突如、Macに本腰を入れ始めたdocomo
'90年代後半、PowerBook 520cやPowerBook 2400cの時代は、
折りたたみ式電話の形ながら、蓋を外すとPCカードやCFカードに差し込めるというNTT Personalのシャープ製PHSのできがよくって、これを使って、外出先のインターネット接続をしていた。
しかし、その後、NTT docomoから登場した高速通信を売りにたFOMAは、なかなかMac対応を唱ってくれない。サードパーティー製のケーブルなどで、MacでFOMA通信を実現する製品はあったが、やはり、キャリアそのものが対応を唱ってくれないと不安なところがある。
私の中で、NTT docomoは、なんかMacとは縁遠いキャリアと言うイメージがあった。
しかし、昨年12月に登場したLG電子製のドコモ最新端末「L-02A」が、このイメージを180度覆したという。
「とにかく、めちゃくちゃ真剣にMac対応をしているから見てみて!」と、友人が強く勧める。
そこで、その友人のツテを通して、しばらく「L-02A」を試用してみることになった。
これまで、日本通信「b-mobile 3G」を愛用していたが(ちなみにイーモバイルもEM-ONEを持っているが、ホコリをかぶらせている)、決して「b-mobile 3G」に問題があったわけではない(今でも持ち歩いて、たまに使ってみる)。
「b-mobile 3G」と「L-02A」は、キャリアこそ違えど、どちらもドコモのネットワークを使っており全国かなり広いエリアで、安定した接続が得られる。
さらに、実はどちらの製品もMacに対応しており、だからこそ筆者も愛用している(これもイーモバイルも同じだ)。
だが、「b-mobile 3G」のMac対応と、「L-02A」のMac対応は、ある意味、対照的でおもしろい。
「b-mobile 3G」のMac対応が、必要以上に何かをしているわけではないけれど、Macの標準機能を使って問題なくつながります、というやや米国ベンチャー的な「No frill(お飾りなし)」の素朴なMac対応だとしたら、「L-02A」は「Macに本腰入れました!」という熱い思いが、節々まで伝わってくる、日本企業的ないたれり、つくせり型対応なのだ。
NTT docomoの気合いはインストーラーの画面から伝わってくる。
そして、いたれりつくせり感が伝わってくるのが、こちらの「コネクションマネージャー」という接続ソフト。
利用したパケット量によって、変化する月額利用料が、今、どの段階にあるのかを監視してグラフで教えてくれるツールだ。
結構、こまめに通信料をコントロールしている人だと、このソフトのおかげで、
「今月は今日で終わり。今、ここでL-02Aでつながずに、2Km先の公衆無線LANまで歩いたら、ダイエットにもなって、月額使用料も6000円安くなる!」といったことが可能になるわけだ。
もっとも、私は「モバイル」は自宅の無線LANの延長くらいの感覚なので、1日で上限のSTEP 3まで使ってしまった。
「L-02A」を、最初に活用したのは、先週の名古屋、大阪行きの新幹線。
ちょうど、無線LANサービスが始まる直前でしたが、「L-02A」のおかげで、
トンネル内でもまったく接続がきれることなく、インターネット接続できた
(ただし、新幹線で途切れなく使えるのは、イーモバイルやb-mobile 3Gでも同じ)。
聞くところによると新幹線内無線LAN、それほど速くないようなので、下り最大7.2MbpsのL-02Aの方が快適なところもあるかも。
そう、今回、とりあえず、日本通信b-mobile 3Gに特に不満があって使い始めたわけではないけれど、通信速度についてはb-mobile 3Gと比べて倍なので、初めてつないだときに「お、速い!」とちょっと感動した。
とくにdrikinがサンフランシスコの自宅から、Ustreamのライブ中継をしている映像を、新幹線で高速移動しながらみれた時には、「ちょっとすごい時代にきてしまったな」とすら思った。
まあ、HSDPAなので上りは384KbpsでUstreamの放送をするには厳しいけれど、私は軽量なMacBook Airでないと持ち歩けない体になってしまっているし、私が使う初代MacBook Airは、ビデオチップが弱いので、どっちにしてもUstreamはちょっと荷が重いので、その点は目をつぶれる。
そうそう、Macへの対応ぶりは、私はどちらかといえば、シンプルかつNo Frillなb-mobile 3G的アプローチが好きだが、今回のL-02Aは、ステータスバーに表示される電波強度がわかるアンテナのアイコンが、なかなかいい感じだったり、なぜかもう1種類付属している通信ソフトのウィンドウ(いずれ別の機会に!)もなかなかいいデザインだったりと、グラフィカルな面で、ちょっと見た目の印象でもL-02A気に入った。
赤い矢印がL-02Aの接続ステータスで、青がOS標準。
そうそう、見た目の印象と言えば、本体のデザインも悪くない、というか、これまでの他社の製品と比べると、かなりかっこいい気がする(ちゃんと、専用のポーチがついているあたりもgood!)。
というわけで、これから、このL-02Aをしばらく使ってみるので、またおいおいレポートしようと思う。
ちなみにMacBook Airは、本体が薄いので延長ケーブルなしの直差しUSB機器系は、ささらないことが多い(この場合は、MacBook Airの右端を机からはみだすように置いて、下に空間をつくって対処)。
でも、このL-02Aは(多少ぶつかるけれど)なんとかギリギリセーフだった(b-mobile 3Gはちょっと無理すればなんとかOKな範囲)。
こんな感じです。
P.S.そういえばドコモのMac対応の本気度と言えば、(おそらく)最新のカタログ。なんとMacBook(白)を使う劇団ひとりが表紙になっています。Macへのかなりの入れ込みっぷりが伺える。
P.S.2.ちなみにL-02Aの、他の同類製品にないもう1つの特徴は、海外で使えることだ。どれくらいの料金になるかも含めて、来月、ミラノで試してこようと思っている。