Skypeのジレンマ

nobilog2で書くのは初めてだが、最近、あちらこちらでSkypeを宣伝して歩いている。
ご存知、音声チャットに加え、電話もかけられる例のソフトだ。安いし、音質もいいし、何より気軽で楽しいソフトだ。

asahi.comにもDan Gillmor記事が載っていたし、ネット系の友達ならほとんどが知っているだろう。PCユーザーならむしろ旧聞に属する類のニュースだ。

Mac OS Xベーター版はまだまだ新しいが、既に大勢の方がBLOGに記事を書かれているし、今更、書くのもと思って控えていた。

ただ、よく考えると、BLOGやIT系のWebニュース媒体を読み漁って、最新のおもしろいソフトやWebサイトを追っかけているのは、数的には圧倒的なマイノリティーだ。

そして、そうしたニュースの追っかけをしているマイノリティーの方々なら、既にiChatやWindows Messangerなどのチャットソフトを導入している可能性が高く。親しい相手なら既に私のiChatのメンバーリストにも登録されている可能性も高い(数えたら161人も登録されていた。最近、iChatが重くてたまらないわけだ...)。そしてチャットソフトを導入済みとなると、わざわざSkypeを使って電話をかける必要性も少ない。
ここにSkypeのジレンマがある。


結局、Skypeを広めるには、あまりチャットを活用していない人に、いきなりSkypeを使って電話をかけ、「今、どうやって電話かけているかわかる?」とやるのが一番効果がありそうだ。これだと1度に1人づつしか教えていくことができないので、リアルの世界のソーシャルネットワークで友達そしてFOAF(Friend of a Friend)が多そうな当たりを狙う。それも海外在住者や国際的な仕事をしている相手が中心だ。さっそく何人かはSkypeを使い始めたようだ。しかし、世の中、本当に便利になったものだ。

ちなみに、いちいち最新のニュースを追いかけている人がマイノリティーだからこそ、Webに比べて情報量が少ない(=情報が厳選されている)雑誌の価値があると思う。パソコンがどんなに早くなっても、Googleに索引されているWebページがどんなに増えても、人間の脳で処理できる情報量が飛躍的に伸びることはない。情報は厳選されたところからスタートして、だんだんと掘り下げるのが理想的だろう。ついでに、テキストでたっぷり語るよりも、きれいなビジュアルで右脳に訴えかけた方が圧倒的に効率がいい、と思う。



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2004年09月23日 | Permalink