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ダメは誰でも言える。できると言えることこそが大事!

明日の23日、北海道は札幌に「D&DEPARTMENT PROJECT SAPPORO by 3KG」がオープンする(ついでに私の別の友人は神戸にIKEAをオープンすべく頑張っているので、そちらも応援よろしく:ブログ「IKEAポートアイランドができるまでブログ」)。

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 「D&DEPARTMENT」は、「ロングライフ・デザイン」を唱い続けているナガオカ・ケンメイさんのお店で、これまで東京と大阪で展開していたが、ケンメイさんが自身のブログで47都道府県に拠点をつくる「NIPPON PROJECT」構想を語り、パートナーを募ったところ、続々と応募があった。
 ただし、ケンメイさんは、これをフランチャイズ展開のようにして、ヘルプするつもりはない。「パートナーの方がちゃんと自分でリスクを背負って、店をつくらないと、本当に長続きする店はできない」という考えだ。
 パートナーには、自己資金を投じ、その地域で、どういう特色を出せばいいのか自分で考えてビジネスを展開することを求めている。
 この高い要求に、真っ先に答えるべく手を挙げたのが、札幌3KG代表の佐々木信さんだった。
 佐々木さんには、Apple Storeでの講演であった後、ナガオカさんの60 VISION発表パーティーで挨拶。そのおかげで、明日のオープニングの招待状ももらったが、あいにく別のイベントが重なってしまっていけそうにないので、ここ東京からエールを送らせてもらう。

 最近、日本ではこのようにチャレンジをする人が少なくなってきている。
 先日のWeb 2.0 ExpoのTIm O'Reillyと伊藤穣一さんの対談でも、失敗を覚悟でチャレンジをすることの大事さが話題になり、翌日のTIm O'ReillyとEvan Williamsの対談では、Evanが失敗続きの道のりを語ってくれた。



Web 2.0 Expo/Tokyo
Tim/Ev@Web 2.0 Expo/Tokyo

 今や表参道ヒルズから東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHT、そして新東京タワーまで手がける建築家、安藤忠雄の著書にも「連戦連敗」というのがある。
 世界をまたにかけて成功する人の影にも失敗の歴史はあるのだ。

 彼らの本来の敵は自分自身だ。どこまでできるのか、ギリギリのところで勝負している人は、常に「まだ頑張るべきか」、「ここらで妥協すべきか」のせめぎ合いで戦っている。

 そんな彼らの「やる気」をくじこうとするものの中で、大きな割合を占めるのが周囲の言葉だ。
 「そんなのダメに決まっている」「あ〜、前にもそんなのあったよね」といった無責任な言葉。

 そんなのをいちいちまともに受け止めていたら、今頃、ウォークマンもiPodもMac OS Xも、いや、それどころか自動車も、飛行機も、世の中にはなく、世界は無味乾燥な砂漠のような世界になっていたかもしれない。

(Oct 23, 2001)introduction of the Original iPod

 それでも、とりあえずひとこと、そういうことを言ってみる人が実に多く、それが多くのベンチャーやイノベーターの心の重荷になっている気がする。

 実はそこまで大げさな話でなくても、普段の会社のちょっとしたプロジェクトや、企画なんかにしても、自分で代案とか改良案を出すでもなく、ただ「ダメなんじゃん?」とか言ってくる人が大勢いる。実は今日、親友のそんな愚痴を聞いていたのもあって、このブログを書いているのだが、彼の経験をみても(私の経験と照らし合わせても)、そういう人に限って、万が一、やっていたことがうまくいっちゃうと、「自分はその件について、古くからいろいろ意見をいっていた」とか言い出したり、中には「自分は最初から成功すると思っていた」とか言い出したり、ヒドイと功績を横取りするような人までいる。
 それでいて、失敗に終わったら「だから、言ったじゃん」と切り捨てて、真っ先に責任を回避する。
 要するに「リスクを取らない」人達だ。
 こういう人達が、まわりにいると、能力のある人、やる気のある人も、どんどんやる気を失い、世の中はどんどん無味乾燥の砂漠に向かって風化していく(私も、もう思い出すのも嫌だが、それで1〜2年はモノを書くのが本当に嫌になり「アップルコンフィデンシャル2.5J」のあとがきでは、ついそのことを愚痴ってしまった)。

 でも、実際には、頭をひねってじっくり戦略を練ることで、誰もがやれないと思っていることですら可能になってしまうことも多い。
 例えばブロードバンド通信。日本ではNTTが「日本はISDNでいく、ISDNと干渉するADSLは受け入れられないだろう」といっていた時、多くの日本人は「常時接続はアメリカでしか実現しない」とあきらめていた(この時代の東京めたりっく通信やソフトバンクのがんばりは今でも賞賛に値するだろう。頑張った人達に、ちゃんと敬意を払って賞賛することも、頑張るカルチャーを広げる上で重要なことだと思う)。
 同様にアップル好きでこのブログを訪問している人でも、1996年には、「もうアップルはもって数年だろう」と思っていたはずだ。それが今やiPod/iPhoneである。

 「不可能は可能にできる」

 「できない」ことを「できない」というのは、誰でもできることだが、本当に大事なのは「それを実現する方法を考える」ことだーー人間の頭は、まさにそのためにある。

 以前、多くの天才を輩出しているCal Arts(ウォルトディズニーがつくったアーティスト向けの大学)を取材したことがあるが、ここでも、まさにそういった頭を使わせる教育をしている(日本の教育の話題をしだすと、キリがなくなりそうなので、そこはあえて今回はふれないでおこう)

 3KGの佐々木氏や、「もういい!面倒くさいから俺が全部やる!」といって戦っている人達をみると、自分ももっと頑張らなきゃと勇気づけられる。

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 これからもこういう責任の持てる大人、かっこいい大人をどんどん応援していきたいと思う。




投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2007年11月23日 | Permalink

MAKE・ミーツ・学研

MAKE MEETS GAKKEN
科学好きな人にとっては、今日は歴史的な一日だった。

少なくとも一部の科学好き、工作好きな人にとっては、アップル社スティーブ・ジョブズのゼロックス社パロアルト研究所の訪問、Google創業者ラリー・ページとセルゲイ・ブリンとの出会い、いや、もっと幅広くジョン・レノンとポール・マッカートニーの出会いにも匹敵するくらいの事件の現場に居合わせることができた。

 科学好き、工作好きの人々の間で絶大な人気を誇る、米オライリー社の雑誌「MAKE」。そのカリスマ副編集長のPhillip Torroneさんと、日本中の子供達に科学の楽しさを教えてきた学研の「科学」のカリスマ、湯本博文さんの2人を引き合わせることができたのだ!!

 あの、1時間半だか2時間の訪問の間に溢れ出たポジティブなエネルギーの強さ、人々の感情を心のそこから大きく揺さぶるエモーショナルなエネルギーのスゴさ。
 こんな素晴らしい日は、滅多にあるものじゃない!!

 あのアドレナリンが止まらない興奮の一瞬一瞬を、世界中のすべての人々と共有したかった。
 特にFirst Compassの外村仁さんと、O'ReillyのChris Stoneの2人が、居合わせることができなかったのは残念でならない。
 私たち3人は、本当に前から「MAKE」と「学研」をひきあわせることを夢にまで描いていたからだ。
MAKE MEETS GAKKEN

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投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2007年11月21日 | Permalink

古賀さん、バルマーを食う

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今朝はマイクロソフト社CEO、スティーブ・バルマーの来日にあわせて、
「Windows Liveサービス」正式版の発表が行なわれた。

さすがのバルマーも日本のプレスを前にして「マスミディア!マスミディア!マスミディア!マスミディア!マスミディア!マスミディア!マスミディア!...マスミディア!」などと言うわけもなく、プレゼンテーションは、ところどころ強気を見せながらも淡々とした様子。
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マイクロソフトも箱売りのアプリケーションビジネスだけでなく、サービスにも本格的に取り組んでいるとアピールするものだった:
MSのバルマーCEOが来日。「Windows Liveでソフト+サービスを実現」
「Androidを評価するのは難しい」--MSのバルマーCEO来日
Windows Liveが「ソフトウェア+サービス」の方向性を示す、バルマーCEO
ソフト+サービスはGoogleより上──MSバルマーCEOが来日

そんな中、バルマー氏よりも個人的にインパクトが強かったのがパートナー企業の代表としてただ1人登壇したNTT東日本の古賀さん。
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私には今でもフレッツADSLの発表をした古賀さんのイメージが強く、あまりいい印象はなかったけれど、マイクロソフトの発表会にきてバルマーの前で、あれだけ強気で好き勝手言える心臓は「さすが」というか頼もしく思った。

 録音していなかったので正確なQuoteはできないが...

マイクロソフトさんも、パッケージにCDと緩衝剤と空気を詰めて、何万円を巻き上げるビジネスをやめて、世界でもトップレベルの光ファイバーインフラの上で提供されるアプリケーションの1つとして料金を徴収するようなモデルに徐々にシフトしていって欲しい

といった内容(と口ぶり)。ちょっと痛快だった。

 少なくとも今のところ日本ほど光ファイバーのインフラが整備されている国はないので、それを使って頑張って欲しい。

 この部分も大きくうなずける。


投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2007年11月08日 | Permalink

多様性が魅力のTHE NEW CONTEXT CONFERENCE開催

 今日からTHE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007がスタートした。
 これは個人的に国内で開催するIT系イベントの中で、もっとも楽しみにしているイベントだ。イベントは26日(水)、いっぱいまでやっており、当日参加の枠も少しはあるようだ(Web業界のビジョナリーが講演する26日のセッションスケジュールはこちら
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 NEW CONTEXT CONFERENCEというと、昨年、日本で大きな話題になる前にセカンドライフやLast.fmを紹介したイベントでもあるが、私がこのイベントを気に入っている最大の理由は、情報を先取りしたいからではない。他のIT系カンファレンスに違い多様なテーマを扱っているからだ。
 例えば昨年のカンファレンスでは、パネルの1人としてブラジルの文化庁デジタルカルチャー部門コーディネーターのClaudio Prado氏が名前を連ねた。
 今年のオープニング基調講演もソニーコンピュータサイエンス研究所取締役副所長の北野宏明氏が「ネットワーク・イノベーションのビジョン」というタイトルで、生物の免疫システムなどのしくみとネットワークルーター、人気Webサイトなどの相似性についての話をした。
THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007
 いきなり途中から参加した人の中には、「なんでITのカンファレンスで生物の講義を受けなければならない」と疑問に思う人もいるかもしれない。
 しかし、実はこれこそが重要なことなのだ。

 一見関係のないようなテーマに類似性が潜んでいる事は意外に多い。そして、そうした他のパターンを学ぶ事が、いろいろな場面で、思わぬヒントを与えてくれる事がよくある。

 世の中のあらゆるものごとは意外なつながりを持っている。

 例えば最近、多くのWebデザイナーが注目する黄金比は、オウムガイの形とも類似性がある。
 SNSでの人のつながりや脳内ネットワーク、航空網、河川の形状といったものにも類似性がある。
 世の中、一見関係ないようでいて、実はものすごく関係が深いものが多い。
 もしかしたらゴルフのゲームを通して人生論を語ったり、歴史物の戦国武将やアメリカンフットボール/プロ野球の監督の行動を見て企業のリーダーシップを語るのも、これと通じるところがある。

 いくら話をしても、なかなか答えが出ないディスカッションが、まったく違うバックグラウンドを持つ人のひとことで、あっさり解決、ということだってある。
 解決に至らないまでも、自分とまったく異なるバックグラウンドを持つ人が、その人なりのフィルタを通して意見を述べてくれる事で、それまで見慣れたものが、まったく別のものにみえてくることはよくあること。

 おそらく、これまで関係ないと思っていた事が、頭の中で結びつき、新しい回路(ネットワーク)が生まれる事で、人間は少し賢くなるのではなかろうか。

 今日のカンファレンスで伊藤穰一さんが紹介していた「The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, And Societies」という本がおもしろそうだ(実は彼は同じ本を「Mozilla24」のパネルでも紹介していた)。本の中では、問題の解決方法について1人の専門家に聞くよりも、素人の集団に聞いたほうがいい回答にたどり着ける事が数学的にも解説されているという。

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007

 大抵のIT系カンファレンスは、IT系の人々が中心だ。毎回2〜3社新しい参加者がいて、古株の大手が2〜3新発表をしてくれるので、IT系業界の中では根を張る議論ができるかもしれない。しかし、インターネットに精通していない一般消費者にも深く浸透させたい技術やサービスについて語るのであれば、もしかしたら、アーティストや百貨店の経営者など、ITと関係ない人の意見や視点ももらえたほうがいいのかもしれない。
 ちなみに北野先生の話によれば、人間の腸の中には、脳の重さと同じくらいの腸内細菌がいて、人間の身体の中の細胞をバラバラにしてDNAを調べると、全DNAのうちの95%までは、種類豊富な腸内細菌のDNA、その人固有のDNAはほんの5%ほどしかないらしい(このあたり、もし、私の理解が間違っていたら、誰かコメントで訂正して欲しい)。こうした腸内細菌の多様性が、我々の身体を守っているのだろうか。腸内細菌を取り除いたラットは、すぐに死んでしまうとい話だった。

 日本の社会で暮らしていると、プライベートの時間があまりにも軽視され、常に仕事に追われてしまいがち。そして、追われた生活を続ける事で、自分の将来の糧となる自分の中の多様性が制限されてしまう。
 そう感じている人にとって、THE NEW CONTEXT CONFERENCE(コンカン)は、ちょっとしたバランス系サプリのような役割を果たしてくれるーーまったくITに関係のない話ばかりだと、参加者が自分の頭の中で、話をつなぎあわせなければならないので大変だが、「コンカン」では、例えば北野氏の話にしても、生物の話をしながら、それをWeb 2.0やLongtailといったIT系の話題に結びつけながら話してくれるのもいいところだろうーーちなみに多様性に富んだイベントといえば、先日、行われたMozilla24もなかなかよかった。

 THE NEW CONTEXT CONFERENCE、今年はかなり参加者も増えていたようで、パーティーも大盛況だったが、万が一、今年逃した人は、ぜひとも来年こそは参加して欲しいと思う。

 ちなみに、私は今回のイベントの様子を「All-in-One INTERNET magazine 2.0」でレポートする予定だ。記事の掲載は、もう少し先になるかも知れないが、ぜひとも読んでみて欲しい。

以下、この話にやや関係がある話題:




投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2007年09月25日 | Permalink

FirefoxがAppleを抜いた日

ちょっと前まで、私のFlickrで一番ビューが多かったのは、こちらの写真だ:

a vehicle found near the Moscone Center

San FranciscoのMocone Center(MacworldやWWDCの会場)の近くで見つけた車の写真だ。
Cult of Macの筆者、Leander Kahneyに教えたら、彼が喜んでCult of Mac blogで紹介したこともあって、一気にビューが増えた。

その後、2代目のMacBook ProでiSightのインジケーターが消えたことを紹介した写真が、Engadgetで紹介され、これが1位の座を奪ってしまったが、それでもApple Carの写真は約5200ビューとFavorite印22個で、上位5位くらいには食い込んでいた。

ところが、先日のMozilla24で状況が一気に変わった。

同イベントで展示されていたFirefoxのシールが貼られたCelicaの写真を撮ってflickrにアップしたところ、それがGen Kanaiのブログで紹介され、そこから一気に世界中に広まった。

Gen Kanai weblog: FIREFOX CELICA

ちなみにこちらの写真だ。
Firefox car found@Firefox ROCK FEST! (Mozilla24)

一昨日くらいまでの段階では、2500 Viewくらいで、まだまだApple Carの方が優勢を保っていたが、昨日の段階ではApple Carを超えて6000 Viewくらいになり、今では一桁多い8万ビューに突入、わずか2〜3日で私のFlickrで、もっとも見られている写真の座を奪ってしまったのだ。

Apple Carよりも、Firefox Carの方が、はるかにスピードが速かったのは、何も車種のせいだけではない。
Mozillaコミュニティーの結束力の強さ、そして同コミュニティーとCreative Commonsとの親和性の高さも関係あるのではなかろうか。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2007年09月20日 | Permalink