Google、もう1つの発表:Googleブック検索

米国本社で4つの新サービスをスタートしたばかりのGoogleですが、それに加えて日本でも1つ発表がありました。
本の内容が検索できる「Googleブック検索」の国内サービス開始に向けての準備がスタートしました。
米国同様、まず、最初のステップとして、検索可能な本を集めなければなりませんが、それに向けて「Google ブック パートナー プログラム」に参加する出版社の募集が始まりました。

http://books.google.co.jp/intl/ja/googlebooks/publisher.html

「Googleブック検索」が、我々や出版社にとってどう便利かというと、こんな感じだ:
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何か知りたいことについてGoogleを使って検索する。
すると、これまでの検索結果に加えて、画面の上の方に「Googleブック検索」の検索結果がいくつか表示される。

例えば「ジェフ・ロビン iTunes」などと入れて検索すると、上の方に「アップル・コンフィデンシャル」などと表示される。ここで興味を持った人がそれをクリックすると、本の該当ページが見れるというもの。
 ただし、見れる範囲は出版社の方で「1ユーザー最大何%まで」とか何回まで、といった具合に制限をかけることができる(つまり、ブック検索の結果を見るにはGoogleのアカウントが必要)。
 ここでその本が気に入ったらオンラインの書店なり、自分の家に近い書店なりを表示してくれる。

 本屋にいって「〜〜についての本」を探すことはできても、「実際に〜〜についての記述がある本」を見つけ出すことは不可能に近い。「Googleブック検索」は、こうして埋もれていた本の中身の情報を検索可能にし、本の売り上げ(や書店の売り上げ)につなげようといういかにもGoogleらしい技術の1つだ。

 実際に新しいローマ法王が話題になった時に、米国のブック検索に対応していた「In the Beginning...: A Catholic Understanding of the Story of Creation and the Fall 」という本がバカ売れするなど、既にいくつかの実績を残している。これ以外にもニッチな本ほど、波にのると大きな効果が得られているようだ。

 今日から始まったのはパートナーの募集だけで、検索ができるのは、まだ少し先の話しだ。でも、可能なら年内にもサービスを始めたい、ということで、それためにも早く多くのコンテンツを取り揃えたい、ということ。
 ちなみに成人向けコンテンツはNGだが、漫画などのコンテンツはOKのようだ。
 出版社が行なうのは、登録して、本に関するデーターを入力して、Googleに献本するだけ。あとはGoogleがそれをスキャンしてくれる(PDFで送ることも可能)。

  ブック検索というと、米国のいくつかの図書館と組んで古い本をスキャンする「図書館プロジェクト」が、よく話題としてとりあげられているが、今のところ、日本ではこちらをやる予定はない。



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年05月11日 | Permalink