テレビケータイ戦争
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米クアルコム社がついにMediaFLOをスタートさせる。
CNet Japan:「手のひらテレビ日米戦争 クアルコム、携帯向け放送で上陸へ」
MediaFLOは、ちょっと「think different」したデジタル放送だ:
Tech-On!:「テレビの使いやすさにデジタル通信の『ひねり』 06年開始を目指す携帯向け放送技術MediaFLO」
放送波+デジタル携帯電話のネットワークの組み合わせで「今日のテレビの置き換えを目指すのではなく,テレビや映画に付け加わる第3のスクリーンを目指す」(Rob Chandhok氏)。
QVGA画質(320x240ドット)、30フレーム/秒の高品質映像を20チャンネル分の放送に加え、空いた帯域や時間帯を使って「Clip casting」と呼ばれる,蓄積型コンテンツを1日最大合計80本または800分まで配信したり、携帯電話網のデジタル通信を使ってスクランブル放送の鍵をやり取りしたり、番組中からインターネット情報へのシームレスなリンクを用意したり、待ち受け画面に,その日の天気や最新株価といったライブ情報を表示するプッシュ型情報サービスを提供したりといった具合だ。
MediaFLOは、ユーザーの使い勝手にも非常に気を配った技術。ちなみに先のChandhok氏は、Macユーザーで、プレゼンテーションもすべてPowerBookで行なっている。上の記事の取材をしている間、お揃いのPowerBookを見せたら興奮してMacの良さを熱く語ってくれた。
今年はこれに加えて、政府関係者や放送局の人達が、とても真剣に取り組んでいる(そしてすでにいくつかの端末も発売されている)地上デジタル・ワンセグ放送が始まる。
以前、blogで紹介したオリジナルコンテンツをいっぱい持つAmp'd Mobileだって、いずれ日本市場に進出してくるかもしれない。
そこに加えてビデオPodcastもあれば、モバHO!のような既存技術もある。
今年はこうしたデバイスの間で、かなり熾烈な戦いが繰り広げられそうだ。
でも、そもそもみんな本当にそんなに外出先でテレビを見るのだろうか。
たしかに、ライブ放送をどうしてもその場で見たいことはある。
また、見たいと思っている(が忙しくてみれない)テレビ番組を移動時間を使って見るという使い方はある。
でも、そうやって見たいのは、既存のテレビ放送とかであって、新たに携帯電話向けにつくられた番組ではない。
実際、iPodビデオの映像利用も、時間つぶしの音楽PV(プロモーションビデオ)と、飲み会とかで人に見せるやや珍しい系の映像(過去の取材映像とか)、時間のない時に見る録画した見るテレビ番組の視聴(EyeTVなどで録画)、が、この順で多い気がする...
ビデオiPodといえば、もう1つ気になることがある。
最近やたらと高解像度版ビデオiPodの噂が立つが、ああいう噂を立てる人達はどのように思っているのだろう。
私は高解像度版ビデオiPodを買い直して、これまで蓄えてきたビデオコンテンツをもう1度、高解像度で圧縮し直すのかと思うと寒気がする。
いや、それよりも気になるのが、これまで買い貯めた音楽ビデオとかのコレクションはいったいどうなるのか、という問題だ。
でも、今年はいよいよ本当に動画がおもしろい年になることはひしひしと伝わってくる。
Google VideoにもYou Tubeにも、毎週のように珠玉のおもしろ映像作品がアップロードされている。
どれが勝者かはわからないが、再生プラットフォームも充実しててきた。
あとは、これらをうまくあわせたうまいパッケージングと、ライフスタイルの提示を待つだけだ。