突如、Macに本腰を入れ始めたdocomo

  1. Mac
P1210932.JPG
'90年代後半、PowerBook 520cやPowerBook 2400cの時代は、
折りたたみ式電話の形ながら、蓋を外すとPCカードやCFカードに差し込めるというNTT Personalのシャープ製PHSのできがよくって、これを使って、外出先のインターネット接続をしていた。

しかし、その後、NTT docomoから登場した高速通信を売りにたFOMAは、なかなかMac対応を唱ってくれない。サードパーティー製のケーブルなどで、MacでFOMA通信を実現する製品はあったが、やはり、キャリアそのものが対応を唱ってくれないと不安なところがある。
私の中で、NTT docomoは、なんかMacとは縁遠いキャリアと言うイメージがあった。

しかし、昨年12月に登場したLG電子製のドコモ最新端末「L-02A」が、このイメージを180度覆したという。
「とにかく、めちゃくちゃ真剣にMac対応をしているから見てみて!」と、友人が強く勧める。
そこで、その友人のツテを通して、しばらく「L-02A」を試用してみることになった。

 これまで、日本通信「b-mobile 3G」を愛用していたが(ちなみにイーモバイルもEM-ONEを持っているが、ホコリをかぶらせている)、決して「b-mobile 3G」に問題があったわけではない(今でも持ち歩いて、たまに使ってみる)。

 「b-mobile 3G」と「L-02A」は、キャリアこそ違えど、どちらもドコモのネットワークを使っており全国かなり広いエリアで、安定した接続が得られる。
 さらに、実はどちらの製品もMacに対応しており、だからこそ筆者も愛用している(これもイーモバイルも同じだ)。

 だが、「b-mobile 3G」のMac対応と、「L-02A」のMac対応は、ある意味、対照的でおもしろい。

 「b-mobile 3G」のMac対応が、必要以上に何かをしているわけではないけれど、Macの標準機能を使って問題なくつながります、というやや米国ベンチャー的な「No frill(お飾りなし)」の素朴なMac対応だとしたら、「L-02A」は「Macに本腰入れました!」という熱い思いが、節々まで伝わってくる、日本企業的ないたれり、つくせり型対応なのだ。

 NTT docomoの気合いはインストーラーの画面から伝わってくる。

インストーラ001

 そして、いたれりつくせり感が伝わってくるのが、こちらの「コネクションマネージャー」という接続ソフト。
 利用したパケット量によって、変化する月額利用料が、今、どの段階にあるのかを監視してグラフで教えてくれるツールだ。
 結構、こまめに通信料をコントロールしている人だと、このソフトのおかげで、
「今月は今日で終わり。今、ここでL-02Aでつながずに、2Km先の公衆無線LANまで歩いたら、ダイエットにもなって、月額使用料も6000円安くなる!」といったことが可能になるわけだ。

ドコモ コネクションマネージャ005

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年03月17日 | Permalink

Mac誕生から四半世紀

  1. Mac
「iPhone 3G販売から半年」の記事につづいて、振り返りもの...

DSC00001

On January 24th,
Apple Computer will introduce
Macintosh.
And you'll see why 1984
won't be like "1984".

この伝説のCM通り、
スティーブ・ジョブズが初代Macを発表したのが、
今からちょうど四半世紀前の今日1月24日。
発表は上の写真の場所、アップル本社からほど近いDe Anza CollegeのFlint講堂で行われた。
(ちなみに写真はMac誕生15周年の1999年に、同じ講堂でiMac DVが発表されたときの写真)

四半世紀、1世紀の4分の1がもう過ぎたのかと思うと正直驚くところがある。
最初のMacが発表された当時、私はまだ高校生だった。

アップルはMac発表の前年にLisaというマウスを使ったコンピューターを発表していた。
誰でも20分で使えるようになる未来からやってきたビジネスコンピューター。
そんな印象のLisaがあっただけに、Macの印象は、その廉価版(しかも、ソフトの互換性無し)。
日本では伝説のCMが流れたわけでもなければ、Lisaも初代Macも
(いや、それどころか国内で売られていたApple IIシリーズでさえも)手が届かない存在だったし
そういう意味ではMacの最初の印象は、それほど衝撃的なものではなかった。

でも、初期のMacの販促に使われていたグラフィックやCMは、いずれも凝ったもので、
アップルが、この製品にかなり本気である様子だけは肌で感じていた。

その後、一部のパソコンショップにMacが置かれるようになり、
私も頻繁に触るようになった。
なんといっても衝撃を受けたのがStudio Sessionというソフト。
初代MacのOS開発にも関わったSteve Cappsのつくった音楽ソフトだが、
なんとも楽しいつくりに、そしてMacがグラフィックだけでなく音の扱いにも優れたパソコンである事実に圧倒された。

ちなみに、この「Studio Session」の後継ソフト、「Super Studio Session」は現在、ネット上で無料公開されている:
Super Studio Session

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年01月24日 | Permalink

Mac史上、もっともバリエーション豊かなラインアップ?

  1. Mac
MacZoo in Kansaiで講演を終え、東京に向かう新幹線の中から。
今日の講演、新機種に触れないわけにも行かず、冒頭、5分ほどで昨日の発表のまとめを行った。
アップル社のWebページではなかなか総覧ができないので、
昨日の発表で一新されたアップル社のノート型全ラインアップをスライドにまとめてみるとこんな感じになる。

Macbook004009
(よくスライドを見返したら、製品名をいれているスライドがなかったので、価格で許してください)

エントリーモデル(MacBookホワイト)と最上位モデル(17インチMacBook Pro)、そしてMacBook Airは旧来通りの外観で、間に挟まれたMacBookとMacBook Proだけが、iMacに似たガラス液晶とガラス製のマルチタッチ・トラックパッドを採用するという、なんともチグハグの構成だ。

かつて、たくさんあった製品ラインを、iBookとPowerBookの2モデルだけに「シンプル化」したのと同じ会社の戦略だとは思えない。

同じ時期に発売されている製品でも、モデルによって操作インターフェース(トラックパッド)も、ディスプレイアダプタ(mini DVI、miniDisplayPort、DVI)も異なるのだ。


投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年10月15日 | Permalink

夏の終わりに朗報、MacBook Airコア問題、これで解決!?

  1. Mac
暑さが猛威をふるった今年の夏も終わりが近づいてきたのか、最近はめっきり涼しくなった。
そんな中、ひっそりと、しかし、MacBook Airユーザーにとっては重要なアップデートがリリースされた。
「MacBook Airシングルコア化問題」ーーMacBook本体が暑くなると、2つあるCPUの1つが動作を停止してしまい、操作不能とは言わないまでも、
・複数アプリケーションの同時利用
・日本語入力
といったものが、とてつもなく遅くなってしまう深刻な問題だ。

Keynote/PowerPointでのプレゼン中に、片方のCPUが止まったらどうしよう(スライドの切り替えができなくなってしまったら「悪夢」だ)。講演をしにいく場所の演台が木製だったらどうしよう(木製の演台にMacBook Airを置くと本体が熱しやすい)。
そう考えると心配でならず、「薄さ」、「軽さ」が自慢のはずのMacBook Airだが、
講演の時には、必ず重たい冷却台を一緒に持ち歩いていた。
(人によってはこの症状がまったくでないようで、例えば一緒に何度か講演をしているジャーナリスト神尾寿さんや清水亮さんなんかは、同じMacBook Airをそのまま演台においてプレゼンをしている)。
(この問題、某所で後編の記事として書かなければと思いつつ、こうした個体性の違いが、どの程度あるかわからず、またiPhone関連の諸々で忙しくそのまま記事を書けずにいた)。

その問題が、今日、ようやく解決への一歩を踏み出したようだ。
MacBook Air Software Update

これで本当に問題が解決するかは、数週間使ってみないとわからない。
明後日のMacZooの講演や9月5日の熊本でのスピーチ用には、まだ様子見で冷却台を持って行こうと思う。

でも、これで問題が解決してくれていると年末にかけてはかなり荷物が楽になりそうと期待!
同じ問題で悩んでいたネタフルのコグレさんも胸を撫で下ろしているはず?

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年08月24日 | Permalink

24年間、お疲れさまでした

  1. Mac
sun rise in San Francisco
明日発売のMacFanが先程、届きました。
その巻頭に残念なお知らせ。

 Mac誕生の1984年からMac用ソフトを出し続けてきたエルゴソフト社がパッケージソフト事業を終了するようです

 エルゴソフトと言えば、EGシリーズ、日本語入力ソフトのEGBRIDGEやワープロソフトのEGWORD。
昔は通信ソフトのEGTALKや、DTPソフトのEGBOOKなんていうのもありました。
(それに加えて、アメリカではEzTALKとか、EzWordといったソフトがあったので、昔はよくそこいらへんがこんがらがっていました)。

 アメリカの大学に行ってすぐ、遠縁の大学関係者の家(日系アメリカ人)の家に遊びに行ったところ英語仕様のMac Plusが置いてあったのですが、ここでEGWordが動いていて、なんと英語仕様のMac上なのに、日本語の表示/入力ができていたのに驚かされました。あれはおそらく1987年前後。
 当時のEGWordはといえば、巻物の様なウィンドウに縦書きで文字を入力するインターフェースでした。
 長い間、特に学生を中心に愛され続けてきたEGWordは、Mac OS Xの登場で脚光を浴びます。
 Mac OS Xのヒラギノ2万文字に、真っ先に対応したのがEGWordでした。

 ちょうどその頃、一度、本社も訪問させていただきました。



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年01月28日 | Permalink