来週から「土日はしっかり休むぞ」宣言
There is something 'on' the air.
仕事に追われ、雪化粧の街並を散策する余裕すらなかった。
何か大きなものを失った気がした。
そんな中、ちょっとだけうれしかったのは、MacBook AirがAirでこちらに向かっているというApple Storeからのお便り。
どうやら今週後半からの取材は、荷物を大幅に減量できそうだ。
今年からは生活にメリハリをつけて、いい仕事をするためにも土日は仕事をしない。
そう、言い聞かせるもむなしく、目標の開始は2月からに延期され、
その2月の最初の土日もとてつもなく遅れている仕事にあけくれてしまった。
もっとも、ここで「3月から」なんて言い出したら、いつまで経っても実行できそうにないので、
次の土日こそは、堂々と「仕事をしない」を決め込みたいところ。
「月曜日の朝一」を〆切りにしてもらっていた仕事は
「火曜日の朝一」か「月曜日の夕方」に変えてもらい。
万が一、土日に仕事をすることになったら、
相手にも土日に仕事をさせてしまって申し訳ない気持ちを言葉にしようと思う。
実はそうでもしていかないと、ただただダラダラと大事な時間が消耗され、
結局、いいものも生み出せなくなる気がする。
多くの日本人が、ただただ勤勉に働き、人によっては財政的には豊かになっても、
生活の質、そのものはあまり豊かでない印象がある。
それよりも発展途上国の決してそれほど豊かではない家庭の人達の方が、
自分の時間も、友達との時間もしっかりと確保して、
充実した日々を過ごしているように見えるのは決して錯覚ではないだろう。
そもそも日本では、食べに行く、飲みにいく、デートする、遊園地といった
ややパッケージ化、マニュアル化されたものが中心で、娯楽が少ないというのも一因かもしれないが、
自分の時間をしっかり確保せず、会社のため、同僚のためにと仕事に追われているのも、
こうした事態を引き起こす諸悪の根源の一つのような気がする。
「仕事が終わったからといって、なんだか俺一人だけ先に帰るのも申し訳ないな」
という雰囲気が空気に漂っていて、その空気を読めてしまうがために、
仕事が終わってもダラダラと会社に居続ける。
いろいろな会社で、そんな光景をよく見かける。
仕事を終えても、達成感燃えられないので、
仕事に対するモチベーションもどんどん下がり悪循環が生まれる。
「金曜日に終わらなかったから、土日でなんとかしないと」という発想も
「金曜日に間に合わなかったから、月曜日で大丈夫なようになんとか調整しないと」
という発想に切り替える。
金曜日の仕事を終えたら「シャバット・シャローム」と言って(言わなくてもいいけど)、
休暇モードに自分を切り替える。
(※別にユダヤ教ではありません。上は半分、ジョークです)。
もちろん、取引先との力関係によっては、
「それではオタクとは仕事をしない」ということになるかもしれない。
そうならないためには、相手がどうしても自分と組みたくなるようないい仕事をすればいい(そしていい仕事には土日が必要だと相手に主張すればいい)。
そうはいっても、忙しい時期もあるし、「絶対しない」を通すことはできないだろう。
しかし、万が一、「土日仕事をしてしまった」場合には、
自分に対してなんらかのペナルティを与えるなどして、「それが当たり前」として
定着しないためのなんらかの工夫をしたいと思う。
「土日を休んだくらいで、世の中が急にうまくまわることはない」という人もいるだろう。
しかし、頭の中で「理想のカタチ」、「良循環のビジョン」を描いてみると、その中に「土日の仕事」は入っていないはずだ。
つまり、「土日を休んだくらいじゃ、状況は改善されないから土日も働く」ではなく、
「土日を休むということが、良循環を実現する上での、もっと実行しやすい最初のステップ」と
発想してもいいのではないだろうか。
実は「iPhoneショック」で、紹介した元アップル社(現日本通信社)、福田尚久氏が語るアップル流のビジョン実現の方法は、何もモノヅクリに限定されたものではないと思う。
実際、アカデミーヒルズに同書を置いてもらってから、アーティストのtakumi endoさん他、何人かのクリエイターの方からも「ヒントがあった」と言われた。ネタフルさんのブログでも、そのように紹介していただけてうれしかった。
「iPhoneショック」では、すべてを描ききれてはいないかもしれないが、私がわかった範囲でアップル流のモノヅクリを紹介させてもらった。
ところで、この本を読んで気に入ってくれた人には、ぜひ他にも読んでほしい書籍がある。
ものごとを知るには、時として正反対のものを知った方が、知ろうとしていることの輪郭が浮き立ってハッキリと見えることが多い。
成功しているモノヅクリのやり方を知った後に、知って欲しいのは、iPod以降、可哀想なくらいまでにアップルと比較されているソニーが、なぜダメになったかを紹介したこちらの書籍だ。
ソニーをダメにした「普通」という病 | |
横田 宏信 おすすめ平均 投資家は外、経営者は内 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ソニー出身の現役コンサルタントが執筆した本だ。ソニー勤務の友人は少なくとも30人はいるが、少なくともその2人は「まさにこの本の通り」と太鼓判を押していた。
実はこのブログ記事の冒頭でも触れた、「土日はしっかり休む宣言」は、この本の第1章にも強く触発された。
「iPhoneショック」が電話メーカーだけのための本でないのと同様に、こちらの本も、他のメーカーの人達もぜひ読んでおくべき本だし、メーカー勤務以外の人にもぜひ読んでほしい本だ。
私もまだ3分の1ほどを読んだだけだが、そこに出てくるソニーの悪いところ(例えば「内輪の倫理」)は、メーカーだけでなく、日本の腐敗した政治や官僚システムにも通じる日本の縮図だからだ。
こうした古い体質から脱却できない日本の悪さを、さらに掘り下げたければ、こちらの一冊もなかなかおもしろそうだ(こちらも、まだ最初の章を読み上げたばかりだ)。
NTTの自縛 知られざるNGN構想の裏側 | |
宗像 誠之 日経コミュニケーション 日経BP社 2008-02-01 売り上げランキング : 356 おすすめ平均 NTTの内部を描きその組織体制の問題を明らかにする好著 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
そうやって、日本企業体質の問題点を深めた後で、清涼剤として読んで頂きたいのが、Mac業界ではあまりにも有名な大谷和利さんのこちらの著書。スティーブ・ジョブズ流のビジネススタイルを、「iPhoneショック」よりも、もう少し現場に近い視線で読み解いている。
iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス (アスキー新書 048) (アスキー新書 48) 大谷 和利 アスキー 2008-01-10 売り上げランキング : 837 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
と、1時間、ブログ更新で気分転換したところで、仕事に戻ることにしよう。
土日が仕事で潰れたのは、悲しかったけれど、
最近、やっている仕事そのものは楽しい仕事が再び増えている。
先週の金曜日は、マイコミジャーナルデビューを果たた。
しかも、いきなり2つの記事で。
こちらの記事では、金曜日に行なわれたMicrosoft Office 2008発売開始イベントでのトークの模様が取材されレポートされた:
・マイクロソフトが「Office 2008 for Mac」発売記念イベント開催
そして、こちらではマイコミジャーナルへの初めての記事執筆(速報だったので優先して進めさせてもらった):
ニューヨーク近代美術館のリニューアルを飾ったUBSコレクションが森美術館に
アートにあまり興味がなかった人でも、親しみがもてるように、新しい発見があるように工夫したつもりだ。ぜひ、読んで見て欲しい。
ascii.jpからCNet、Computerworld.jp、 Hot Wired Japan、Impress Watch(家電WATCH)、 ITmedia、 ITpro、 nikkeibp.jp、 nikkei.co.jp、 r25.jp、Wired News(US)そしてZDNet Japanまで、節操なく記事を書いてきた私ですが、WebにIT系以外の記事を書くのは実は久しぶりのこと。
それだけにちょっと気合いも入った。
こういう楽しい仕事にしても、ウキウキすることって、いい気分転換になって、後の仕事のハズミにもなりますよね!