のインハウスデザイナーらと組んで開催しているワークショップ。

 普段は企業で、商品デザインを行っているデザイナー達が、毎年、会社の活動に関係なく与えられたテーマについて、自由な発想でデザインしたプロトタイプを展示する、というもの。

 前回のテーマは、「拭く」で、展示されていたぞうきん型の携帯液晶クリーナーは、INFOBAR2用のクリーナーとしても発売された。

 個人的には、「朝食」の回が好きだったが、「flower vase(花瓶)」をテーマにした今回の展示もなかなか素晴らしい。

 1000円の図録は、後からでも変えるが、実際のプロトタイプの展示が見れるのは明日まで。
 ぜひ、デザイン好きの人だけに限らず、花好きの人も足を運んでみて欲しい。

 場所は西麻布交差点近くのギャラリー ル・ベインで、時間は19時まで。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年09月18日 | Permalink

まだまだ話題のiPhone、ついに法人市場へ進出

今は、新型iPhone発表のまさにそのタイミングだが、私はこのブログ記事だけ書いたら、さっさと寝て、明日の取材に備えるつもりだ。明日は朝8時から30〜60分起きにスケジュールビッチリのノンストップアクション状態で、明後日は朝6:20AMに羽田から福岡へ旅立つ。
今から体力を温存しないと、かなりヤバいので、発表は見ずに寝るつもりだが、今晩は新型Macの発表はない、と見た。

Softbank Summit 2008 Keynote

今日、Softbank Summit 2008が行われた。そして孫正義さんの基調講演で、日本でもついにiPhoneを本格的に法人向け市場に向けて売り出すことが発表された。
1時間の講演の後半、孫氏は「今日の来場者で、自分の携帯電話を使って、会社のメールの読み書きをしている人」と聞いた。手をあげたのは2800名の来場者の3〜5%といったところ。

 孫さんは「日本の携帯電話はゲームやワンセグとエンターテイメントの機能は世界でも最先端に優れているけれど、オフィスオートメーションのツールとしては遅れている」と指摘。最前列に座っていたアメリカ人に講演中、英語で同意を求めていた。
 この最前列のアメリカ人、確認はとれていないが、おそらくアップル社のジェレミー氏。
 iPhone 2.0 OSは、FORTUNE 500企業のなんと35%でベータテストが行われたが、そのiPhoneの法人営業部隊の1人である。孫さんの講演後、Softbank Summitの展示コーナーに並べられたたくさんのiPhoneと孫さんの講演にすっかり満足した様子だった。

 確かに今日「も」孫さんの講演はなかなかよかった。
 iPhoneの話しとなると、非常に饒舌になり、実感がこもっているから説得力もある。

 米国のアップルが公開しているiPhoneの法人利用の事例は、ほんのわずかだが、
 孫さんは、架空のものばかりだが、20近いiPhoneの導入例のシナリオを紹介。
 どれもそれなりに説得力がある物だった。

 2800人の来場者の中で、iPhoneがどんなものかを、本当に理解している人は少ない様子で、みんなWebの記事だけ読んで知った気になっている人が多いのか、孫さんが「こんなこともできる」、「あんなこともできる」とデモをする度に、ドヨめいていた。

【注:以下の段落、個人が特定できそうだったので表現をボカしました】
 最近、大企業の重鎮の方々と接することが多いが、やはり、こちらもそれなりに凄いと思っている会社は、ライバルの会社の製品であっても、オープンな気持ちで「やはり凄い」とiPhoneを受け入れる。
 たまに「え、でも、iPhoneって〜〜では評判わるいでしょう?」とアラさがしをしている人もいるが、実はそういう人ほどiPhoneを実はちゃんと触ったことがない人だというのがよくわかる(iPhoneって「日本語がローマ字入力なんでしょう?」なんていう人もいた。もっとも、「アプリが起動しなくなるバグ、あれは大変だよね」という人は知っている人だろう ー笑)。
 愛社精神は大事だけれど、だからといって、話題の製品を「劣っているに決まっている」と決めつけてちゃんと見ることもせずにいる人が、実は多いんじゃないかと、ちょっと不安になった。
 佐藤可士和さんもいっているが、今の消費者は、そんな製品でもりあがるほどバカではない。
 むしろ、情報過多の中から、瞬時に正当な情報を見つける訓練をされている消費者の方が、自分の会社の製品だけに盲目になっている人達より、ものがよく見えているんじゃないか。

 話しがズレたので、元に戻そう。

Softbank Summit 2008 Keynote

 孫さんは小売業からタクシー業、そして何故か一番熱心に語っていた配送業で、孫さんが言う通りのiPhone用アプリをつくれば、「配送業界全体で、年間3000億円ほど利益を改善できる」といった勢いでまくしたてていた。

 聞いている人は、実はナメてかかっていてよく知らなかったiPhoneの「予想外」の可能性に引き込まれて行くのだが、最後に「One more thing」こそ言わなかったものの爆弾発表があった。

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 Softbank Summit 2008の参加企業すべてに、iPhoneを1社5台まで完全に無料で3ヶ月間貸し出すというのだ。
 孫さんのトークに聞き惚れて、夢を描き始めていた2800人の来場者達はドヨめいた。
 3ヶ月の間、iPhoneで、電話もインターネットもし放題だ。
 おそらく、来月には「支給された5台のiPhoneを、誰が使うのか」で同僚との仲間割れをする会社も多いのではないか!?

 最近、コンシューマー向けのiPhoneの販売がやや落ち着き始めた。
 それにあわせて、いろいろな媒体から、必ず受けるのが、「孫さんは100万台のiPhoneを売ると言っていたが、どう思うか?」という質問だ。
 既に4誌ほどに答えたので、ここで私の考えを述べておこう。
 私の記憶の範囲では孫さんは100万台売るとはいったけれど、いついつまでに100万台とは言っていなかったと思う。


 私が最近、この手の質問を受けると必ずしているのが、この答えだ(最近では、講演でもこれを取り入れるようになった)。

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 アップルのスティーブ・ジョブズは2008年末までに世界の携帯電話市場の1%(=1000万台)を取ると宣言していた。当然、日本でのiPhoneの出荷台数は、これよりもずっと小さい数になる(1000万台のうち600万台は、欧米での初代iPhoneの売り上げだ)。

 世界の1%とはどういう数字だろう。

 私の講演でよくでてくるスライドの1つに、「世界の携帯電話市場における日本メーカーのシェア」、というスライドがある。
 日本で、一番、売れているのはシャープ製の端末で、国内では圧倒的なシェアを持つが、実はそのシャープですら、海外では展開していないので、世界市場で見ると、わずか1.5%ほどのシェアしか持たない。
 iPhoneの1%は、イメージとしては、そのシャープ製の端末を、世界中にばらまいて薄めたくらいの台数ということになる。
 なので、シャープ製の端末なんかと比べると圧倒的に少ない(特に、日本市場での話しとなると、めちゃくちゃ小さくなる)。

 でも、それでも多くのソフト開発者に世界レベルの成功を夢見させるには十分な存在だ。
 それにシャープという会社が出している携帯電話の端末は、1キャリアあたり数台ずつだが、アップルが売っているのは、ただ1製品2モデルのみ(今は絶版の初代iPhoneをカウントしても、2製品4モデル)。そういうわけで、R&Dコストに対する回収率は圧倒的に高い。

 孫さんの100万台というのは、おそらく年内とかそういったショートスパンではなく、1年とか数年とか、そういうスパンでの数字じゃないかと、私は思っている。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年09月10日 | Permalink

iPhoneによるイベントガイドのモデルケース

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銀座で明日(9月1日 月曜日)まで開催中の「デザイン物産展ニッポン」。
D&Departmentナガオカケンメイさんがコミッショナーを務めるイベントで、
私も友人にチケットをもらっているし、なんとか明日の最終日に滑り込みで見てこようと思っている。
(今日のagnes b.は行けなかった...悔しい)。

この「デザイン物産展ニッポン」のWebページがiPhoneに対応しているということをお宝鑑定団のブログで知った:
Macお宝鑑定団Blog「羅針盤」:松屋銀座店、iPhone 3Gコンテンツ「DESIGN BUSSAN NIPPON」公開


iPhone/iPod touchユーザーは、ぜひこちらのURLに接続してみて欲しい:
http://designbussan.jp/


実際にiPhoneからアクセスしてみると、これがシンプルながら驚くほどよくできている。
ユーザーインターフェースの見やすさ、わかりやすさも、さることながら
ムービーまでiPhoneのサイズにあわせてあるあたりちょっと感動した。
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これは今後、世界で開催されるさまざまなイベントが手本とすべきガイドなんじゃないだろうか
(ということで、後で、英語のブログでも紹介しよう)。

イベントに行くモチベーションを高める案内としても機能し、
イベント会場ではガイドとなり、
そしてイベントを訪れた後も、「あれは何だっけ?」と調べられるツールとして使えそうだ。


ガイドとしての便利さは、未体験なので、明日、試すつもりだ。記事もそれからでもよかったが、もしかしたら行きたいのにイベントのことを忘れている人がいるかもしれないと思いイベントの案内も兼ねて記事を書くことにした。

なお、お宝のページからもリンクされているが、ITmediaのこちらの記事がガイドの舞台裏などを細かく紹介している。
ITmedia Enterprise: 伝統に“新しい風”:
iPhoneを利用した展示会ガイダンス――老舗百貨店 松屋が採用



もっとも、このシステムを他のイベントにも広げて行くとなると、
iPhoneだと「携帯電話禁止/カメラ禁止」の美術館での利用が問題になるかもしれない。

そういう意味ではiPod touchって電話もできなければ、カメラもないし、
ヘッドホンがないと音を聞けないし、音声ガイドとしては絶妙な製品なのかも。

9月9日に発表されそうな新iPod touch、その当たりの視点も入っていることに期待!

そうそう、銀座の松屋に行き損ねた人。もし、9月9日よりも前に、九品仏のD&Departmentに行くことがあれば、行きか帰りにちょっとだけ足を伸ばしてLa Rucheにも行ってみましょう(駅から見てD&Departmentと反対方向だけれど):
nobilog2: La Ruche、今年は9月15日まで


投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年08月31日 | Permalink

リビングでのiPhoneライフが一気に充実

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今週、届いたモノ2つのおかげで、iPhoneのリビングでの存在感がグっと増した。
届いたモノのの1つ目は「Apple コンポジット AVケーブル」、
iPodやiPhoneをテレビにつなぐ専用ケーブルだ。

前にビックカメラの有楽町店で見かけたときに「買わなきゃ!」と思ってそのままになっていたが、
渋谷のビックカメラに売っていなかったので(そしてApple Store Shibuyaに足を伸ばす時間的余裕がなかったので)Amazonでオーダーしてしまった。

drikinが「僕が先にブログする」といっていたけれど、
なかなか記事があがらないので先に書いてしまおう。
この製品、「実は凄いんじゃないか」と思っていたけれど、
改めて使ってみるとやっぱり凄かった。

iPodの写真をテレビ(特にブラウン管がお勧め)に映し出すと、
きれいということはiPod photoの登場時からわかっていたことだけれど、
今はこのプレイヤーがiPhoneに変わったことによって、
写真だけでなく音楽ビデオや映画といったムービーコンテンツ、
そしてなんとYouTubeもテレビで見ることができる。

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テレビでYouTubeというと、先週、9月発売の「ビエラPZR900シリーズ」というテレビに
標準でYouTubeを見る機能が内蔵されたというニュースが話題になったけれど、
実はiPhoneユーザーは、この5000円のケーブルを1本買うだけで、
(ややケーブルが邪魔だけれど)ほぼ同じ体験ができてしまうのだ。

いつもMacやiPhoneで見ているYouTubeなのだけれど、
「テレビ」という違ったメディアを通して見るだけで、
なんだかぜんぜん別の体験になって楽しく感じられるから不思議だ。

先日、森美術館のイベントで聴いてから気に入ってしまったアーティスト「オルガノラウンジ」で
検索するといくつか動画が出てきたので、しばらくテレビに映し出されるYouTubeで、
その映像を見て、明日(31日)リニューアルオープンのアニエスベー青山店
ライブパフォーマンスに行きたくなってしまった。
(14:30からと17:00からの2回あるが、行けるかどうかはちょっとビミョーだ)。

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届いたモノのもう1つは、ロジクール社のポータブルスピーカーシステム「Pure-Fi Anywhere」。

超高音質!、ではないかもしれないけれど、
この価格にしては、十分すぎるくらいの音量と音質を備えており、
何よりも細かいところまでよくわかってつくられているのがうれしい。

置いておくだけでiPhoneを充電してくれるので、
寝る前にはベッドの横に置いて翌日のために充電しつつアラームをセットしておけば、
翌朝、頼りがいのある音量でお気に入りの音楽をならしてくれる。

充電式なので、アウトドアでiPhoneの音楽を楽しむこともできる
(何Wかは書かれていないが、音量を最大にしてしまうと、まわりに迷惑がかかる、くらいの音量が出る)。
旅行のときにトランクの中に詰め込んでもっていくのにも手頃で、専用のポーチやリモコンが付属しているのもうれしい。

実はロジクール社のポータブルスピーカーは最初の製品「mm50 Portable Speakers for iPod」から愛用している。
 去年引っ越すまで、紅茶/コーヒーと読みかけの本とmm50を持って、ベランダでくつろぐというのがお気に入りの気分転換方法だった(今のマンションは利便性優先でそれほど眺めがよくないので、それほどベランダを活用していない)。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年08月31日 | Permalink