iPhone壊れてTwitterの難しさを知る
(クラッシュする以前のiPhoneの最後の姿。太陽光の下で、よくみたら受話口の左に3つのセンサーが見えたので、それをINFOBAR2で撮影したが、写っていなかったの図)
先週の金曜日、iPhoneを久々にiTunesにつないでバックアップをしていたところ、バックアップ半ばで突然、iPhoneに再起動がかかった。
最初のうちは「まだまだ、不安定だな」くらいに思って余裕でみていたのだが、
しばらくしてただごとではない事態であることが明らかになってきた。
再起動したiPhoneが10分経っても、30分経っても起動時のアップルマークを表示したままなのだ。
これまでにもiPhoneがなかなか起動しないことはあったので、
上のボタンとHOMEボタンを同時に長押して強制再起動をかけるが、
それでも同じ状態。何度やってもダメなのだ。
iTunesにつないでもMacのiTunesも操作不能で、iPhoneもそのままでなんともしようがない。
それに未だバックアップとれていないアプリケーションや写真、SMS
そして録音アプリケーションで録音した取材データ(孫正義さんの声など)もあったので
できればiPhoneを真っ白な状態にしてしまう「復元」はしたくなかった。
いろいろ調べていくと、米国のアップル社のサポート掲示板でも
同様の報告が多数なされていることがわかった。
大勢の人がいろいろ試し、挫折しているのがおもしろかったが、
その中でも、もっとも効果があったのが、こちらのmr.buzzの方法:
"15-MIN SOLUTION: CONNECT TO ITUNES AND REBOOT 3 TIMES TO AVOID RESTORE"
だった。
- パソコン上でiTunesを起動しiPhoneをUSB接続(この後もずっとつなぎっぱなしにしておく)。iTunesはフリーズしたような状態に見えるが、決して強制終了してはいけない
- 上の電源+HOMEボタンを、iPhone本体に再起動がかかって、その後、アップルマークが表示されるまで押しっぱなしにする
- その後、iPhoneの画面がやや暗くなるまで5分ほど放置する。
- もう1度、電源+HOMEボタンを、iPhone本体に再起動がかかって、その後、アップルマークが表示されるまで押しっぱなしにする
- 2分くらいするとiPhoneがバイブレーションするが、無視して画面が再び暗くなるまで5分ほど待つ。この時点でラッキーな人はiTunesがiPhoneを認識してくれるかもしれない。
- さらにもう1度、電源+HOMEボタンを、iPhone本体に再起動がかかって、その後、アップルマークが表示されるまで押しっぱなしにする。2分くらいすると本体がバイブレートし、その後、本体に見慣れたホーム画面が復活することがある。
mr.buzzは技術的なバックグラウンドがあるのか、どうかわからないが、ちゃんとなぜそうなるかまで説明してくれているが、これがなんだか「それっぽい」。
iPhoneが起動しなくなる原因は、SpringBoardというプログラムがクラッシュしつづけるからで、これがクラッシュすることでCrashReporter(iPhoneの不具合をiTunes経由でアップルに知らせるプログラム)が起動するが、これもうまくいかず、ずっとそのループを繰り返してしまう、というのだ。
iTunesにUSB経由で接続して、いろいろ試していることで、SpringBoardの初期設定だかデータベースに、何らかの変化が加わり、それで起動できることがあるのだという。
上の方法は3回繰り返す、という内容だが、私はそれでダメでもあきらめきれず、同じ操作を繰り返していたら8回目くらいで、一瞬だけiTunesが認識してくれた。本来ならそこで同期などの操作をすればよかったのかもしれないが、私はこれが「この時点でラッキーな人はiTunesがiPhoneを認識してくれるかもしれない。」という状態に当たると思って、次も「iTunesは認識してくれるさ」と、電源+HOMEボタンを長押ししてしまった。
うれしくなってアップルロゴが表示される前に、指を1度離してしまったのが原因か、そんなの関係なくてそもそも望みがなかったのかは永遠のミステリーだが、それから3日間、私のiPhoneをiTunesが認識してくれることはなかった。
状況をTwitterで実況していたところ、いろいろな修復方法の情報が集まってきたが、いずれも効き目無し。
最後まで試さなかったが、Jailbreakすることで本体をiTunesに認識させ、最後の最後でJailbreak用のファームウェアじゃなく、本物のファームウェアを読み込ませる、というアイディア(by koyaさん。詳細はこちら)もいただいたが、完全放電後、何事もなく起動したという報告もあったので、私はそれにかけて完全放電を待つことにした。
(「あきらめ」によってまっ白から再スタートした私のiPhone。たまたま見つけたGoogleの手鏡ケースがケースとしてピッタリであることに気がついたので、これからはこれで持ち歩くかも)
土曜日の朝4時ころ、iPhoneに再起動をかけるとアップルマークの代わりに赤い容量わずかなバッテリーの絵が表示されたので、「あと少し待てば完全放電だ」と信じて待った。
その後、待って、待って、ひたすら待って土曜日が終わり、日曜日の朝が過ぎ、昼になり、夕方も終わり、夜もまだバッテリーが大丈夫で、夜中になってもまだバッテリーが切れない。
月曜日の朝「もう待てない」と一瞬思ったが、どうせ取材で作業ができないからと、帰宅まで放置し、帰宅後「急ぎの用事が終わるまでは、復旧作業ができないから」と、最終的に夕方16時まで待ち続けたが、結局、完全放電することはなかった。
そこからは、あまりにもいろいろ試し過ぎていて、
すっかり忘れかけていた「iTunesがiPhoneを認識しなくなった場合に、取るべき操作」をTwitterで教えてもらって思い出し、「これ以上、時間を無駄にするのはやめよう」と「復元」作業を行った。
ちなみに、このブログ記事は既にかなり長くなっているので、
その「いざという時の方法」はTwitterで教えてもらったmasui driveさんのブログ記事に譲る:
masui drive on rails: iPhoneが起動不能になった場合の復活方法
これまでのiTunesによるバックアップのデーターが破損していたようで、バックアップからの復元もできず。結局、すべてが真っ白からの再スタートになったが、iTunesが同期した曲や動画、写真などの設定を覚えてくれていたのが、せめてもの救いになった。
私は音楽のデーターや動画のデータが尋常じゃなく大きく、iTunesのデータが外付けハードディスク2つにまたがっている(それでも、段ボール箱2つ、3つ分くらい「まだrippingiできていないCD」があるー>探すだけでも面倒なのでiTunesでダブって買い直している)。
昨年、引っ越したマンションの電源容量が足りず、たまにブレーカーが落ちるといった事情もあり、2台の外付けHDDを利用する、iTunesの同期の回数が最近、めっきり落ちていたのも、今回ダメージを大きくした大きな一因だが、せっかく失敗したからには、それをブログでネタにして、失敗を繰り返さないように、これを気に大容量のポータブルHDを購入して、そちらにiTunesのデータをすべて移すことにしようと思う。
ところで、このiPhoneクラッシュ騒動をストレス発散も兼ねてTwitteで実況中継していたのだが、そこでTwitterを使ったコミュニケーションの難しさを知ることになった。
以下はiPhoneとはぜんぜん関係ないTwitterの話し。
ブログだと、誰がつきあって読んでくれているのかわからないが、こうして長々と事情を説明できる。
しかし、Twitterの基本は数行の文章によるコミュニケーションだ。
私にとって一番、長い時間は、土曜日の朝4時から今日の夕方4時まで60時間ほど続いた完全放電の待ち時間だった。
そこで度々、「iPhoneのバッテリーがまだ完全放電しない」と愚痴を口にしていた。
そうすると、何人かの親切な人が「動画を連続再生するといいですよ」と教えてくれる。
そこでその人宛に「@その人 実はiPhoneが壊れていて起動しないので、動画を再生することができないのです」と書く。
だが、しばらくすると、また別の人から「動画を連続再生してみてはどうですか?」といった提案が来る。
掲示板ならば、議論を最初から読み返してください、といわれるような状況だ。
しかし、よく考えてみるとTwitterには、その理論は当てはまらない。
数十人もフォローし始めると、見えるのはいろいろな人の一瞬一瞬の断片だけだ。
例えば私が
(1)「素晴らしい展覧会に行って、料理もうまかった」と書いて、
その数分後に
(2)「今日は最高!」と書いたとしよう。
人によってはタイミングよく両方のメッセージが画面に表示されて、
私がどんな状況にいるかが見えているけれど、
例えばAさんという人が(1)のメッセージを書き込んだ直後にパソコンの電源を入れたとすると
「@nobi お、何かいいことあったんですか?」と書き込むこともある。
(1)と(2)の間に、他の友人による書き込みが19件ほどもあれば
その人にとって(1)は目に入らない未知の情報だし、これは仕方がないことだ。
「@Bさん 実はiPhoneが壊れていて起動しないので、動画を再生することができないのです」
と書いた後、Cさんが「@nobi ビデオの連続再生するのがいいですよ」といってくるケースはどうか?
これについては「@他人」宛のメッセージが、Twitterクライアントによっては表示されないからじゃないかと想像していたのだが、それはSMSで見ている人の話しであって、どうやらMovaTwitterやTwitterPod、Twinkle、TwitterFoxなど、私の友人が使っているクライアントに関しては当てはまらないようなので、結局はAさんのケースがほとんどなのかもしれない。
今回の「バッテリー完全放電」がらみの書き込みでは、10人ほどの方からいろいろアドバイスをもらった。私は運がよく、それぞれの人と楽しい言葉を交わせたから、今回に限っていえば運がよかった。
しかし、運悪く、Twitterをする余裕がまったくないモード(実は、今、この瞬間も本当はそうだが)に入ってしまうと、誰かが、わざわざ私のために有益な情報を書き込んでくれても、その人に対して、大きな不義理をしてしまいそうで心配だ。
Twitterは「今、何をしているか?」を書き込むツールだが、
込入った状況下で何をしているかについては、少し慎重に考えて使う必要があるのかもしれない。
もっとも、Twitterが素晴らしいコミュニケーションツールであることに関しては疑いの余地がない。
ちょうど日曜日も、用事があって生まれて初めて行った西荻窪で食べるところを探していたところ、
以前、西荻窪に住まれていた方が(Twitterの過去ログ参照)、「夢飯」というおいしくて雰囲気もいいシンガポール料理店を教えてくれたので、2時間ほどの待ち時間と昼食のひとときが最高の時間に変わった。
それ以外にも
財布を忘れたことを書き込んだら近くのオフィスで働いている友人が「必要ならお金を貸しますよ」と申し出てくれたり、ちょっと翻訳が難しい英語表現の日本語訳を、その時点でavailableな友人になんと訳すべきか相談してみたり、天気の変化や地震がきたことを知らせたり、予定があいたタイミングで会える人だけで集まってみたり、いろいろとライフスタイルに変化をもたらしてくれている。
私もTwitterのいろいろな可能性を試そうと、ほとんどその場の思いつきで、
アンケートを取ってみたり、Tweetのお題を出してみたりといろいろ遊んでいる
(「遊び」こそが、新しい道を切り開く最良の方法だ!)
最近ではiPhone専用のTwitterクライアント、Twinkleにハマっている。
Apple's Eyeなどでも記事を書いたが、GPSの位置情報を使って周囲1Km、2Km、5km、10Km...にいるTwinkleユーザーのつぶやきを聞けるというおもしろいアプリケーションだ。
これを使いながら地上を走る電車に乗っていると最高に楽しい。
私はいつもタクシー1メーターの距離(=2km)のツブヤキに耳を傾けているのだが、
それまで見たことがないアイコン/名前の人のツブヤキが見え来て、
このあたりのオフィスで働いている人は、こんな感じなのかというのが伝わってきておもしろい。
先日も東京駅で停車していたら某IT系ニュース媒体の編集者のツブヤキが、たまたま見えて、
「あそこの編集部は東京駅からタクシー1メーターなのか」みたいな発見もあったりする。
位置情報とTwitterの組み合わせは、何か本質的に新しいモノを生み出してくれそうで期待したので、先日、帰宅してから家が近所(半径5km以内)のTwinkleユーザーに向かって(少なくとも7〜8人はいる)、「どなたか、この辺りで深夜までやっているタイ古式マッサージ知りませんか」と質問を投げかけてみたが、残念ながらご近所の方々からは、返事がなかったのがちょっと残念だった。
実際にGoogleで検索しても、そんなところがないことが、そもそもの問題なのかもしれない。
今度はもう少し答えやすい質問で、もう1度、挑戦してみよう。