世の中に貢献したい(これからはもう少し冷静に)
昨年12月から「スティーブ・ジョブズ〜偉大なるクリエイティブディレクターの軌跡」、「iPhoneショック」そして「アップルの法則」と立て続けに本を出したこともあり、
友人が私の「出版記念パーティー」を企画、昨晩、それが開催された。
企画してくれた友人や私の海外取材の都合の兼ね合いから今月の開催となった。
ちょうど今月は、ほとんど小川浩さん著の共著「アップルとグーグル」が出版されることもあり、
その本もあわせた4冊の出版記念パーティーとなった。
(もちろん、これまでの本の編集者の方々にも参加していただいた)。
「『出版記念パーティー』なんて、行ったこともないし、映画『ブリジット・ジョーンズ』くらいでしかみたことないよね」と妻とも話していた。
自分はあまり「主役」という柄でもないし、私がこれまでの本で お世話になった方々、刺激をくださった方々を相互につなぎあわせて、来てくださった方々の新しいコラボレーション、新しい仕事のつながりを生む場にしていただければと思った。もし、私の本が世の中の役に立ったのなら、この場での新しい出会いは、さらに世の中に貢献するだろうからと思ったからだ。
大勢の方が来てくださり、大勢の方がお祝いをいただき、大勢の方に無償の協力をしていただいた。
遠方はサンフランシスコや九州から来ていただいた方、
記者発表やイベントの準備で忙しい最中お祝いの準備をしていただいた方、
食事どころか飲み物を飲む暇もなくスタッフに徹してくださった方々。
まったく持ってどう感謝の言葉を返せばいいのかわからず、
メールソフトで新規メールのウィンドウを開いたまま1時間悩みっぱなしだ。
(そして、そろそろ今晩のプレゼンの準備をしあげなければならないので、
メールの送信は夜まで持ち越しになりそうだ)。
これからじっくり時間をかけて1通1通、
お礼のメールを書かせてもらうつもりだが、
本当のお礼は行動で返すしかない。
それも、今や過去となったパーティーについてのお礼よりも、
むしろ、皆さんのこれからに貢献する行動の方がいいだろう。
私なりの方法で、少しでも世の中の役に立つことを考え、奉仕し、
少なくとも67億分の1くらいだけでも、
住み心地がよかったり、便利だったり、安心できたり、次の行動につながるいい刺激を受けられる世の中になるように貢献できればと思う。
(Duomo-ミラノ:来週月曜日から1週間ミラノに行きます。ミラノサローネについて「家電WATCH」でレポート予定)
Google社のモットーに「Don't be evilー邪悪になるな。悪いことをしないでも成功はできる」というのがある。
会にビデオメッセージもくれたWiredのリアンダー・カーニーが、最近、アップルは「Be evil」しているというコラムを書き話題になっている(記事の詳細は池田信夫さんのブログでも読むことができる:Be Evil)。
しかし、アップルはそうやって自身に経済的体力をつけ、結局はそれを社会を変える、次の新しいモノづくりに活かして、世の中を動かしている。
実際、グーグルの社員にしても、アップルの社員にしても、話を突き詰めて行くとお金ではなく、自分の出せる限りの力と、自分が所属する会社というプラットフォームを使って、「いかに世の中に貢献できるのか」というのが本心であることが浮かび上がってくる。
これはこの2社に限らず、最近、話題になっているマイクロソフトとヤフーにしてもそうだし、シリコンバレーや東京で活躍する社員10人以下の小さなベンチャーにしても、NGOでも、独立行政法人でも同じだ。
もちろん「貢献」の形は、それぞれ違う。
何も暮らしを便利にすることだけが貢献ではなく、
その日の通勤時間の間だけ壮快な気分にしてくれるというやり方もあれば、
ゴミを拾ってゴミ箱に持って行くまでの数秒の間の気持ちをちょっとだけ変えてくれるという形、
静寂の中で自分を振り返ってみたときに何かヒントを与えてくれる刺激、
世の中を変えようとしている方を後方支援するという形、
世の中を変えようとしている他の人を批判し正しい方向にアジャストさせるという形、
そしてあえて突き放し放置をしておくことで自ら考える機会を与えてあげるという形などなど...
だんだん、長くなってきて焦点がボヤけてきた。
(この当たりで切り上げて、皆さんを解放してあげることも貢献かもしれないー笑)
「貢献したい」という思いを、あまり強く出しすぎないのも貢献かもしれない
と「マイクの声がきんきんで大き過ぎて、うるさかった」と妻に言われて少し思った。
(来てくださった方全員が会を楽しんでくれているか、考えると実は気が気でなく、それが焦りとなって出てしまったようだ。デンと構えて主役になることは私の性格ではないようだが、そうした落ち着きがかえってみんなのためになることもあるーーこの当たりは、これから身につけていきたいところだ)。
最後にもう1度
昨日の会にいらっしゃることができた方も、来れなかった方にもお礼を言いたい。
そしてこちらの不手際で連絡が行き届かなかった方々には心からお詫びを申し上げたい。
皆、本業を持ちながらーーそして私は編集者を待たせながらーー寝る時間を削って準備をしたため、人の招待については本当に混乱をきした。案内をだそうと思ったが、連絡をし忘れた方もいれば、電子メールを送ったがアドレスが間違っていて送り返されてしまいそのままになってしまった人も実は『かなり』大勢いる。「招待しなければダメでしょう!」というような人にも、実はちゃんと出せていなかったり、連絡できていなかったケースもあり、本当にこちらは恐縮の限りだ。
昨日のような大きな会は、なかなかできないと思うが、これからももう少し小さく焦点を絞った会は、いろいろ自ら企画して行きたいと思っている。
昨日の会で反省したことは、「わずか3時間ほどの場で、すべてのものを一堂に集め、相互に紹介するというのは、そもそも無理があった」ということ(その点では、本当に大勢の方にご迷惑をかけて、頭が上がらない)。
ジャンルやトピックを絞り込んだ場にして、そこに「ぜんぜん業界や職種は別ですが、実はこの人がやっているこんなことも、ちょっとだけ接点があるんですよ」と紹介した方が、あきらかに効率がいい(実はこの当たりはThink the Earthの方々が本当にうまくやっていることで、アートや科学や環境の問題を、本当にスマートで、押し付けがましくなく、自然にやっている。それを私がついつい無理に宣伝して、迷惑をかけているのではないかと反省してしまうこともある。これは未来派図画工作のZugaさんやTypeTraceをつくるdividualなんかにしても同じで、今後はもう少し静かに、そして『粋』に応援する技を身につけたい。「マイナスのデザイン」の重要性を説きながら、この文を読んでもわかるように、どうしても私は熱がこもると「プラス」、「プラス」しすぎてしまうところがある。本当は「think the earth。アレ、いいよ」のヒトコトで済ませた方が、検索して調べるなど、聞いた側のparticipationもでてくるし、本当はいい。そして、たった一言『いいよ』というだけでも、聞いた人をそこまでparticipateさせるのは「主役級」の態度だということはわかっているのだが、まだそれを実践するには至れておらず、「粋」な人にまで、まるで「大特価!!」、「さらに割引!!」、「出血大放出」という札のような、「ありがたくない」声援を送ってしてしまうことが多い。実は昨夜いくつかあったプレゼンの中で、1度しかあったことがないのにプレゼンをお願いしてしまった福原志保さんの作品、「biopresence」の最後のスライドで、孫が曾祖父のDNAの入った木を抱いている写真にちょっとジーンとしてしまった。あの静かなプレゼンス、静かな存在感がなかなかいい)。
皆さんのお役に立てることは目指すが、こちらもまだまだ成長過程で、
「下手」も多いことはお詫びしたいと思う。
ーー
一度は、ここまで書いて投稿した。
そこに「プラス」した方がいいのか、思い悩んだが、やはり、これだけは書かずにいられない。
昨日の会についてはお詫びをする人も大勢いる一方で(しかも、悔しいことに、大量のエラー返信のせいで、その対象も全体像が把握できていない)、お礼をしなければならない人もたくさんいる。
あまりに大勢過ぎて、とてもではないが、ここで全員の名前をあげることはできない。1人あげたら、また次の人も、そしてこの人もと、来れた人、来れなかった人も含めて相当な数の人の名前をあげなければならないからだ。
でも、5人の幹事ということで、別格扱いで、この場でお礼を言わせてもらえればと思う。
特に一緒に夜を徹してすべてを仕切ってくれた幹事のhidenom。彼がいなければ、彼の行動がなければ、この会は、とてもではないが形になっていなかった。
そして、たくさんのビデオメッセージを届け、私が至らないところで、人と人の新しい回路づくりに奔走してくれた外村さん。
今回、完全な裏方に徹して、名刺交換が不要になる参加者登録システムづくりやPAに徹してくれたdrikin。
そして、本当に忙しい中、司会をしてくれた松永有子さん(彼女の絶妙トークに惚れてしまった人は、12日から24日までオープンしている「iGoogle アートカフェ」であえます!)。
その他、お花をくださった方々、参加者へのプレゼントをくださった方々、本業とはかけ離れた裏方の重労働を文句一つ言わずにしてくれた方々、プレゼンや展示をしてくださった方々(この会のために特別版をつくってくれた方々)、ビデオメッセージをくれた方々、おみやげをくださった方々、プレゼンを熱心に聞き、拍手でもりあげてくださった方々)、本当に、本当にありがとうございました!