2012年のお気に入りその2:「Livescribe Sky WiFi Smartpen:未来からやってきたデジタルペン」

「Livescribe社のスマートペン」と聞いてピンと来ない人は、百聞は一見に如かず、とりあえずダマされたと思って最初の数秒だけでいいので、次の動画を再生してみて欲しい。衝撃を受けるはずだ。

Livescribeを知っている人も、あることに驚くはずだ。
そう、ペンが(英語ではなく)日本語を話しているのだ!


Livescribeのペンをこのブログで紹介するのは初めてではない。旧製品を紹介した「21世紀を感じさせる魔法のLiveScribeペン」という記事は今なおアクセス数が多いこのブログの人気記事で、日本からの売り上げにも相当貢献したようだ。

Livescribeを初めて知る人のために、簡単に解説しよう。

このペンは、何もピアノを書いて演奏するためのものではない。ピアノ機能は、あくまでもネタ的なツカミのための機能で、本来の目的は、録音しながら講義なりインタビューなりのメモを取ること。

 世の中には、まだICレコーダーを持ってきて録音する人も大勢いるが、21世紀に入ってICレコーダーは、確かに安く作れるようにはなったが、不便なだけの過去の遺物になってしまっている。
ICレコーダーで何が不便かと言うと、録音内容を聞き直そうとすると頭から聞き直すか、記憶だけに頼って巻き戻したり、早送りを繰り返したりするかと、とにかく関係のない操作に時間を奪われる。
 Livescribeのペンなら、ノートを見て「確かあの件については、このメモの前後で話していたはずだ」というメモの箇所をペンで軽く叩く。
 すると、ちょうどそのメモを書いていた瞬間に録音した内容から聞き返すことができるのだ。

 「そんなのLivescribeでなくてもできる」とMac版のMicrosoft WordのWord Note機能やMac/iPad/iPhoneに対応したAudio Noteなどのアプリを思い浮かべている人もいるかも知れない。
 その通りで、こうしたアプリを使っても同様に、頭出しの手間を省いて、効率的に録音を聞き返すことができる。
 ただし、世の中には目の前でパソコンやiPadをカチャカチャいじられていると話しにくい、という人も多い(実は私ですらそうかもしれない)。
 紙とペンという旧来のツールを装ったLivescribeのSmartpenは、そんな時に効果を発揮する。

 Smartpenが凄いのはノートで頭出し再生できることだけではない。
 書いた内容をそのままEvernoteに登録し、いつでもパソコンやiPad、スマートフォンからノートを見返したり、録音を聞き直したりできることにある。
 2012年に発売された最新モデル「SKY WiFi Smartpen」は、その名の通りWiFi(無線LAN)機能を内蔵しており、パソコンにつながないでもペン単体でWiFiに接続し、ペン単体でEvernoteとの同期ができてしまう。
 メモを取って電源を入れた状態で自宅やオフィスに置いておけば、知らぬ間にEvernoteに書きためたノートと録音が入っているのだ。

 おまけにEvernoteには文字認識の機能があるため、手書きしたノートの内容が検索できてしまう(これも画期的なことだ)。
 私のようにとてつもなく字が汚くても、ある程度は検索できてしまうのだから驚きだ!

 実際にどのように同期されるのかわかるように、上の動画で書いたノートを公開Evernoteで共有してみた。ぜひ、検索具合や再生方法などを自分で確かめてみて欲しい。


 
https://www.evernote.com/pub/nobi/livescribedemopublicnote
 
(ごめんなさい。元々、Livescribe Sky SmartpenのEvernote記録は人に公開する仕様になっていないるところを無理矢理公開したので、音声の再生までは体験できないみたいです)。

 Livescribe社の製品、筆者が初めてであったのは2009年のMACWORLD EXPOだった(ビデオの中では2007年と言っているかも知れない。失礼!)。その後、何度も同社の人や関係者(日本にも関係者が多い)に連絡を取り、なぜ、この製品を日本で発売しないのか?問い合わせ、日本発売を懇願し続けてきた。
 前回、ようやくCEOにあえると言う時、私がギリギリで日程の調整がつかずにあきらめたいたのだが、この夏、Evernote Trunk Conferenceで話すことができた。
 日本未発売の理由について、ハッキリとは聞くことができなかったが、どうも基礎技術であるAnoteペンの日本での使用権で色々課題があるようだ。

 ただし、最新のこのSkyペンからは、表示メニューも音声メニューも日本語に対応し、リングで閉じたノートのボタンの表記も日本語が併記されている。もしかしたら、Livescribe Smartpenの国内発売は間近かも知れない。

 ただ、待ちきれない人は米国Amazonから取り寄せることもできる。

ちなみに、私は付属のリングノートではなく、見た目がMoleskineっぽいLined Black Journalというノートを使っている。このノートはまだSkyペンには対応していないが、実はSkyペンにWiFi関連の機能を呼び出すボタンが描かれたシールが付属しており、これを貼れば旧来のジャーナルノートでもSkyペンの全機能を利用できる。
ペンそのものも液晶画面がついているので、一見して普通のペンでないことは分かるが、液晶部分をことさら強調することもなく、デジタルっぽさを強調して目立とうとするよりも、まずはモノとして普通の生活シーンに馴染もうというデザインの姿勢にも好感が持てる。

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投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2012年12月30日 | Permalink