本屋とセレンディピティーの話
先日、14日、お盆のさなか、パスポートの更新のために銀座の交通会館に行った。
お盆の時期は、東京はいつもガラガラ、だから人もいないだろうと思っていたらとんでもない勘違い。
交通会館の人に「この時期が1年で一番混むんですよ」と言われた。
1年の中でも、このお盆の2日間が一番混むらしく、帰宅後ホームページを見ると、たしかにそう書いてあった(今は書いてない)。
2009年以降のお盆にパスポートを取得/更新しようと思っている人には、お盆が終わった翌日以降にいくことをお勧めしておきたい。あの大行列に並ぶくらいなら日にちをずらした方が、人生の時間を有効に使える(もっとも整理券をもらって、しばらくITOCIA辺りをうろつくという手もあるが。そういえば交通会館の3階だか4階から外に出られるというのを今回初めて知った。上の写真はその時の写真だ)。
あまりにも時間があまったので、交通会館の喫茶店(分煙しているところが少ないので煙が嫌な人は注意)で時間をつぶし、屋上で写真を取り、その後、中にある三省堂書店に行った。
よく考えてみると、ここのところずっと忙しく、寄り道時間が少なかったので、リアルの書店に行くのは本当に久しぶりだった。
で、思ったのだが、やはりリアルの書店は、本当に危ない。
物欲が刺激されまくる。
もしかしたら、交通会館の三省堂が特にそうなのかもしれないが、視界に入ってくる本、視界に入ってくる本、すべてが眩しくて、興味をそそられるのだ。
Amazonも確かに便利だ。
効率的に自分の欲しい本を見つけられる。
そして、ややお仕着せの「お勧めの本」も出てくる。
でも、それは例えばiPodの本を買うと、iPod関連の他の本が出てくるという類いの物で、自分の他の趣味にまで広がっているわけではない。
私はIT関係も好きなら、現代アートも好きで、デザインや建築にも興味があり、イノベーションの話しも好き、旅行の話しも好きならば、雑誌「REAL SIMPLE」(の米国版)に出てきそうな話題も好きだ。
好きな雑誌をあげると私の一貫性のなさが見えてくるかもしれない。
なんといっても好きなのは「Noblesse」、「Paper Sky」、「和楽」、「Pen」といった雑誌。
でも、「日経アソシエ」や最近の「月刊ascii」も嫌いじゃない(昔は昔の月刊アスキーが好きだったが)。
アメリカに行くと帰りの空港で必ず「REAL SIMPLE」の最新号を買って帰る(私はあれはLife Hack本だと信じて疑わない)。
そんな多様な関心を持つ私にはAmazonのレコメンデーションは幅が狭すぎる。
(こちらの麻倉さんのインタビューで言うところのコクーンのような存在で、まだSPIDERの域には達していない)。
その点、リアル書店だと、360度の視界の中に、
次から次へと魅力的な本の表紙やタイトルが立体的に飛び込んできて物欲を刺激されまくるのだ。
あれはかなり危険な場所と言えよう。
もちろん、リアルな書店には、Amazonにあるようなブックレビューはなく、
「果たして本当にこの本でいいのか?」不安に思わされるところもある。
しかし、その時、ふと思った。
実はそれを自分で判断するということこそが、失ってはならない「野生の勘」の1つなんじゃないかと。
昔、学生の頃は、参考書を買うときも、似たようなタイプの2大参考書、
果たしてどっちの方が本当にわかりやすいのか、など常に野生の勘を試されていた。
で、自分でパラパラっとページをめくり15分ほど比較した後で、
「こっちだ、こっちに違いない!」と野生の勘で判断していた(そして時にはその1週間後に「やっぱり、あっちだった」と敗北宣言をして、もう1冊を買い直していた。そこで、このままもう片方を買うのは悔しいからと反抗して第3の選択肢を選んでしまい、さらに1週間後、「今度こそ負けた」ともう1つの2大参考書を買ったこともある)。
Amazonのレビューは、確かに便利だし、非常に参考になる。
でも、そればっかりに頼っていると自分の判断力が鈍ってしまう。
この野生の勘を常に、ある一定レベルに保っておくためにも、リアルの本屋にはしばしば足を運ぶべきだと、改めて思った。
もちろん、私はAmazonも大好きだし、Amazonにもいいところがある。
特にAmazonを活用していて、ブログも持っている人には、ぜひともAmazonアソシエイトプログラムを活用することをお勧めしたい。
Amazonでは、実は「Amazonアソシエイト」プログラムこそが最良のれリコメンデーションサービスだ。
ブログである本を紹介して、その本へのアフィリエイトリンクを用意したとしよう。
Amazonアソシエイトプログラムでは、ブログの読者がその本を買ったときに収入が入るのはもちろんだが、そのままAmazonの利用を続けて、それ以外の本を購入した場合も、ちゃんとアフィリエイト収入が入るのだ(素晴らしい!)
さらに、そのブログ読者が、その後、どんな本(あるいは商品)を買ったかが、ちゃんと統計で表示されるのだ。
そして、たまに高額なPlaystation 3などを買ってくれている人がいると、それなりのアフィリエイト収入が入る(どなたか存じませんがありがとうございます)。
だが、問題はお金ではない。
ここで表示される本のデーターが非常に、非常に、非常に、参考になるのだ。
なぜなら、このデータは、私が好き勝手に書いているnobilog2というブログを読みにきた、もしかしたら趣向や価値観が近いかもしれない、読者の方が選んだ本であって、必然的に私の趣味や価値観にあった本である可能性が高いからだ。
実際、これまでに何度、このAmazonのアソシエイトプログラムの売り上げデータで、おもしろい本を見つけて購入したかわからない。
例えば映画業界におけるファンドビジネスの話しを書いた名著「『フラガール』を支えた映画ファンドのスゴい仕組み (角川SSC新書 (008))」も、アソシエイトリンク経由で誰かが買ってくれたおかげで出会えた本で、読んで本当におもしろくて良かった(ありがとうございます)。「ルノワールは無邪気に微笑む―芸術的発想のすすめ (朝日新書) (新書) 」もそうだ。
「あなたが世界を変える日―12歳の少女が環境サミットで語った伝説のスピーチ」や「フリーランス・個人事業の青色申告スタートブック―「わかる、使える」をつきつめたらこうなりました (お金の実務シリーズ) (単行本) 」、「最高支配層だけが知っている日本の真実 (単行本(ソフトカバー)) 」にも惹かれている。
私のアフィリエイト経由で、おもしろい本を買ってくれた人には、ぜひ本の購入の際にアフィリエイト返しをしたいくらいだ。
仕込まれたセレンディピティーよりも、こうした狙っていないセレンディピティーの方が本当はおもしろいんじゃないかと思った。
なお、先日の三省堂では、たまたま角を曲がったところにあるカートの上に置かれていた本の表紙が気に入って手に取ったところ、これがまさに「運命的出会い」とも思えるくらいに気に入ってしまったのだが、この本についてはまた別のエントリーで書くことにしよう。
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