このままでいいのか?ケータイ絵文字
困ったことに、仕事が遅れている時ほどブログが進む。
時間を区切って書くことにしよう。
(今から写真の追加も含めて30分以内で書き上げます。制限時間は16:05まで。推敲も夜までしません。以下は、誤字脱字が多い記事になるので、ご了承ください)。
IDEOやparcといったイノベーションを創出する会社では
「いいブレスト」をするためにいくつかのルールを決めている。
「人のアイディアを批判しないこと」、「アイディアの所有権を主張しないこと」などなど。
(記事冒頭の写真はXerox PARCから派生したparc社が大日本印刷と開発したmagittiというデバイスのもの。詳細は月刊アスキーの2008年6月号か、まもなく発売になるMACPOWER誌を参照)。
さらにブレストの結果を、どう活かすかにも方法論がある。
とにかく何度も議論を繰り返すこと。そしてその議論の中で繰り返しでてくるパターンに注目すること。
別にブレストをしたわけではないが、
先週金曜日から今日まで、私が繰り返し耳にしているキーワードがいくつかある。
1つめは「位置情報」
(前の前の記事のコメント欄に追記したが、なんとYouTubeも位置情報の追加や検索に対応した)
2つめはケータイ電話の「絵文字」だ。
ケータイ電話の絵文字といえば、iPhoneが発売された直後、
テレビや一般の雑誌で、もっとも話題になったキーワードの1つでもある。
「iPhoneを買う場合の注意事項」の1つとして「絵文字が使えません」というのが取り上げられていたのだ。この絵文字というのが、どういう背景を持つかには触れられないまま。
実は今日のGoogleの説明会で、iPhoneで絵文字を見る方法が紹介された。
メールをGmailで受信して、Gmailのモバイル版でみればいいのだ。
ちなみにこの方法を使うと、パソコンでも絵文字が見れることになる。
思い起こせばGoogle社は、2001年の日本進出に当たって真っ先にやったのが、
パソコン用Webサイトをiモードで閲覧できるようにするサービスの開発と提供だった。
「世界の情報のすべてをオーガナイズし、それをアクセス可能にする」というGoogleのミッションは、日本のパソコン文化とケータイ文化の間の断絶の溝を埋めることにも、常に貢献してきた。
先週はUnicode(世界各国語を同時に扱えることを目指した技術)の標準策定にも関わっていたある方と、久々にお会いしていた。
「日本の企業は、そもそも国際標準化などについて積極的ではない」というのも最近よくする議論の1つだが、これはUnicodeについても同じようだ。
標準化に関わっていた方の目からすれば「絵文字を大事な文字として広めようという考えがあるならば、積極的にUnicodeなどに盛り込むための働きかけをするべきだというのが、氏の意見だ。
もっともな意見だと思う。
日本のキャリアがそうしなかった理由は明白だ。
絵文字は、キャリアがメールのバイラル的な効果を使って、ユーザーとその友人を自社製品に囲い込むために普及したという背景があるからだ。
それでも、ここ数年は各社やサードパーティーの努力によって、この絵文字の互換性というのが実現されてきた。
ただし、これも個々のキャリアや個々のサードパーティーの個別の努力に過ぎず、業界全体が一丸となって何かを標準化しようとした、といったものではない。
ソフトバンク社がiPhone獲得を発表する前日、ソフトバンクの夏の新モデルの発表会が行われた。
実はこの夏モデルの売りの1つが「ユーザー好感度 No.1」の圧倒的にかわいらしい絵文字の「絵」なのだという。
たしかに比較表を見ると、一度、ソフトバンクの絵文字の「絵」を見た人は、他のキャリアの「絵」はかなり見劣りしてしまう。
でも、これって実はユーザーインターフェースの研究やユニバーサルデザインといったものを勉強してきた人にとっては、「え?そんなことを許されるの?」と思えてしまうようなビックリ・ニュースだ。
というのも絵柄が変わってくれば、それによって意味も微妙に変わってきてしまう可能性があるからだ。
いい例が思い浮かばないが、上の写真の「マイク」の絵(クリックするとFlickrで拡大判が見れますー>ALL SIZESでさらに拡大)。
auの絵の場合は、ただマイクだがソフトバンクの場合は音符がついている。
「今日の会議今日の会議(録音)していい?」というつもりで、auユーザーが「今日の会議(マイク)していい?」というメッセージを送る。
それを受信したのがソフトバンクユーザーだと「今日の会議(カラオケ)していい?」と誤解してしまう可能性がある。
実はUnicodeの標準化の過程では、こうした意味の符合などに気遣って「点のあるなし」や「ハネ方の角度」など文字の形のほんの小さな違いについて、とてつもない議論を続けてきた。
しかし、絵文字に関しては、そうした話し合いを一切すっ飛ばして、各社各様でなんとなくすりあわせるスタイルであって、しかも、どこかで国際標準として提案されているわけでもないので、海外から入ってくるグローバル製品も最初からサポートしようがない。
もちろん、コミュニケーションで誤解があると思ったら「あれは録音なの?カラオケなの?」と、相手に電話をかけて意図を確認すれば、それで問題も解決するし、日常生活においてはただそれだけのことなのかもしれないし、そういう視点で言うと、いわゆる研究者と呼ばれる人達は考え過ぎなのかもしれない。
とはいえ、このグローバル時代に、こういうものづくりを果たしてつづけていていいものなのかどうか疑問に思うところも多い。
ぜひ、みなさんの意見をコメント欄に(そしてshyな方は「はてなブックマーク」に)
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