以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック

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歯医者での待ち時間、Twitter経由で知り合ったplanetofgoriさんのブログに
iPhoneは宣伝の仕方が巧みである」というおもしろい記事がある。

記事の中で、planetofgoriさんは、
・最新のiPhone 3GSの電子コンパスは、日本の携帯ではとっくの昔に搭載している

ことなどに触れており、iPhoneは宣伝の仕方がうまいと書かれている。

実際にiPhone 3GSが電子コンパスを搭載するはるか前に、京セラのau携帯は電子コンパスを内蔵して、EZNaviwalk(Navitimeの中でも最高峰のau専用版)との素晴らしいインテグレーションを果たしていた。
さらにiPhone 3GがGPSを搭載するはるか前から、日本の携帯電話ではGPSの搭載が当たり前になっていた。

ちなみにアップルは、何もしないでもiPhoneが話題になることに任せてか、
iPhoneの宣伝にはそれほどお金をかけていない。
わずかに放送されているCMの中でも、コンパス機能は無視されてしまった機能の1つだ。

私がメーカーの人向けに講演をする時、私と同年代の中間管理職の人からは冷たい視線を浴びる。
「ガラパゴス、ガラパゴスって言わないでください。」
「講演にあったiPhoneの〜〜機能と、〜〜機能と〜〜機能は、我々がとっくの昔、'xx年代にやっていた」
と言われたこともある。

私は30分以上の時間がある講演では「大事なのは仕様ではなく、人々の暮らしぶりにどんな変化をもたらすかのことだ」と言っている。

ゆるめの講演では、ブルース・リーの写真を出して「Do not think. Feeeeel.(考えるんじゃない、感じるんだ!)」と話しているのだが、
彼らには和製携帯の敵、「iPhone」の話しが出たとたんに、耳をふさいでしまうのだろうか。
そんな細かな話しは聞いていなくなってしまっているのかも知れない。
あるいは、私が早口すぎて、聞き逃しているのかも知れない。

もしかしたら、文字情報にすれば、少しは伝わりやすくなるのかも知れないと思って、新たにブログにまとめようと思った。

■「ただ搭載した機能」と「人々が使う機能」は別物

 まず訴えたいのは、「◯△機能を搭載している」ということと「〜〜の◯△機能が楽しい」というのは、まったくの別物、ということだーーこれはモノヅクリに関わっている人、たとえメーカーのハードエンジニアにしても、ソフトエンジニアにしても、最終的にGOサインを出す人にしても共通の認識として持ってほしい。

 例えば小学校の学芸会で「クルミ割り人形」をやったとしよう。子供たちも1ヶ月一生懸命練習して、たまにつっかえたり、横から先生が出てきて、次の台詞の出だしを言ってあげないと、止まることはあるけれど、一応、最後まで無事に終了する。
 観客たちにもストーリーの内容は伝わるし、文字情報としての台詞もちゃんと伝達されている。

 しかし、だからといってキエフ・バレエ団のクルミ割り人形を1万2000円払って見に行っていた人が、同じ学芸会のクルミ割り人形に1万2000円を払ってまで見てくる、ということにはならない。

 ただ搭載していることと、一般の人々を本当に楽しませることとは、まったく別のことだ。
 日本の携帯電話には、本当に数えきれないほど多くの機能が搭載されているが、あなたはそのうち、一体、何割くらいを本当に使っているだろうか(これは実際に携帯電話をつくっているメーカーの人たち、規格を押し付けている、といわれているキャリアの人たちにも聞きたいくらいの質問だ。)。
 10以上の機能を使っている、という人がいるだろうか。
 使わない機能をたくさん詰め込んでも、それはただの無駄だ。
 無駄に端末コストをあげて、アプリ開発者からビジネスチャンスを奪っているだけに過ぎない。
 iPhoneのアプローチは、最初から搭載している機能は最小限。その代わり余計な機能をつくらない分、1つ1つの機能をしっかりとブラシュアップして、人々が喜んで使いたくなるレベルにする、というアプローチをとっている。

 その結果、これはまだAppStoreが出てくる前の統計だが、8割の人が10以上の機能を使っているという結果を出している。

■「Web 2.0 in Your Pocketの革命」も使いやすさ、から生まれた

 中でも顕著なのが、私が言うところの「Web 2.0 in Your Pocket」の革命を引き起こしたWebブラウザのSafariだろう。
 iPhoneが登場する以前から、日本の携帯電話にもiモード(的なケータイサイト)だけでなく、パソコン用のWebページも見れた方が便利と「フルブラウザ」なるものが搭載された(呼び方が「PCサイトビューアー」だったり、「PCサイトブラウザ」だったりと、キャリア単位で名前まで囲みをしようとするところは非常に日本的)。

 最初の頃は、ブログディナーで「これでiモードのビジネスモデルは崩れる」、「携帯新時代突入だ!」などと騒いでいたが、実際には「使いにくさ」の壁があまりにも高く、せっかく、機能が搭載され、その後、定額で使えるようになっても、そんな革命は起きなかった。

 しかし、ブラウザをただ搭載しただけでなく、それを人々が初めてまともに使おうと思うレベルにまで昇華させたiPhoneが登場したことで、本当のモバイルインターネット革命がやってきた。

 これは、これまでの講演や日経BP ITproの連載でも使わせてもらったスライドで、日本のiPhone 3Gが発売される前、初代iPhoneの発売から8ヶ月後のグラフだが、スマートフォンとしての出荷シェアではiPhoneは28%で2位に甘んじているものの、実際にWebブラウジングに使われているWebサーバー側から見たシェアを調べるとiPhone(とiPod touch)が圧倒的で70%のシェアを占めているのが、わかる。
やはり、Webブラウザにしても、「ただ搭載する」ということは、目的の半分しか達成していないことを意味しているようだ。


(参考:iPhoneショック2:第1章 相次ぐ主要WebサービスのiPhone対応,IT業界の主戦場はIT Phoneへ

ちなみに、モバイルWebブラウザの利用シェアに関する統計は、最近のWWDC 09でも紹介された。そちらの最新の統計によると、iPhone/iPodタッチの利用シェアは65%、2位はAndroidで9%(iPhoneの6分の1ほど出荷していないことを考えると、そこそこ検討していると言えそうだ)となる。

電子製品に搭載された機能は、ただ搭載の有無だけではなく、
人々が本当に使おうと思う品質を達成しているか否かで評価されるべきだ。
そして、そうした評価をしようとすると、残念ながら、今の日本の携帯電話のレベルは非常に悲しいレベルになってしまっていると言わざるを得ない。


似たような例はいくらでも出せる。

リアルな絵を描くのが得意だからといって、ただリアルさを追求しているだけの画家では売れない。
どんどん写真と区別がつかなくなるからだ。
写真ではない絵画ならではの工夫がなければ誰も才能を認めてくれない。

講演者の肩書きがどんなに立派でも、ただ棒読みで原稿を読むだけの講演では人々の心は動かない。
聴衆が誰であるかを考え、その人たちが共感できる事例や旬な話題を用意し、
聞く側のモチベーションを高く維持することも講演者の仕事のうちのはずだ。

優れたお母さんたちは、幼児の健康を気遣って、
離乳食に、ただ、お医者さんに勧められた食材を入れるだけでなく、
子供たちが、それをいやがらずに食べるにはどうしたらいいかを考えて、
混ぜてみたり、隠してみたり、細かく砕いてみたり、と工夫をしている。

だが、日本の製造業では、こういった価値観が軽視されがちなのが残念だ。
工業デザインの世界やアートの世界では、今、日本人の作家の評価は驚くほど高いのに、
製造業の経営者たちには、そうした価値が伝わっていないのだろうか。

■楽しさはサードパーティーのソフトにも伝播している

もう1つ、私がよく出すストーリーを書こう。
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Darkslide PremiumDarkSlide Premium



携帯電話のGPSについてだ。
携帯電話のGPS機能は、日本の方が、はるかに前から搭載されていた。
実はこの機能を使って、操作のしづらい国産携帯の無駄機能をあえて使おうとする私のようなモノ好きは、一生懸命、携帯電話で写真を撮っては、その後、友達が先に行ってしまうのを小走りでおっかっけながらGPS位置情報を埋め込んで、写真共有サイトのFlickrに投稿していた。
「そんなことをしてどうなるの?」と聞かれても
「いつか、写真に埋め込まれたGPS情報が役立ちそうな気がするから」としか答えられない。
でも、同じようなことをしているのは私だけではなかったようで、
今、Flickrのマップで東京23区のgeo tag付き写真を調べたら44万枚も出てきた。
Tokyo

残念なのは、これまで、こうやって、国産携帯からFlickrに位置情報付きの写真をアップしていても、いっこうにどうやって楽しんだらいいのかが見えておらず、パソコン用にGoogle MapとFlickrのマッシュアップサービスなどが登場してきたことで、ようやく、その楽しさが見えてきたと思ったが、その後、iPhoneのApp Storeが登場すると、その楽しさが一気に加速してしまった。
 iPhone用のDarkslideというアプリケーションを使うと、なんとGPSを使って、自分の周囲で撮影された写真が表示されるのだ。

 いや、実はDarkslideだけではない。iPhoneには、NearMeをはじめ、そうした自分の居場所の近くで撮られた写真を探すアプリだけでも、十種類近くは揃っている(私はFlickrの写真ライブラリーを参照するから、という理由でDarkslideを愛用している)。

実は、このDarkslideについても、おもしろい話しがある。
Darkslideは、起動して「Near Me」というボタンを押すと、iPhoneのGPSから自分の位置情報をサーバーに送り、サーバーがFlickrを使って、周辺の位置情報付き写真を距離の近い順で取得して、それをiPhoneに表示するというアプリケーションで、この機能を利用すると、画面一杯にたくさんの写真が距離の近い順にたくさん表示される。

このソフトを人に紹介したときの反応というのは、「ほー」とか「へー、凄い」程度のものだ。

ところが、原理はまったく同じだが「Memory Treememory tree」というアプリを紹介すると、人々の反応はまったく変わってくる。

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「スゴーい!魔法みたい」、「今ってこんな時代になっちゃったんですか?」、「僕、絶対にiPhone買います」
圧倒的に感動の度合いが違うのだ。

Memory Treeというのはどういうソフトか紹介しよう。
アプリのアイコンや起動画面には、このアプリの世界観を象徴するタンポポの綿毛が描かれているが、これがキーポイントだ。
アプリを起動して写真を撮る。その後、ゆらゆらっとiPhone本体を横に振る。
「はい、ここで今、私が撮った写真がiPhoneを離れ、タンポポの綿毛にのって、写真を撮ったこの空間に漂い始めました。」
「この後、誰か他の人が、同じこの場所にやってきて、iPhoneを虫取り網に見立てて、虫を捕まえるようなジェスチャーをすることで、この空間に漂っている写真。つまり、先ほどの写真を捕まえることができます。」
「つまり、この空間に思い出を残すことができるのです。」

こういって、実際に、その空間に漂っている写真を捕まえて、見せてみるだけで、見ている人たちの目の輝きが変わってくる。
原理はDarkslideとまったく同じなのに。

「Memory Tree」は大好きなアプリだが、最近、同じ時間に撮られた写真を捕まえられるようになったり、広告が入ったりと、どんどん間違った方向に進んでしまっている気がする。本来、私が長年のファンとして連絡を取るべきだけれど、なかなか時間が見つけられないので、もし作者の方を知っている方がいたら、ぜひ、あう機会をセットアップしてほしい。
 あの素晴らしい作品は、素晴らしい作品のまま残して、別の部分でビジネス化のチャンスを模索してほしい(アプリの有料化も1つの手だと思う。あの作り込みなら有料でも、絶対に買う人は多い)。

 ちなみに同じGPS位置情報を使って空間に記録や記憶、メモなどを、よりスタイリッシュかつ、楽しく残せるようにしたのがセカイカメラで、これもかなり楽しみなiPhoneアプリの1つだ。
 DarkslideやMemoryTreeは、スタティック、つまり、1カ所で立ち止まって写真を見るものだったが、セカイカメラでは、いよいよ(正面を向いて)歩きながら、空間に漂う情報を見たり、残したりできるのだから。
 今、セカイカメラは、ついにベータテストのフェーズに入ったようで、今週の金曜日にも大きな関連イベントが開かれるようだ(私は行きたいのだけれど、ちょっとタイミング的に微妙だ...)。

 このようにiPhoneは、素の機能が楽しいだけでなく、世界中の優れた才能が集まってきてつくるサードパーティー製アプリの側でも日々、おもしろい技術革新が起き続けている。


■日本独自規格が閉塞感を招く

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こうした革命が、閉塞感の漂う日本の携帯電話で果たして起きるだろうか。
NTTドコモは、新しい端末で進んだJavaScript対応などを実現してくれたが、
これも所詮、日本独自規格だ。
今、世界の次の世代のモバイルインターネットはiPhoneにしても、Androidにしても、PalmもPreにしても
HTML5とWebKitという世界標準に移行しつつある。

それに迎合しない、素晴らしい技術を開発する、というのは間違っていない。
しかし、ただスペック的に素晴らしい技術をつくるだけでなく、
それを本当に人々が率先して使いたくなるレベルに仕上げようとする体制が整っていないなら、
あるいは、それを、またしても日本国内だけの閉じられたスタンダードにして、世界に普及させようという意思がないなら、
わざわざCP(コンテンツ・プロバイダー)の未来を閉ざすような規格を採用するのではなく、
世界のトレンドに目を向け、世界スタンダードを採用する方向で検討してほしいと思う。

冒頭に出てきたPlanetOfGoriさんとの話しは、元々、私がNokiaがAndroid携帯をつくっているかもしれない、という話題をTwitterで取り上げたところから始まった。

Guardian:Nokia turns to Android in smartphone wars

世界シェア40%近くを持つ、ナンバー1携帯メーカーのNokiaですら、時代の変化を感じて、次の時代のWindowsになる可能性があるAndroidの採用を検討し始めている。

携帯の出荷台数が落ち、苦境に追い込まれているはずの日本メーカーが、この先、大きく伸びる期待のできない日本市場だけに目を向けているなんておかしなことだと思う。

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自著の宣伝は性格的に苦手(何か、モノヅクリの仕組みを、これまでの慣習に捕われずに変えていこうという、経営者向けのお勧め本があればコメント欄で教えてください)


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投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年07月07日 | Permalink

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    なんというか、「まだ変わっていないのね....」って感じの感想です。

    日本の技術とモノづくり(匠?)の力を結集したら、すごいものができるハズなのにな~~

    投稿者名 hironux

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    もうちょっとすると、お尻に火がついて、
    「変わるか、消えるか」の2択になってくると思うのですが、
    そこにたどり着く前に、気づいて変わる力があると信じたいですよね。

    投稿者名 林 信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    共感できる内容で、大変参考になりました。
    自分のこれからに生かせるようにできたらと思います。

    投稿者名 つっちー

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    こんな記事を書いておきながら、こんなにデザインが悪くて読みづらいWebページでお恥ずかしいです。
    誰かかっこいいデザインに変えてくれないかな...

    投稿者名 林 信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    理解し、人に説明する事と、出来る事とはまた違いますからね
    此れで十分だと思います サイト

    投稿者名 zin

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    ありがとうございます。
    ただ説得力が違ってきますよね(苦笑)

    投稿者名 林 信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    初めまして!! wireheadといいます。エントリーを読んで、日本の "ケータイ" が笑われる理由を考えられる要因から考察してみました。

    まず、根本的にソフトウェアの品質の低さが挙げられるのではないでしょうか。ここで言いたいのはコードの品質ではありません。むしろフリーズするようなバグは "ケータイ"には少ないと感じます。そうではなく、使い勝手・反応速度などが問題です。キャリアから指示された機能を "とりあえず" 実装しただけといった程度の端末があふれていますよね。 とりあえずカタログには煌びやかな機能が並んでいますが、使ってみると中途半端な実装でオモチャとしか思えないものばかり。ボタンを押しても反応に乏しく、見た目はDOS時代のソフトウェアを思い出します。 iPhoneに影響されて全面タッチパネルの "ケータイ" を出しても、スクロールの不自然さ・インターフェイスの不整合なんかが目につくだけでした。

    現在、企業で決裁する立場にいる人間の認識にも関連がありそうです。80年代までの成功体験がソフトウェアを軽視するような風潮をもたらしたのでは、と感じました。ソフトウェアなどハードウェアのおまけ程度としか考えない人たちが、2000年代の富の源泉を見誤った結果が現在の状況だと考察します。パーソナルコンピュータ業界の主戦場というものがあるとすれば、集積回路 → OS → アプリケーションソフトウェア → ネットワーク上のサービス、とレイヤーが上がってきましたが日本企業はスタートから走り出していません。今から巻き返すとしたらARM上にLinuxカーネルを走らせて、オプソのグラフィカル環境とフレームワークを纏めて…ってAndroidですね、これは。チップとカーネルはコモディティ化して誰にでも手に入る時代ですから、付加価値を付けるとすれば UI とアプリケーションフレームワークでしょうか。Apple の金の卵を産むニワトリであるFoundation / UIKit レベルに到達するには何年かかるでしょうね。

    キャリアのガキ重視マーケティングとかケチを付けられそうな点は枚挙に暇がありませんが、テキスト打つのになんだか疲れました…。 iPhone上で自由にソフトを創造できる悦びに比べたら日本の"ケータイ"なんてどうでもいい存在です、私にとって。

    投稿者名 wirehead

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    コメント含め、興味深かく読ませていただきました。

    日本の携帯ビジネスで、オペレータとメーカの立場が変れば、端末も変わってくると思います。
    「そんなこと昔から言われてるよっ」って返ってきそうですが、イーモバイルは、ネットブックの市場をつくりました。
    htc が一年以上前に発売した SIM フリーの UMPC(製品名忘れました)は、使い勝手は別として、ユニークなUI / 機能を実装しています。

    そんなこんなで、日本では、SBM とApple の力関係が絶妙だと感じます。
    iPhone3G は、携帯端末ではなくライフスタイルのターミナル。他の携帯メーカが、端末屋さんから脱獄するには、もう少し時間がかかりそう。

    ボヤき、失礼しました。

    投稿者名 kzt

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    iPhoneを使っていると、本当につなぎ目の見えない機械だなぁと思います。
    それは、筐体の話ではなくて、一つはどこからどこまでが商品企画主導で、どこからが技術主導なのか?というところが見えないという意味で。

    普通の商品作りは、商品企画がこういうものと決めたものを技術が実装するのですが、どうしても技術的に無理な部分がでてくると割り切った仕様になってきて、それがカタログの端っこに小さな時でつらつらと言い訳が書かれることになりますよねそういうのがiPhoneには無いなぁと。

    なので、企画が考えて作り込んだのか、技術が「こういうことができる」と提案してそれを企画が仕様にまとめあげたのかそれがわからない。

    あと、各機能間のつなぎ目が無いですね。マップで探したお店の電話番号をタップしてすぐに電話する。メールのURLをタップするとSafariに切り替わってサイトが出る。いわゆる日本の携帯だと、「ここからはパケット料金がかかります」みたいな無粋なメッセージが出ていちいち操作が止まってしまう。

    そういうモードを感じさせないところもiPhoneの優れたところだと思います。

    投稿者名 kenichi

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    twitterではどうも。
    トラバしておきました。
    「日本のケータイに優れたアプリが生まれ難い理由とは」http://blogs.itmedia.co.jp/honda/2009/07/post-83f4.html

    投稿者名 本田雅一

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    携帯売り場に実動品がほとんどないというのも原因かと思いました。

    比べられない

    故にソフトの差が消費者に分かりにくい

    ソフト的気持ち良さに差があるということに気がつかない

    要望が無いから競争が進まない。

    東芝のタッチパネル携帯触ろうとしても実動品が無いと言われて思いました。
    普通の携帯だって差はありますものね。ましてやタッチパネルなら…。

    もっとも、実働品ってことはコストがかかりそうですから
    携帯販売店、メーカー、キャリアにとって全くメリットがないですね。
    消費者をのぞいて。

    と、ここまで書いてiPhoneはモックアップ展示って見たことがないのに
    気がつきました。iPhoneが実働展示だから実動品があるのがいい…という
    文脈になってしまうのは本意ではありませんけれども。

    投稿者名 toru

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    wireheadさんのコメントがなかなかおもしろかったので、Twitterの方で(本文はいいので)コメントを読んで!と呼びかけてしまいました。

    Apple の金の卵を産むニワトリであるFoundation / UIKit レベルに....

    ここですが、今後、Android用のライブラリーとかが充実してくれば、ある程度まで対抗できるのかな、と期待しています。
    いずれにせよ他社はiPhoneをつくることはできないので、そうなると今のところ本当に頼みの綱はAndroidしかない気がしていますし、頑張ってほしいところです。

    ただ、とりあえず組織を含め、ケータイづくりのしくみそのものを変えていくしかないと思います。
    そのためには、今のような1年に2〜3回のペースで新機種を出している余裕はないので、とりあえず来年の春くらいのタイミングで、みんなで一斉に「1回休み」宣言をして、長期戦略を練った方がいい気もしています。

    kztさん

    私も、今のメーカーの問題は、これまで閉じ込められてきた殻の内側にしか、自分たちの世界がないと思い込んでいるところだと思っています。

    メーカーは下請け、という人もいますが、それを言ったら、半導体メーカーなんて下請けの下請け。
    でも、例えばインテルやクアルコムといった会社は、数年後のパソコンの世界、携帯電話の世界のイメージを広げて、製品を売ることで、成功し、むしろ、強い立場を築いています。

    私は下請けとか、上流とか、下流とかっていうのは、案外、思い込みによってそうなってしまっている部分が多くて、
    実はコンテクストは、どのレイヤーにいる人間でも変えることが可能なんじゃないかと思っています。
    実際、初代iPhoneも、キャリアとメーカーの力関係をすっかり逆転させてしまったし。

    みんな一度、これまでのことはすべて忘れて、0から、21世紀の携帯メーカービジネスを考え直して見るべきなんじゃないかと思います。

    kenichiさん

    日本の携帯がつなぎ目だらけなのは、ハードエンジニア、ソフトエンジニア、そしてなんと外注してしまっているUIの開発をしている会社が、みんな間にスペックシートというコミュニケーション手段を挟んでコミュニケーションしているからではないでしょうか。そのスペックシートを通したコミュニケーションで、「とりあえず、こちらはノルマを果たしたから、後はうまくいかなかったら他の責任」と責任をなすりつけあっている。
     そんな作り方では、つぎめなしの製品はつくれません。
     ハード担当も、ソフト担当も、工業デザイン担当も、同じテーブルで会議に参加して、コンセンサスと信頼を築いた上で、「ここの部分、ソフトで頑張っても、どうしても滑らかな動きができないけれど、ハードの方や工業デザインの方で、なんとか、もうちょっと調整できないかな」くらいに自由に話し合える環境をつくることが重要なんじゃないかと思います。

    いずれにしても、これから携帯電話だけでなく、すべての家電でソフトウェアが重要になっていく中、
    ソフトウェア時代のCIを築く上でも重要な、UIのデザインを外注任せにするっていうのは、無しだと思います。


    本田さん、
    ブログの方、拝見しました。
    僕もこれまでのiモードのビジネスには問題はないと思いますし、早い時期に成功してしまったため、レガシーも大きい、という部分は納得します。

     iモードを世界スタンダードにできなかった時点で、もう少し、グローバルスタンダードやコンテクストの変化に敏感にアンテナを張っておく必要はあったと思うけれど、しょうがない部分もあると思います。

     今、iPhone的なパラダイムに携帯が移るであろうことを、どこかで実感しながらも、もうけられるうちはiモード型でもうけるのも企業として健全なことでしょう。

     ただし、残念なのは、せっかく新たにブラウザの仕様変更をするという決断をしたのに、その仕様が、またしても国内独自規格な表面的ごまかしなことです。
     もっとも、キャリアの人間にはHTML5を含めた世界のIT業界の大きなトレンドは読めていなかったのかもしれませんが...
    もはや携帯電話は、通話だけの機会ではありません。もっと広くIT業界などにもアンテナを広く持っている人たちに事前にヒアリングをしておく必要はあったんじゃないでしょうか。

     ソフトの質の低さでは、相変わらずソフトエンジニアの給料が、他の国と比べて低いことも気になります。
     優秀なソフトウェアエンジニアは、次々と大手メーカーから外へ流出しています。
     でも、これから家電製品でも最も重要になってくるのはソフト。
     スティーブ・ジョブズも、ウォークマンで世界を席巻していた日本が、携帯型音楽プレーヤー戦争でiPodが買ったのは、日本メーカーがソフトをバカにしていたからだと豪語しています。アップルは、結局はソフトメーカーなのだとも語っています。

    <a href="http://d5.allthingsd.com/20070531/d5-gates-jobs-transcript/" rel="nofollow">if you look at the reason that the iPod exists and the Apple’s in that marketplace, it’s because these really great Japanese consumer electronics companies who kind of own the portable music market, invented it and owned it, couldn’t do the appropriate software, couldn’t conceive of and implement the appropriate software. Because an iPod’s really just software.
    http://d5.allthingsd.com/20070531/d5-gates-jobs-transcript/</a>

     なのに、日本では一時的に素晴らしいソフトエンジニア達を雇っていても、結局、まったく彼らの思うようにやらせてあげることができず、十分な給料も与えることこせず、流出させてしまっている。
     工業デザインとソフト開発って、iPod以降の家電づくりで、もっとも重視される分野で、製品企画の最初の段階から関わっていなければならないはずなのに、最後の最後に装飾的に関わらせているメーカーも多そうな印象があります。
     おまけに、必要以上に分業を進めてしまっているので、もはや、ソフト間の連携などさせることも不可能。

     私は日本の家電メーカーは、もっとソフトを重視したモノヅクリができるように、組織そのものを変えていく必要があると思っています。

    投稿者名 林 信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    toruさん、

    確かにそれもありそうですよね。
    ちなみに私はYouTubeでつい比べちゃいましたが...
    <a href="http://www.youtube.com/watch?v=Epnx-pya3EE" rel="nofollow">http://www.youtube.com/watch?v=Epnx-pya3EE</a>

    投稿者名 林 信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    コメント含め興味深く拝見しました。

    私はソフトウェア産業に身を置く人間ですが、日本国内ではおしなべてソフトウェアに対する認識が低いと感じています。

    日本の携帯電話の件は、ハードウェア開発の延長でソフトウェアを開発していることに原因があるのではないかと感じています。ハードウェアで国を支えてきた過去に縛られ、ソフトウェアが主体ではなくハードウェアが主体となっているのが今の日本の携帯だと。

    携帯はヒューマンインタフェースをハードウェアからソフトウェアに移行出来るだけの処理能力を持ったタイミングでかなりのポテンシャルを持ったはずです。ただ、それを十分に生かすことのできるハードウェア、ソフトウェアの双方を併せ持った携帯は未だに日本で開発できていない。ハードウェアがどれだけ良くても、それだけでは意味がないことに気付いていないということでしょうか。

    国内のソフトウェア産業は海外に依存するところが大きすぎます。優秀なソフトウェアが海外から入ってきてしまうので、国内では作らない。国内で作らないから、作ることのできるスキルを持った人が育たない。人が育たないから優秀なソフトウェアが出来ない。

    まともなソフトウェア開発には技術力とコストが必要なことを認識していない経営層が多過ぎるのではないでしょうか。ソフトウェアを家電や自動車と同じ考え方で作っては駄目だということをそろそろ認識すべきだと思います。

    投稿者名 etiaikca

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    うまく書くことはできないのですが・・・
    このたびiPhoneを買うことで、初めてケータイの世界に踏み込みました。それまでウィルコムでした。
    そもそも、高い料金をとる為に存在したかのような携帯電話にまったく共感できず、PHSをずっと使い続けていましたが、ケータイの世界におけるあの多機種はいったいなんなのでしょうか。同じメーカーがキャリアに合わせて機種をいくつもいくつも作って。。。、きっと何もかも出来るのでしょうけれど、どれも使い難そう。使い難いので買い替えるけど、結局使ってみてわかることが多く、満足のいく機種はない。何がしたいのか、わからなくなって、機械に使われているような・・・・。それらをクリアにしたのがiPhoneだと思います。まあ、iPhoneも使っていて、まだまだと思うところもありますが、それでもソフトウエアで何とかなって行くのでは、と安心して、その機種代金を一括で支払いました。人は高いねーと言いますが、iPhoneという機械を買うのに2年使うなら、実質2万某とか、私にしたらあり得ないくらい安いです。そう思える機種ですね。ちなみに、インターネットを持ち出したい、パソコンと電話を一緒にしたいと思い、ウィルコムではAd-esを最後に買いましたが、結局アプリをインストールしたのは、住所録を取り出すために最後に入れただけでした。また、ブラウザもその遅さに辟易して、緊急時にしか使いませんでしたねえ。

    投稿者名 reima

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    KCP+の開発を悶々としながらこなしていた時に、颯爽と発表されたiPhone。

    「いま作ってるヤツは、もう周回遅れだ」と、強烈に思いました。
    そして勢いで会社を辞めてしまいました(笑)

    なにしろ一年前に実装済みの機能を、世界展開できないような「共通プラットホーム」としてまた作り直していれば、いい加減現場も疲弊します。

    しかしそんな中でも、それなりに使う側のことを考えて作ったんですよ。

    開発経験を振り返ってみれば、各メーカーが独自機能を競い合っていたころが一番面白かったですが、キャリア仕様の縛りがキツくなり、工夫することがなくなったのが残念。

    そして今は、さらに状況が悪化している気がしますね。

    投稿者名 TK

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    etiaikcaさん

    メーカーのいいポジションにいる人でも、問題に気がついている人は、それなりにいると思うのですが、
    まるで、日本の政治が、長い時間をかけて抜本的改革を難しくするしくみをじっくり築いてきたように、
    メーカーの中の、さまざまなしくみも、変革を起こしにくい形をつくってしまっているのでしょうね。
    そして、とりあえず会社は苦しくても、
    今、波風を起こして失敗をするよりは定年退職まで現状維持して逃げ切った方がいいと思っている人たち。
    こういう方をバッサリ切れないのが日本体質なのだろうから、その部分はあきらめるにしても、
    そういう人たちが、自分の功績に泥がつくのを恐れてイノベーションを阻む、risk takingを阻むような構造だけは何とかして壊していかないと、さらに優秀な人材の流出がつづき、有能だったはずの若い才能を、失望感しか持っていない人材に変えてしまいそうで、そこも心配です。


    reimaさん

    私もイーモバのEM-01を使っていますが、あんなに愛着のわかない機械は久しぶりです。
    EM-01をつくっているのは携帯部隊とは別っていうのは知っているので、いわゆるハンドセットはもう少しまともかと期待していますが、OSのひどさもさることながら、ハードも安っぽくて、電源を入れる操作からして、イライラしてしまう。
    いつも、電源の入/切が面倒なので、どうせ大事なデータも入っていないしと、裏蓋をあけてバッテリーをつけたり、外したりで電源を入れたり、切ったりしているくらいに愛着がわきません。
    でも、EM-01も、スペック表だけ見ると(ほとんど使い物にならない)ワンセグを搭載していたり、凄そうで思いっきり見かけ倒しな3Dインターフェースが後から追加されたりと、やたらと凄そうなのです。
    そういう意味では使う気にならない機能を、いかにも凄そうなものに見せている日本の携帯ビジネスの広告の方がマジックのようですよね。

    もちろん、細かなハードの部品を見れば、EM-01もそれなりにいい液晶を使っていたり、評価できる部分もあるのだけれど、
    まるで、最高級の鮮魚や、野菜を集めてきて、闇鍋をつくってしまうような、なんだか、ものすごいもったいないことをしているような気がしてなりません。

    TKさん

    KCP+、結構、期待していたんですが、タイミングさえ遅れなければ、それなりに盛り上がったとも思うのですが残念ですよね。
    今、ドコモとソフトバンクが、端末ごとの個性を少しずつ尊重しようとする中、
    auはauで、これまでの日本ケータイ文化の路線を継承して、キャリアが規格を決める路線をつづけるっていうのは、
    案外ありな気もしています。
    端末をつくっているメーカーからするとたまらないのでしょうけれど、
    ハードからアプリ、そしてその上のサービスやUIまで、串刺しで面倒を見る誰かがいないとiPhone並にまとまったモノはつくれないので、KDDIが、そこまで徹底して1台1台をプロデュースするというのなら、案外ありかもと...

    ただし、その場合はメーカーも、メーカーで、KDDIの仕事は完全に別の完全下請け仕事だからと割り切って、他のキャリアの場合とはまったく別のビジネスモデルを用意するのもありかなと思っています。

    逆に対ドコモと対ソフトバンク向けビジネスでは、同じ端末の色違いを売るなどして、1台の端末の回収率をあげていく方向にベクトルを変えていく。今のパナソニックとかNECって結構、健全で、パナソニックに関しては、auから出さなかったことも含めて、結構、今回、よかったんじゃないかと思っています。
    一方、幻滅したのがシャープです。

    シャープなんて一番、強い立場なんだから、他のメーカーの未来のことも考えて、
    「これからの時代、メーカーはもう少し回収率のいいビジネスをしていかなければならない。
     うちは、2、3種類のまったく同じ端末をドコモ、au、ソフトバンクの3社に提供する。」くらいの強気の態度に出てほしかったのに、よりにもよって3キャリアすべてに、完璧にカスタマイズした製品を、それも数機種ずつ出してくると、以前からの日本式携帯ビジネスを、そのままやっている。

    今回の夏モデルって、Androidも出てくるし、日本の携帯メーカーのビジネスにとっても、大きなターニングポイントになると思っていたんですが、シャープが、目のつけどころが、これまでとまったく変わっておらず、キャリア迎合、体力勝負戦略だった。私はシャープが、日本の携帯業界の状況悪化に一役買っちゃったんじゃないかと思って残念がっています。

    もっとも、3キャリアそれぞれの上層部の方にも、なんとか日本のメーカーに体力をつけさせていかなければならない、と考えている人は多いようなので、その点も期待要因です。

    ただ、開発に対して資金的援助をする的な、支援はNGだと思います。
    それよりも、やはり、キャリア独自機能のレイヤーをもっと切り離して、メーカーに海外市場でも魅力を発揮できる端末をつくれるように、ヘルプしてあげることが大事。

    そして、iPhoneと共に3Dが普及しつつある海外市場で、頑張って端末を売ってもらって、
    その上で、日本でも端末を売ってもらう。
    どっちにしても、これからLTEに移行するくらいまでの間は、まだまだカオスの時代。
    でも、カオスということは、「これまでのことをチャラにしてやり直しがきく」大事なタイミングでもあるから、
    従来の慣習やスケジュールに追われて、流されるのではなく、ここはメーカーに、勇気を持って立ち止まってもらい、
    自分の会社の5年後くらいのビジョンをもとに、どういう携帯をつくるべきかを、もう1度、真剣に考えてほしいところ。
    実は、この夏って、結構、正念場のような気がしています。

    投稿者名 林信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    Darkslide、実は移動につれて Near Me 表示する写真がアップデートされたりします。地味で細かくはないけど、全くのスタティックというわででもないですね。飛行場の近くだと飛行機の中で撮ったと思われる写真がでてきたりしてそれなりに面白いです。

    投稿者名 rok

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    Twitter見て来ました。
    記事とコメントのやりとりの内容が大変面白くて、
    うなずけることばかりでした!
    ケータイ業界の方に見てもらいたいですね。

    投稿者名 greenbee

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    仰る通りGPS機能ひとつとっても早くからGPSを搭載していたauでさえ、ナビのシンプルモードが今年の春にやっと...私は中の人ではありませんが、auに数年言い続けてナビがやっと一般の人が触られるレベルになりました。あくまで使用機会ロスが減っただけで、各キャリア共にまだまだGPSを活かせてないのでもったいないです。

    写メールの時のカメラ訴求はうまかったので、もっと写真に位置情報を付加しやすい仕様にし写メールのようにメール機能に便乗すればわかりやすい訴求が出来るはずだと思います。

    現在の国内の特化モデルを除いた端末ラインナップを見ると「使わせたくない、売りたくない」機種に見えてなりません。そろそろGPSに特化したモデルも出そうな予感はしますが。

    投稿者名 photonote

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    nobiさん、はじめまして。twitter経由で本記事を拝読しました。

    日本の携帯電話端末メーカーがAppleよりも多機能な端末を先んじて開発しながら高レベルのユーザー体験を提供できていないのは、以下の事由があるのではないか、と推察しています。

    (1) ビジネスモデルの違い
    (2) マーケティングに対する投下資源の違い

    (1) については、nobiさんが記事中で指摘するように、Appleは自らをソフトウェアビジネスを行う企業と定義しているようです。ですが、実際に収益の大半を稼いでいるのはハードウェアの販売です。つまり、Appleはソフトウェアにおける技術革新への対価を得るためにハードウェアを売っている、という見方ができます。日本の携帯電話端末メーカーは、基本的にハードウェア、とりわけエレクトロニクス技術を開発してハードウェア販売で稼ぎます。また、マイクロソフトが生み出したビジネスモデルは、ソフトウェアを開発してソフトウェア販売で稼ぎます。

    IT製品市場においてはハードウェア・OS・ミドルウェア・アプリケーションソフトウェアまでを一手に開発・販売する垂直統合型の競争構造から、特定レイヤーに集中する水平分化型の競争構造に移行した、というのは有名な議論です。ハードウェアビジネスは労働集約・設備集約的な側面が強く、他方でソフトウェアビジネスは知識集約の側面が強くなります。ゆえに、あるレイヤーに特化してビジネスを展開することは競争上、合理的です。現場の技術者の捉え方はともかく、日本の携帯電話端末メーカーのビジネスモデルを考えれば、ソフトウェアはあくまで「必要悪」で開発している、といっても過言ではありません。ですから、レイヤー特化型の市場構造を捉えてソフトウェア開発を外注する「分業」体制を日本の携帯電話端末メーカーは採るのだと思います。

    (2) についてですが、極論すると、日本の携帯電話端末メーカーは&quot;Selling&quot;はすれど&quot;Marketing&quot;をしていません。AppleはiPhoneビジネスにおいて、自らの資源を投じて商品やサービスの企画、販売チャネルの構築・広告宣伝活動を行っています。他方、日本では通信事業者が自らの資源を投じて商品やサービスの企画、販売チャネルの構築を行っています。端末メーカーにしてみれば、通信事業者からの受注を獲得して要求スペックの製品を納品できれば目先の商売は成り立つわけです。こうした状況下では、メーカー自らの資源で商品やサービスの企画、販売チャネルの構築をするなどというのは、「余計なこと」とすら言えます。

    つまり、今の日本の携帯電話端末メーカーのビジネスは、これまで経済合理性があったので存在し、今はそのジレンマに陥っていると考えます。

    投稿者名 bunzo

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック



    Twitterから来ました。これまではiPhoneとNokiaを二台持ちで使っていたのですが、iPhone3.0と3GSの登場を機にiPhone3GSのみにしました。(エリアの狭さについては一層の改善を求めたいですけど…。>SoftBank御中)

    私は一年前に、iPhoneがDocomoからでなかった事を心から嬉しく思いました。これまでもDocomoからリリースされたNokia端末の悲惨な様子(Nokiaのいいところが全てスポイルされるDocomo仕様)や、後になって分かったことですが、Blackberryも泣かず飛ばずな状況、iPhoneをもしDocomoが扱っていたら…と思うと(iPhoneの思想からはあり得ない選択なのでしょうが)ぞっとするぐらいです。

    携帯業界の問題は、各キャリアの閉鎖性ももちろんそうですが、行政の側にもあると思います。SMSはキャリア毎でしか届かない(そもそもDoCoMoには実装すらされていない)、SIMロックの問題等、行政として利用者の利便性と市場のオープン化を図らなかったという面も大いに影響していると思います。

    投稿者名 kosho

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    こんにちは。大変興味深く読ませていただきました。

    極端な言い方ですが、“使う”ことに重点を置いた欧米製品と“創る”ことに特化した日本製品っていうのは私のいる業界でも感じるところです。想像力は逆に日本人の方が進んでると思いたいんですが、そこに“楽しむ”っていう要素はあまりないですね。映画などを観てても感じることです。

    “楽しむ”=“不真面目”と直感的に感じてしまう世代というのは確かにあると思いますので、その辺りも影響してるかもしれません。“真面目に楽しむ”ことができない世代ってものあるみたいですが・・・

    ところで、すでにiPhoneと携帯電話端末と同列にすること自体がナンセンスになってしまってる気がしますね。

    投稿者名 hal024

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    rokさん

    Darkslide、なんと表示が更新されるんですね...
    そういえば、前しばらく起動していたら写真が入れ替わっていたことが...
    そういうデモの仕方をしたら、もうちょっとウケるかもしれませんね。今度、参考にしてみます。

    greenbee さん

    ケータイ業界の人、結構、見ていると思いますよ(笑)。でも、本当に見てもらいたいのは、「その議論はもう嫌だ」と耳を塞いでしまっている人だけれど(苦笑)。

    photonoteさん、

    「写メ」は、あのブランディングできたこと、というか名前を付けたことが勝利の要因ですよね。
    企業内の講演ではよくいうのですが、社内向けブランディングというのも大事で、
    一度、これはこういうキャラ、というのができあがると、そこに対してブラシュアップがかかり始める気がします。
    iPhoneも、「こういう製品」というキャラ付けがうまくいったので、みんなそこからインスピレーションを受けて、
    開発をしている部分もあるんじゃないでしょうか。

    bunzoさん

    (1)のビジネスモデルの違いもその通りだし、(2)のマーケティングについても、おっしゃる通りだと思いますが、
     それは、これまでのレガシーなパラダイムでの話しで、今、メーカーは苦境にあって、
     ここから先は、新しいパラダイムに移行しないと立ち行かなくなっている、そう考えると、そういうレガシーな発想とか、
    しくみとかにむしろとらわれずに発想した方がいいのかな、と思います。

    ただ、今日、ジャーナリストの神尾さんと話したところ、経営層のマインドセットができあがってしまっていて、
    なかなか、それまで自分たちで築いてしまった殻を打ち破れなさそうで、そこが不安ですが。

    koshoさん、

    私も組んだのがソフトバンクでなければ、iPhoneは、今でも絵文字が使えず、ワンセグも見れない、外来携帯で、終わっていて、「やっぱり、海外携帯は日本ではダメなんだね」という話しで終わっていたんじゃないかと心配になります。


    hal024 さん、

    そう、その「楽しむ」=「不真面目」感をなんとか打破していかないと、Twitterみたいなものも日本から生まれてこないですよね。
    私もビジネス系セミナーとかで講演をする時、たぶん、1時間くらいの講演だと、笑いの要素とかも入れていかないと、
    聞く方の集中が続かない気がするんですよ。
    でも、だからといって、数万円取るセミナーで、ジョークとかを飛ばすと、眉毛をつりあげる人がいそうな気がして、
    なかなか、それをやる勇気がでません。

    投稿者名 林信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    林さん

    Androidが良い位置に付けているとは思います。何よりGoogleが無償でソースを公開しているんですから、これはもうメチャクチャな力業です。けどiPhoneに対する現実的な対抗策としては無難なまとめ方で結構なんですが、Androidはつまらないんですよね。BeagleBoardに載せて、個人で携帯そのものを開発とかも興味がそそられなくは無いんですが、Android機の数あるバリエーションの一つにしかならない。

    庇を借りて母屋を乗っ取るではないですが、日本企業がAndroidをforkして新しいプラットフォームを創造してくれれば、また楽しめそうです。そのときはÉtoilé (http://etoileos.com/) 辺りを採用・援助してくれれば、Smalltalkで携帯アプリ開発なんかが主流になったりして…。Cocoaが使えるんです。

    本田さんのエントリーにもコメントを付けさせてもらいました。

    投稿者名 wirehead

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    林さん、こんなど素人の私にレスをありがとうございます。

    koshoさんの、DoCoMoからでなくてよかった、という書き込み、本当ですね。
    何のための携帯電話なのでしょうね。ビジネスモデルを実現するための設計というか。
    そういう条件ではそれこそジョブズはぜーーーったいに首を縦には振らないでしょうけど。
    使う人(=ジョブズ)が使いやすいことに情熱をもって作られたのがiPhoneだと思います。
    それはiPodを作った時も、iTunesStoreができたときも、本当に音楽が好きなんだな、と
    思わせてくれたアップルですから。

    投稿者名 reima

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    日本のケータイ文化は確かに最先端ではあるのだけれども、弱点や欠点も含めて
    すべてさらけ出してしまったのではないでしょうか。
    ビジネス的にうまくいっていたことが、結果的に視野を狭くさせ、変化を生み出せなくなっているのだと思います。
    言い方は悪いかもしれませんが、そこをAppleにつけ込まれているように見えます。

    投稿者名 kaz

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    レスを下さって、ありがとうございます。

    「レガシーな発想とか、しくみとかにむしろとらわれずに発想した方がいい」というご指摘は、私もその通りだと思います。そのためには、IBMの収益構造をソフトウェア・サービス中心に転換させたL.V. ガースナーのような「プロ」経営者の登板や、既存のビジネスモデルに縛られない新興企業によるチャレンジといった、ドラスティックな刺激が日本の携帯電話端末メーカーには必要だろう、と考えます。

    米国ならば新興企業の参入に期待できるのですが、日本では動きが鈍いのが残念です。&quot;amadana&quot;ブランドを展開するリアルフリートも基本的には既存プラットフォームの意匠変更に留まっていますし...

    投稿者名 bunzo

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    こんばんは。いつも楽しく、というわけではないのですが、気になった事があるのでコメントします。

    最後の「日本独自規格が閉塞感を招く」で、ドコモがこの前行ったJavaScript対応について「所詮、日本独自規格だ」と書かれています。ただ、私の知る限り、あれは「日本独自」でも「独自規格」でもありません。

    むしろ後半に書かれている「世界のトレンドに目を向け、世界スタンダードを採用」した結果であるように思うのですが、日本独自と判断された理由や根拠などはあるのでしょうか?

    投稿者名 vantguarde

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    wirehead さん、

    最近ではAndroidも、最初、オープンソースで無償とはいえ、最初にそれに対応した携帯電話をつくるまでには、それなりコストがかかる、という議論が浮上しています。
    それはそうだと思いますが、コストがかかるからこそ、しっかりと自社の長期プランをじっくり練った上で、それに長期的に自社に有利な蓄積ができるように、うまく投資してソフト開発をして欲しいですよね。

    reima さん、

    本来、メーカーってコンシューマーの側を向いて、コンシューマーが欲しいと思う製品をつくらないといけないのに、
    日本では、このコンシューマーとメーカーの間にキャリアが立ってしまっていて、メーカーとコンシューマーの直接対話がなくなってしまった。ここもメーカー弱体化の一因だと思います。

    kaz さん

    「アップルがつけこんでいる」というのは、まさにその通りだと思います。
    日本では発売されていない初代iPhoneでは、アップルはキャリアに「iPhoneを売らせてやるから、毎月金を払え」という上納金モデルのビジネスをやっていました。
    しかし、日本で発売されたiPhone 3Gからは、それまで日本のメーカーが採用してきた販売奨励金モデルを採用してきています。
    ちょうどタイミング悪く、日本のメーカーは、総務省の指導が入り、販売奨励金から抜け出そうとしていたタイミングなんですよね。で、日本メーカーは、それをやめちゃったこともあって端末が売れなくなった部分もあると思います。
    日本メーカーも、もう少ししたたかになってくれるとうれしいのだけれど、いつの間にやら、生真面目にキャリアに言われた通りのことをやることがメーカーの仕事だと思い込んでしまっていて、なかなか、その枠組みから抜け出す発想が持てないようですね。

    bunzoさん

    新興企業の参入が鈍い日本ですが、なんか、ここのところも、ちょっとiPhoneが希望をくれた気がします。
    iPhoneだけでなく、Androidもそうですが、なんか、急に、ものすごくオープンなカルチャーを持ったIT系ベンチャーの方々が増えてきた印象を受け、彼らが一生懸命、勉強会のような場所で情報交換をしている姿を見て、日本もまんざら捨てたもんじゃない、と思うことが増えてきました。

    願わくは、こうした中から、IT業界のイチロー、松井、ナカタにどんどん出てきてほしいと思います。

    vantguarde さん

    そうですね。確かにそこの部分は、私の書き方が悪かったですね。
    私が問題にしているのは、JavaScript仕様単体とかの話しではありません。
    そして業界標準、国際標準といったものではなく、むしろ、デファクト・スタンダード(実質標準)、
    要するにWebKit搭載か否か、という部分です。

    WebKitベースブラウザの独占が、果たして本当にいいことなのか、という議論はあるでしょう。
    ただし、Acid3などのテストをパスしたり、他のWebブラウザと比べても業界標準への対応も進んでいるし、
    素性の悪いWebエンジンではないと思います。

    もはや、次代のスマートフォンでは、Nokiaもこれを採用し、Androidも、Palm Preも、という形で実質標準となっている感があります。
    その点、日本の携帯のブラウザは、かなり、そこに近づいている印象はあっても、所詮はこれまでのiモードからの流れを汲みながら、プラスαでそこに近づけているだけで、まだまだ本物のパソコンクラスのブラウザには遠い印象を受けました。

    私が日本独自規格といったのは、JavaScriptの仕様単体ではなく、そうしたWebブラウザ機能を包括しての話しです。

    vantguardeさんは、先日、Google IOというイベントがあったのですが、その基調講演をご覧になったでしょうか。
    Google AndroidもiPhoneもPalm Preも、皆、OSの上にHTML5対応のWebブラウザという共通のレイヤーを持って、
    その上で、これまでのHTMLを上回るような新世代のWebアプリケーションが動いている様子が打ち出されました。

    これまでのiモードのビジネスが、完全にフェードアウトしていくまでは、まだまだ時間がかかるし、
    既存iモード上でのビジネス展開をするのは、まだまだありだと思います。
    しかし、CPの人たちに、協力を呼びかけて、次代のスタンダードへの対応をお願いするのであれば、
    それは日本の携帯でしか通用しない、アップルがbaby internetと呼ぶ、日本の携帯電話でしか通用しないWebブラウザに最適化するのではなく、iPhoneとAndroid、Palm Preといったものにも同様に最適化/対応できるスタンダードにしてほしい、というのが私の個人的な思いです。

    投稿者名 林信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    ドコモ&日本の携帯電話端末メーカーの延命/一回休み、をやることを考えると、むしろ今回マイナーアップデートにとどめたのは悪くないのでは?と考えています。質が悪くてシェアだけ高い企業(ドコモ)が他社との互換性を切って流出(国内メーカー→海外メーカー/Docomo→au&amp;SB)を防ごうとしている、と考えると妥当かなと。
    もし今Webkitベースのブラウザを採用して、CP各社がWebkit対応するようになれば、それこそ海外端末の自由な参入を許してしまい、日本の携帯電話メーカーが駆逐されてしまうのではと思います。

    もっともユーザーとしては全く歓迎できないので、自分がこれからモバイルWebで何かしようと思ったら「旧式携帯対応+Webkit対応」で作ると思いますが…

    投稿者名 tamuken

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    tamukenさん

    なるほど、確かにそれはおっしゃる通りですね!
    昨年ってiPhone登場ばかりが注目されてしまったけど、実は「日本では海外製携帯は売れない」という神話が崩壊し始めた年だとも思っています。SamsungとかLGの端末とかも、それなりに見かけるようになってきたし、実は私の周りには何人かPRADAフォンユーザーもいます(GIORGIO ARMANIフォンユーザーは、まだ見ていない...個人的にちょっと欲しい)。

    狭い日本市場でしか収益をあげていない日本企業よりも、はるかに規模が大きい世界市場で勝負しているメーカーの方が、次の端末にかける研究開発費も膨大。それでも、私はまだ日本メーカーの方がいいおもてなしの仕方をしっているんじゃないかと信じて入るけれど、そこって少しずつどんどん真似されて、いつかは埋まってしまう溝。
     というか、海外携帯は、もはや日本携帯レベルのおもてなしではなく、その先をいくiPhoneのおもてなしを真似しはじめているので、その点も、あまり長い間、「強み」とは言っていられない気がしています。

     でも、日本の消費者には、そこがまだ伝わっていないで、大変はまだiモードのパラダイムにいる。

     そう考えると、確かにそういう戦略的観点で見たら、いいことのように思えてきました。

     でも、CPの人には、このマイナーアップグレードに対しての最適化に、あまり投資してほしくないし、時間も費やしてほしくない。
     本当はメーカーにも、こんなマイナーアップデートに、体力を消耗してほしくないけど、どうやら出花から新ブラウザ対応が大変で出荷が遅れたりとか大変みたいですよね。
     そんなところで汗をかく前に、来年以降のことで汗をかいてほしい。

    投稿者名 林信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    Twitterで、時々レスをさせていただいているモノです。おそらく、表参道でのイベントの時にお会いしているかもしれません。

    個人的にiPhone 3GSを購入して、約半年ぶりにiPhoneの世界に戻ってきました。初代3Gの時も、発売日に買ってしまったのですが、半年ほどで手放してしまったので...

    iPhoneと平行して、新しいiモードブラウザを搭載したF-09Aも同時並行的に使っているのですが(au携帯もあるのですが、使うシーンが思いつかないほどです)、以前みたいに「手放す」というところまでは行かないでしょうが、個人的にはやっぱり「iPhoneよりも日本的ケータイ」という結論になってしまいそうです。

    iPhoneはクラウド上の連携では素敵なのですが、日本的ケータイはリアル上の連携という面ではどの携帯電話よりも勝っていると考えています。自分的には「クラウドよりもリアルがイイ」って事で、どうしてもF-09Aの利用頻度の方が高くなります。iPhoneの場合は、パソコンが介在しないとどうしても使いにくい、という点も大きいですが(パソコン大好き人間なのですが、携帯は独立して携帯であるべきだという考えもあるので)...

    海外メーカーを見ても、SamsungやLG電子が日本のケータイに習った仕様の端末をがんばって開発している訳です。特にLG電子はがんばりすぎて、ついに若干機能制限があるもののおサイフケータイを実装してきました。これら韓国勢がわざわざ日本のケータイの機能を吸収しようとするのか、その辺も考える余地があるかもしれません。

    ところで、nobiさんは否定的なiモードブラウザ 2.0ですが、何でこのような仕様になってしまったかは、ちょっと考えてみる必要があると思います。

    メーカーによって実装は異なるものの、今回のiモードブラウザ2.0は、フルブラウザのモジュールを流用しただろ、と思える所が満載で(操作体系が旧来のフルブラウザに近くなった)、やろうと思えば統合も不可能ではなかったと思います。

    しかしそれが出来なかったのは、「iモード」と「フルブラウザ」、さらには「外部機器接続」でパケット通信の通信先・料金を分けてしまっているのが最大の要因な気がします。閉域接続部の対処など、課題はありますが、これを分け目無く出来るシステムが出来てさえしまえば、ドコモの端末のブラウザは更に次のステップに進めるんじゃないかと考えています。

    Cookieが使えるようになったおかげで、海外のMobile Webサイトもほとんど問題なく使えるようになったり、Twitpicなどで直アップロードも出来るようになったりと、当面使いには便利になった気もしないでもありません。でも、将来的にはやっぱり発展的解消はしないといけませんね &gt; iモードブラウザ

    個人的には、auがそのようなトレンド面では一番心配です。一番「閉ざされた」携帯電話は間違いなくauのそれだと思うので... 閉鎖を極める、という方向性もアリだとは思うのですが、選択肢の少なさを誇るのは正直いかがなものかとも思いますし。

    投稿者名 せう

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    せうさん、

    私も日本ケータイを完全に否定しているわけではなく、実際にちょっと異色ですがINFOBAR2も(そしてその前はCASIO携帯も)愛用しています。ドコモのFOMAもしばらくパナソニック製を使ってきました(ソフトバンク/vodafone系はNokiaとか海外メーカー製ばかり使い続けてきましたが...)。

    auのBREW用アプリなどでもかなりきっちりと端末にoptimizeされた優秀なソフトが多いし、中でもEZNaviwalkはかなりのお気に入りでした(最近、ちょっと間違った方向にいっている気がしますが)。

    ただ、ハードとソフトの核となるコードとUIにどのようにパフォーマンスを分配するかといったところがうまくいってないような気がしてしまいます。
    これらをつくっている人たちがバラバラで連携がとれていない上に、そこにキャリアも口を出してくるから、余計に複雑になるんでしょうが...
     なので、例えばアプリの切り替えも、なんかちょっと面倒だし、アプリのUIの使い心地もよくない。パフォーマンスも悪いといったことがあり、私は結局、日本の携帯は必要なときに決まったアプリケーションを起動して、用事が終わったらすぐにポケット、という使い方になってしまっています。

    またパソコンの介在も、1回、同期してしまった後は、ぜんぜんケーブルでつないでいません。

     まあ、ここは人によって使い方も違えば、好きずきなんじゃないかと思います。

     韓国携帯が日本の機能を取り入れている件については、もはや世界的には大成功をおさめているSamsungなどのブランドが、
    日本だけではまったく受け入れられていない。
     そこで日本市場だけでは、とりあえずブランドとして認知されるまではカルチャライズも必要と考えているからじゃないかという印象を私は受けました。実際、日本のSamsung携帯が取り入れている機能が海外のSamsung携帯でも取り入れられているかというと、そんなことは(今のところ)ないと思います。

     料金体系をわけて複雑化してしまっていることは確かに問題ですね...

     前から何回かにわけて考えていた「点と線」という何本かのシリーズからなるブログ記事のヒントが、ここにもありそうです(ヒント、ありがとうございます ;-) )

     auですが、こっち側の視点からいうと、まさにその通りですね。
     でも、僕もここまでiPhone的、Android的オープンモバイルを応援しながら、それが100%本当に正しいとは言い切れません。

     未来って、みんなの考えのぶつけあい、イマジネーションの広げ方、そして世界観のつくりこみによって実は変わってくるものです。決まった運命があるのではなく、瞬間瞬間で運命が枝分かれをしていくもの。

     もしかしたら、まだau的アプローチが正しいという世界もつくれるんじゃないかと思っています。
     今、ドコモとソフトバンクが、やや似たアプローチになっているだけに、それとはまったく別のキャリアがすべてを下請け(メーカー)につくらせるau=マエストロ型アプローチも、もしかしたらあるんじゃないかと、心のそこで思っています。

     それだけにLTE以降でも、KDDIだけには、他社と横並びになるのではなく独自の道を歩んでほしいと勝手に望んでいます。


    投稿者名 林信行

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    一連のやりとり、とても興味深く見させていただきました。
    私がいいたいことは一つ「ケータイなんかいらない!」
    娘が小五の時、私が買ったばかりのケータイをいじって、私のために着メロをダウンロードしてくれました。
    その時の使用料が16500円! 当時ケータイの「クローン」がお茶の間を賑わせていました。調べてもらい、その理由がよくわかりました。確かに娘は私のケータイで30分間で、16500円分のパケット通信を行っていたのです。…文字を表示させればパケット通信が行われる。こんな馬鹿な仕組みにあきれかえり、以後私も娘もこのような使い方は二度としません。怖くて、禍々しくて。詐欺のように思います。常識的に考えられますか、こんな仕組み。誰が許したのでしょう?
    あれで、日本のケータイが「ワンダフル」なんて絶対言えませんね。ばかげてますよ。得られる情報なんてせいぜいが「着メロ」や占い程度。他になにかありましたか?今でこそナビがありますが、他は全くのクズ! ゲームなんざ全くのクズ!…何の役にも立たない。
    …そういうわけで「私は」日本のケータイのくだらなさ、無意味さを何年も何年も感じてきました。通話とメールがつかえればいいや、と思いそれだけで来ました。これは家族の全員がそうで、ワンセグが付いていても使いません。法外な情報量が取られるかも知れない!…なんてね。
    この度、私はiPhoneを使い始めました。何よりも「使えるサービス、ソフトが様々にあること! 昔宣伝されたケータイの「有用性」をようやく手に入れました。求めていたものを手に入れることができた、とつくづく思います。だから、「パケット通信」も価値がある(使い道がないのに「定額制」は想定外。)
    以上、「サービスと技術の評価者」たる消費者の思いを表明しました。
    更に残念なのは日本のケータイの社会的にネガティブな側面ではあります。これまで対策らしい対策を取らず、陰湿ないじめを助長してきました。また、有用性の観点から「搾取された、騙された」という評価もあるかもしれません。日本のケータイのネガティブな側面がとても気になる。どんなにすごい技術だって、一般大衆がありがたいと思わなければ意味がないでしょう。本当はインフラの整備よりも大切なことでは。
    会社として理不尽な思いがあるでしょうが、利益は社会的な影響の言ってみれば「対価」。考えない企業は愚かです。また、製品やサービスの評価は消費者が下すもの。「広報」や「コマーシャル」の成果ではなく、あくまでも消費者の「エクスペアリンス」が大切でしょう。そう考えると、今、この時点で、日本では逆立ちしても「iPhone」のようなものは作れないとしか思えません。しかし、iPhoneが「使える」環境を売ることはできるはず。是非ともよろしくお願いしたいし、キャリアーとしての社会的責任を全うして欲しいと願うばかりです。

    投稿者名 sheep

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


     ソフトウェア的な話はひとまず脇において。
     ちょっと前に日経新聞で、携帯メーカーが海外市場に再進出するという記事を読みましたが、いまだとITProあたりに載ってる分ですかね。
    「[メーカー海外進出編1]欧州のデータ需要増がチャンス」
    http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080717/311016/

     実際のところ、昔は家電を輸出していたはずの日本の家電総合メーカーが、携帯電話になるとどうして失敗するのか、不思議ですね。事業部の個性が一般家電と携帯電話であまりにも違うのか。通信機器部門は電電公社時代からの名残で「規格ガチガチに縛られておんぶにだっこの下請けで満足」というトップの感性でもあるんでしょうか。
     たしかにDoCoMoが開発費を出してメーカーの技術部門を自社技術優先の為に「飼い馴らし」てしまったのはあると思いますが(NHKのハイビジョンやB-CASカードも同じような考えかも)、それと同時にメーカーの「プライド」もあるんじゃないかという気もします。
    「自分たちの持ってる技術を出して誇りたいのに、簡単な機能だけの携帯しか作れないんじゃいやだ」みたいな。

    機能が多いということは、複雑なプログラムの制御が出てくるわけです。上記の記事にもありましたが、しかしSMSと通話だけの廉価なローエンド携帯じゃ不要ですから。むろん日本の人件費の高さを考えると「ローエンド携帯じゃ給料が出ない」ということもあり得ますけれど。

     開発部門の人がいるところでこういうのもなんですが、本当に海外で成功するには、通話とSMSだけの基本機能だけの携帯も作れないとむりのような気もするんですよね。そしてボディのデザインで選んでもらう。高機能で高額の携帯じゃなく、アジアアフリカじゃ万人向けには基本機能だけの携帯で安くしないと買ってもらえない=シェアが取れない、というのもあるでしょうから。


     で、ソフトウェアですが、これはどなたかも書いてた通り、i-modeやY!のパケット接続システムとリンクしてしまったのが最大のデメリットになって、iPhoneとの差になってると思います。Nokiaでもwifiついてない機種だと、ソフトバンクならボーダフォン時代からある「アクセスインターネット」という別のパケット回線に接続するんですが、けっきょくi-modeやY!じゃパケット回線細いんじゃないでしょうか。なにせnokia6680のVodafone版の702NKIIでブラウザのOperaを走らせるのに、「アクセスインターネット」でないと繋ぐことが許されないんですから。逆に携帯のOSの種類にもよるんでしょうが、アプリが走らないとサービスが受けられない、というのもあります。

     日本の携帯メーカーがiPhoneと同じ土俵に立つ為には、たぶんシンビアンアプリの各種販売チャネルと同じ位にはプログラムを自由に出来る余地が必要じゃないかと。そのためにはDoCoMoならi-modeという課金システムじゃなく、今だとMzoneをもっと使い心地良くすればいいと思います。むろんアプリインストールのためのハード的余力も必要です。そのためには、DoCoMoに納入メーカー全体が交渉を申し入れるべきなんじゃないかと。

     iPhone以前に、シンビアンOSで走る携帯をまずはメーカーには研究してもらいたいですね。だってiPhoneはその前にNewtonという、商業的には失敗したけど技術的には壮大な実証実験やってますから。


    あ、そうそう、koshoさんによると「SMSはDoCoMoでは実装されていない」ということですが、そうでもないようです。

    ショートメッセージサービス(SMS)
    FOMA携帯電話へ全角最大70文字(半角英数字のみの場合は160文字)まで、文字メッセージを送受信できるサービスです。宛先は電話番号を指定するので、相手のFOMAのiモードメールアドレスが分からないときにもメッセージを送信することができます。

    http://www.nttdocomo.co.jp/service/communication/sms/


    投稿者名 まる

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    >あ、そうそう、koshoさんによると「SMSはDoCoMoでは実装されていない」ということですが、そうでもないようです。

    まるさん、正確な情報有り難うございます。auのCメールは印象に残っていたのですが、FOMAでも実装されているんですね。
    キャリア間で相互利用出来るようになると、かなり利便性が上がりそうですね。楽しみにしておきます。

    投稿者名 kosho

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    >koshoさん
    あんまり期待しない方がいいですよ。
    まだSBMがVodafoneの頃にDoCoMoに訊いたんですが、それ以前にスパムSMSが山のように飛び交った為に顧客からのクレームが酷くてDoCoMoで他社とのゲートを封鎖しちゃったのがそもそもの日本でのSMS低調の原因だったそうですから。

    #つまりスパム業者がいる限り、SMSがオープンになることはあり得ないと.........


    投稿者名 まる

  • Re: 以前からあった機能を「特別」にするiPhoneマジック


    ありえない〜、なんて書いてたら。

    「携帯簡易メール 各社間可能に」なんてニュースがNHKで流れたようですね。

    http://www3.nhk.or.jp/news/t10014363151000.html

    投稿者名 まる

  • 古目のエントリに今更のresで恐縮ですが

    初めまして。愛読させていただいております。

    以前からあった機能を「特別」にする、といえばiPadだってそうですよね。ハードウェアには特筆すべき新規性はなにもない。iPadの凄さは下記に列記するように技術的にも特筆することのない切り口でもってPCにおける「パーソナル」の範囲を個人からカップルや家族に拡げたことだと考えています。

    ・機械的な可動部や隙間やくぼみがほぼゼロに近いこと。

    ・製品の天地左右が決まっていないこと。

    ・OSやアプリの起動が超速であること。

    ・マルチタッチであること。

    ・安価であること。

    こういった事は多くの開発者も含めて実際のユーザにとっては自明のことだと思うのですが、そういう実際のユーザの思いを製品開発にフィードバック出来ない日本企業の稟議システムに対して歯がゆくまた焦りも覚えます。このまま置き去りになっていってしまうのでしょうかねえ。

    投稿者名 SIVA WEB