Googleで、できること:70Kgでも渋谷で空を飛べました

渋谷で空を飛ぶ。渋谷で空を飛ぶ。
風船の力で空を飛ぶーー子供の頃、何度か夢には見たけれど、
どこかで現実にはかなわないだろうとあきらめていた夢が、今日になって突然、かなった。

「Googleで、できること」キャンペーンの一環で、「渋谷で空を飛ぶ。」というイベント。

会場で携帯電話を使ってGoogle検索した人に整理券を配り風船で数分間、空を飛んでもらおうという内容(人数が多過ぎた場合は抽選)。
場所は渋谷のタワーレコードの横で、明日(10/4)から始まる。
山手線や埼京線や成田エクスプレスからも渋谷ー原宿間で大量の風船が見えるはずだ(渋谷ハチ公のある交差点側)。

google.jp/dekiru
のページに書いてあるその日のキーワードで検索する度に、風船の数が増えていく。
今日の朝の時点で、風船の数は約2500個で体重50Kgまで飛べる状態ということだった。

私は最近、すっかり太って、かなり70Kgに近くになってしまっているので、最初はあきらめていた。
でも、「それでも、ぜひ!」と言われたので試してみたところ、ちゃんと数メートルの高さまで飛ぶことができた。

どうやら多少、体重オーバーしていても、上にあがらないわけではなく、
とりあえず、サポートの人に持ち上げてもらうと、上にあがることはあがるようだ。
(ただし、落ちてくるスピードが速い(苦笑)ということみたい...)。

ちなみに両手で掴んだ風船2500個の手綱の感触にビックリ。
さすがに2500個もあると、引っ張る力が強い、強い!

イベント会場では、間違って飛んでいってしまわないように、風船をネットで覆っているのだけれど、
ちょっとだけ「あのネットがなければ...」と思ってしまった。
広い野原で、あの風船を持って月面飛行よろしくスキップしてみたいところ。

イベントは12日までで、
平日:12:30 14:30 16:30 17:30 18:30
土曜・日曜:11:30 13:00 14:00 15:30 16:30 17:30 18:30
30分前に受付開始。
整理券をもらう条件が携帯電話にGoogle.jp/dekiruで検索することなので、携帯電話は忘れないように!
結構、楽しいので機会があればぜひ試してみて欲しい!

ちなみにこのイベントにあわせて山手線ジャックも始まっているようで、
これまではGoogle利用率の低い町、池袋でしか展開してなかった広告が、渋谷でも展開するようです。



このイベント、Googleの広告としてもおもしろいけれど、なんか、普通に考えたら無理そうなものが、みんなの力でちょっとずつ実現していく、という部分もなんだかわくわくしてくる(ただ、実際には熱や摩擦で割れる風船もあるし、夜になると、しぼむ風船も多いしで、裏方はなかなか大変なようだ)。

誰かが1人検索するごとに、50/2500=0.02Kg=20グラム(!?)単位で空を飛べる人が増えていくって、なんだか素敵じゃないか。
【UPDATE:今、イベントページをみたら、「風船の数は毎日約 3500 個(70kg)が上限となります。最終日の 10 月 12 日(日)のみ「100kg チャレンジ」として最高約 5000 個までとなります。」ということみたいだ。なので、あまりにも大勢が検索し過ぎて会場ごと飛んじゃう、という心配は不要。その代わり、皆が毎日検索しないとダメなのか...】

最近、なんかみんな妙に現実的になって、ペシミティスックになって、
夢を失ってきている中、こんな童心に戻れる素晴らしい企画を思いついた方々拍手を送りたい!

渋谷で空を飛ぶ。

これまで書いた本にも書いたかもしれないけれど(<ー覚えていない)、
今、日本の企業に一番欠けているのは、この「夢」の部分だと思う。

 「すべての音楽コレクションをポケットに入れて持ち歩く」、なんていうのや「主要レーベルのすべての音楽がディスクレスで1曲単位で売買できるストアなんていうのも、元々はアップル社内の誰かの夢」も、元々はアップル社内の誰かの夢。「図書館の本を検索」したり、「昔住んでいた場所の最近の様子を、そこへ行かずに確認」したり、といったことも、元々は夢。

 そういった夢が、多くの日本企業では「そんなのできるわけないよ」とか「やっても、誰も興味持たない」、「やっても、儲からない」といった声によって、日の目を浴びることなく消えているんじゃないかと想像すると、ちょっと残念な気がしてくる(関連記事:「ダメは誰でも言える。できると言えることこそが大事!」)。
 
 もちろん、「そんなのダメ」という人は、日本だけでなく、世界中にいるわけだけれど、だからこそ成功している会社は、夢を膨らます方向。社員から「できる」と思う力を引き出すことに力を注いでいるんじゃないだろうか。
 社員が自分の夢を好き放題、描いている有名なGoogle社のオフィスウォールなんかは、そうした社員の「夢」を引き延ばそうという努力の一環なんじゃないだろうかと思っている。

 そういう視点で見ると、日本でおもしろいのは、毎年、紹介している深澤直人さん×ダイアモンドの「WITHOUT THOUGHT」。あれも企業のインハウスデザイナーを、日々のルーチン的な仕事から解き放ってくれるいいプロジェクトだと思っている(見る側にも、何か解き放たれる感じがある)。

 半導体メーカーの中で、インテルが強いのにも、「夢」が関係している気がする。
 多くの半導体メーカーの重役と言えば、次は工場をどうするだとか、プロセス幅をどうするとか話し合っているのに対して、インテルの役員会議では、未来のライフスタイルはこういう風になるはずだと「夢」を語り合って、そこからそのライフスタイルを支えるのに必要なチップをつくり提案していくのだ、と聞いている。

 今週、CEATECで幕張メッセに1週間缶詰になった方々は、ぜひ来週は渋谷の空を飛んでみて童心に返り、来年に向けての「夢」をふくらませてみるというのはいかがだろう(でも、混みそうなので、疲れを癒すのには向かないかも)。




関連記事:CNet:風船の力で渋谷の空を飛んでみた--Google新キャンペーンで

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年10月03日 | Permalink