どうなる!?日本の公衆無線LAN【訂正版】
私は公衆無線LANサービスのヘビーユーザーで、HOTSPOTやJR東日本の試験サービス、M-zone、Yahoo! BBモバイルなど入れるサービスは一通り入っている。
外出時のメールチェックは、ほとんど公衆無線LANホットスポットで行なっている。
一時は使っていたAir H"も、
- 無線LANホットスポットの利用率があがった
- Bluetooth接続型AirH"端末が出ない
を理由に解約してしまった(最近、またちょっと使いたくなっているが、前回、解約がきわめて面倒だったので、それを考えるとなかなか契約できない)
最近、便利なauのGPS付き携帯電話、「W21CAII」を購入したので、メールをチェックしたくなると、これを開いてGPS情報を元にした周辺検索機能で、近くのホットスポットを検索している。
見ず知らずの土地でも、ホットスポットの一覧が現れ、しかも、そこまでどう歩いていったらいいかナビゲーションしてくれるので、便利でたまらない(EZナビウォークはBREWという携帯プラットフォームのカンファレンスのアプリケーションコンテストで、毎年、賞を受賞していたほど海外でも評価が高く、海外の携帯業界の人々が一番うらやましがるサービスの1つでもあった。ちなみに、まもなく、米国でもサービスが開始する。)
思いつく公衆無線LANサービスは、ほとんどサービス開始当初から入会している。HOTSPOTは実験サービス時代からの会員だし(これを一番使っている)、Yahoo! BBモバイルも入っている(2番目)、JR東日本と日本テレコムによる駅の公衆無線LANサービスにも実験時代から入っており、成田エクスプレスが東京駅で連結する時間を使ってメールをチェックしていた(現在、このポイントは使えない模様)。
MzoneもMacで使えるようになってから、FOMA(携帯電話)のiモードメニューから申し込んで入会した。
それだけに、月額利用料が設定されておらず、使う度に1日500円払わなければならない「Biz Portal」はあまり好きになれなかった。
最近、六本木ヒルズのツタヤで、BizPortalを使った体験談と不平をmixiに書き込んだら、カイ@BBさんという方に、「無線LAN倶楽部」に入れば、BizPortalが無料で使えることを教えてもらい、次の機会に入ろうと決意していた。
(関連記事@mixi:マイミク=mixi上の友達の方しか読めません。スミマセン)。
そんな折、青天の霹靂ともいえるこのニュースを目にした:
NTTグループ、公衆無線LANサービスのインフラを統合(CNet Japan)
しかも、この発表により入ろうとしていた「無線LAN倶楽部」はなくなるという...
これまで「本当にこのままで大丈夫?」と思いながら使っていた公衆無線LANサービスに今、大きな変化が起きようとしている。
個人的に今、もっとも応援しているのは、もちろんlivedoorの無線LANサービス、「livedoor Wireless D-cubic」だ。
利用料金といい、IEEE 802.11gを使っている点といい、カバーするエリアの広さといい申し分ない。
7月はじめからという印象があった試験サービスの受付が、ひっそり7月末に修正された。待ちきれない気持ちはあるが、失敗しないようにじっくりと計画を進めてほしい。もし、公約を本当に実現できたら、それは素晴らしいことだから。
かつて、MIS(Mobile Internet Service)という会社が提案していた街角インターネットというサービスの実現を夢見ていただけに、その夢を重ねてみてしまう(それだけに慎重にサービスを始めて欲しい。もっとも、MISもかなり慎重ではあったのだが...)。
ものすごくインパクトも競争力もあるサービスなだけに、いよいよ他社も現状のままではいられなくなったのだろう。
確かにNTTグループの会社が、新サービスを発表する度に、それを歓迎する一方で、「また別の会社の別のサービスか」とあきれていた一面もある。おまけに最初の頃は、相互ローミングがないので、すべてのサービスに入会しなければならなかった(最近はローミングが進んでいるので、大手ISPのアカウントを持っていれば従量制で使える無線LANサービスも多い)。
それが今回、ようやく1つに統合される。
これは同じアカウントで使えるエリアが拡大することであり、歓迎すべき動きだ(でも、個人的には「ついでにBizPortal」も使えるのかが気になってしまう)。
こうなってくるとYahoo! BBも動かざるを得ない。
War Drivingをしていると「Y!BB User」というアクセスポイントをよく見かけるので、Yahoo!は、もしかしたら大胆にも、こうした個人宅のアクセスポイントを、公衆無線LANとして開放するんじゃないか、と睨んでいるのだが...
むちゃくちゃな計画にも見えるが、実は以前、これと似たことを草の根+オープンソースでやろうとする試みがあった。SPUTNIKという計画だが、ビジネスモデルに問題があり中止してしまった。
Yahoo!が、個人ユーザーに、家庭のアクセスポイントを公衆APとして公開する代わりに月額利用料を安くするといったサービスを展開し、Y!BB以外のユーザーから無線LAN利用料を徴収すれば、一気にアクセスポイントを最多の公衆無線LANサービスができあがるような気がする
livedoorがとりあえず山手線の内側をカバーし、NTT系がそれ以外の繁華街/ビジネスエリア、Y!BB mobileが住宅エリアをカバーしてくれると、私の無線LAN事情は一気に快適になるのだが...
いずれにせよ、今年は日本の公衆無線LANサービスが大きく変わる年であることは間違いない。
「日本をはじめとするアジア諸国は、人口が密集しているため、ADSLや面エリアをカバーするような無線LANサービスの展開では有利」ーーMISの方々がそう言っていたのを思い出す。
米国だと同じように人口密集地帯のマンハッタンでは、草の根の努力で、かなり広域の公衆無線LANが実現していて、何よりもBryantt Parkなど公園の中でメールチェックできるのが気持ちがいい。日本はこれまで面サービスではなく、NTTコミュニケーションとモスバーガーが生み出した飲食店内型「ホットスポット」が中心だったのがよくもあり、悪くもあった...
ちなみに米国だとCompaq、T-mobileと共にサービスを開発してきたStarbucksが、定番ホットスポットとなっているのだが、日本のスタバはなぜ、ホットスポットサービスをやらないのか不思議だ。
東京にもこれだけ店舗があるのだし、始めてくれるとうれしいのだが...(それに海外からの客の中には無線LANを期待して入店してくる人もいるのではなかろうか)。
最初、iBookがAirMacを搭載したとき、日本ではAir H"などがあったこともあり、半径50mでしか使えないAirMacはモバイルとはいえないといった記事が目立った。
雑誌記事でAir Macはモバイルと言うよりもケーブルフリーの快適なインターネット接続を目指したものだと啓蒙しつつ、その一方で、MACPOWERの「ニュースの横顔」というコーナーで、実は電柱の上にホットスポットのアクセスポイントを置いたら、東京中をホットスポットにできるのにと書いた記憶がある(当時、ちょうど電柱は光ファイバーの経由地点として注目を集めていた)。今からもう6年前のことだが、あの夢が今、まさに現実になろうとしていると考えると、感慨深いものがある。
蛇足だが、上で紹介した都内で利用できる主な無線LANサービスをまとめなおすと:
ついでに、auの一部の携帯電話で使われているBREWという技術ーーこれ、なかなかおもしろいです。先月、サンディエゴを取材してきて、日経BPの「Tech-On!」で記事を書いたのでよければ読んでみてください:
Tech-On!: BREW 2005 SPECIAL FEATURE
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