新しい音楽の楽しみ方、「Rolly」いよいよ発売!

Rolly launch event
ソニーのRollyがいよいよ発売になる。

8月、ティーザーサイトで軽くブローをかました後、
9月はじめにはガジェット系のWebサイトにティーザームービーを戦略的にリーク、
そして9月中頃には、大々的な発表会とパーティーを繰り広げ、
そろそろみんなが気になり始めていた頃、ドーンと製品を発売。

パーティーで実物を見て以来、ブログに書かなきゃ、と思っていたのだけれど、
「忙しい」ループに陥って、すっかり書くのが遅れてしまったが、
なんとか発売前日には間に合った。

Rollyのどこが、気に入っているかというと、
「新しいライフスタイル」というと大げさかも知れないけれど、
「新しい楽しみ方」あるいは「新しい生活シーン」を提案していること。

iPod以降、アップルからは「ポケットに入れて持ち歩く」、「衣服のように身に付ける」、「車の中で聴く」、「リビングで聴く」といった「聴く場所」についての提案はいろいろあったけれど、
どうやって聴くかの提案はあまりなかったと思う(「and up」などiPod周辺コミュニティーからは、確かにそうした提案があったけれど)。

そんな中、いきなり出てきた「Rolly」。

Webで大きな話題となった(バイラル広告の好例といえそうな)ティーザームービー(あの「Disco、Disco、Disco!」っていう奴だ)、あれはRollyの世界のかなり先のビジョンを描いたものだった。

世の中にRollyと音楽にあわせてRollyを踊らせる文化が根付いた近未来を想定したビデオだった。
その時代には「Rolly」という遊びがあって、参加者が身体に「Rolly」のようなバンドを巻いて激しく踊りまくる競技というか遊びが浸透している時代のカルチャーシーンを映像化したもの。


実は「Rolly」発表パーティーでは、それ以外にもいろいろなムービーが公開されていて(混んでいてよく見えなかったが)カップルの男性がRollyに告白みたいなのを吹き込んで、それをカフェのテーブルでふりつきで再生してみたりといったRollyの利用シーン、Rollyのある生活の情景を見せていた。
(このあたりの映像はリークしないのだろうか?それとも発売が始まってから?)

 実はこういった利用シーンというか、生活シーンへの提案を含めた新製品って、最近のソニーには欠けていた気がするけれど、本当はこういう製品をだせることこそがソニーらしさのような気がする。
 思い出してみればDATA EATERとか、AIBOとか、みんなそれぞれにおもしろい提案があって、いろいろおもしろい夢を見させてくれた。外れる製品も多いけれど、大化けして大ヒットする製品もある。

 大企業でありながら、そんなベンチャー企業みたいな危険な賭けをできる懐の大きさみたいなところがソニーの魅力に思えてくる。

 適度につくりこんであるけれど、あまり完成されきっていない当たりもいろいろと夢が膨らんでくるところだ。
 ティーザームービーでは、人間がRollyの真似をして、ダンスをしていたけれど、
 個人的にはRollyを見て、すぐに、こんな遊びがしたくなった:

「フィギュアー・Rolly-ing」:
同じ曲にどんな振り付けをするかで競い合う

「シンクロナイズド・Rolly-ing」:
複数のRollyでシンクロした踊りを踊らせて楽しむ

 たくさんのRollyが置かれている発表パーティー、試すならここしかない!と思い立って、人が減ったスキに2台のRollyを占拠して、こんなシンクロ映像も撮ってみました:


2台とも、まったく同じ動きでも、楽しめるけれど、
できれば、モーションエディターを使って、ちょっとずつ動きを変えたりもしてみたいところ
(クリエイティブなMacユーザーのために、ぜひともモーションエディターのMac版を!)

できれば、10台くらいで、挑戦してみたいなぁ。
OK GO」にRollyの振り付けをしてもらう、なんていうのも楽しいかも。



 これって機能がどうこうという製品じゃないので、これまでのPC媒体やガジェット系媒体の文法では魅力が伝わらないと思う。

 例えば「Rollyには、スピーカー機能と、2輪走行機能などがあり、○種類の動きのパターンがある。机において簡易式スピーカーとして楽しむこともできれば、パソコンを使って動きをプログラミングすることもできる」な〜んて書かれても、この製品を実際に目の前にしたときのワクワク感はぜんぜん伝わってこない。
 iPodとかもそうだったけれど、実はRollyって、今のメディアのメディア力を試す試金石なのかも知れない。


さて、Rollyで気になるのは、明日から発売される
初期ロットがどれくらいしっかりしているのかと、
十分な供給があるのか。

バグとか問題とかがあるかは、まだわからないけれど(パーティーでしかいじっていないし)
細かな動きの作り込みは、かなり気に入りました。

あまりWebで話題になっていないけれど(なっている?)
Rollyは立てて使う事もできるんだけれど、その際に、上側のスピーカーがパカって開くのだけれど、その開き方の感じがなんだかものすごく気に入ってしまった。




明日からの発売開始で、十分な量を用意できたら、iPod touchを買おうと4万円を持って、大型量販店に行った人達のハートも、もしかしたらつかめるかも。

iPodとRollyは、ぜんぜん別ジャンルの製品だけれど、iPot touchとRollyは、価格もほぼ一緒だし、早く入手して宴会やパーティーに持っていけば、たちまち人気者間違いなしの必携アイテムという点ではしばらく競合がつづきそうな気がしてならない。

 もっとも、営業妨害をするつもりはないが、あえて1つだけ、不満に感じたことを言わせてもらえば、製品の正面に「SONY」って会社名のロゴを印刷するのは無しだよなぁ。あの発想はダサ過ぎ。あれが購入者がオーダー時に発注した名前ならまだOKだったんだけれど。Rollyを真っ先に買った人は、まずは「SONY」ロゴの消し方のtipsとか、あの上に貼るとカッコいいシールを教えて欲しい。



Created with Admarket's flickrSLiDR.



さて、あなたはこの秋のガジェット、どっちを買いますか?


Rolly
or
iPod touch




ちなみにRollyの本当のライバルは、こちらかも...

なんと4色のカラーバリエーションが用意されていて、値段も手頃。
さすがに大人気で、執筆時点では既に売り切れ。



追記:
この記事を掲載してから気がついたけれど、いつの間にかYouTubeに掲載されているプロモーション動画がかなり増えているみたいだ!それも生活シーンを見せたものばかり。
ここいらへん:


なんか、今回のマーケティング、やたらと気合い入っているなぁ(笑)

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年09月28日 | Permalink

  • Re: 新しい音楽の楽しみ方、「Rolly」いよいよ発売!


    こんにちは。macsaitoと申します。いつも楽しんで拝見しています。

    >製品の正面に「SONY」って会社名のロゴを印刷するのは無しだよなぁ。あの発想はダサ過ぎ。

    そうですね。賛成です。デザイナーが泣いていると思います。
    もう、そういう時代ではないと思います。

    押しつけのようなブランド表示の文化は、もはや賛同を得られないことにメーカーは気づかないのでしょうね。
    だから、ロゴを消して、目を醒ましてもらいましょう。

    投稿者名 macsaito

  • Re: 新しい音楽の楽しみ方、「Rolly」いよいよ発売!


    AIBOの額に社名をいれるようなものですよね!

    それにしても、Rollyはそれ以外ではなかなか頑張っている気がします。

    今日になってダンス交換のWebサイトも立ち上げたみたいだけれど、これもいい傾向!
    かつて、AIBOにジャズダンスをさせようとしたハッカーを訴えたのと同じ会社とは思えない発想だと思います。
    http://ittousai.org/lessig/lessig_free_culture_japanese_1.1.swf

    できれば、こうした動きをさらに一歩推し進めて、ハッカーがさらに自由にいろいろ手を加えられるようにAPIやSDKを公開した「オープンRolly」もつくって欲しいところ。

    これまでソニーが展開している各種サービスが、ぜんぜん製品と連携していなかったけれど、今回はSNSのPLAYLOGとも連携するみたいだけれど、この当たりの動きも正しい気がします。
    できれば、この後、「うたとも」(携帯向けのサービス)とも連携したりとかして、これまでバラバラだったソニーの動きを串刺しする動きをつくっていって欲しいです。

    投稿者名 林 信行

  • Re: 新しい音楽の楽しみ方、「Rolly」いよいよ発売!


    そうそう、mixiでコメントをもらったのですが、やはりiPod touch同様に、Rollyも最初は在庫が少ないみたいですね(私は今日は繁華街に買い物にでなかったので、どうだったかわかりませんが)。
    それだけどちらも早く入手する価値がある、ということ!?

    投稿者名 林 信行