21世紀を感じさせる魔法のLiveScribeペン
今年2月のMACWORLD EXPOで購入してきて以来、講演会場やさまざまな懇親会で披露しては、大好評を得ている自慢のガジェットがある。 米LiveScribe社のPulse SmartPenという製品だ。
実は昨2009年のMACWORLD EXPOにも出展していて1度は紹介したのだが、その時は買いそびれてしまっていた。今回、13ヶ月の空白を経て、価格がこなれてきたこともあってついに買って見た。
このペンの何が凄いかを知りたい人には、とりあえず上の動画を見てもらうのが手っ取り早い。 何をしているところかと言うと、このペンで専用のノートにピアノの絵を描くと、そのピアノが弾けてしまうのだ(鍵盤をペンで触れると、音が出る)。
実は、これはまだ本の序の口で、実はこんなこともできる(下の「続きを読む」以下で紹介)。
そう、こちらのデモではノートに私の汚い字で書いた英単語を、ちゃんと文字認識して、スペイン語や中国語、アラビア語に翻訳してくれている。
よく見るとペンの液晶画面にちゃんと中国語の漢字やアラビア文字まで表示されているのがわかるはずだ。
もっとも、米LiveScribe社のこの製品、本来の使われ方はこちら:
Microsoft Office for MacのWord Note機能よろしく、ノートの下に描かれた録音ボタンをタップしてからメモを取り始めると、ペンに内蔵されたマイクで音を録音してくれる。
ノートを書き込んだタイミングと録音のタイミングはちゃんと同期されているので、後で気になっている箇所をタップすると、ちゃんとそこをメモした時に聞こえていた音が再生されるのだ。
これで長時間の会議のメモを取っても、重要部分の頭出しは一瞬で済むようになる。 ただ、ノートの該当部分をペンで触れればいいだけだ。
こうして書き込んだノートは、充電機能も兼ねたUSBのドックに置くことで、自動的にパソコンに転送される。
さらに凄いのはこうして転送された手描きのメモは、ちゃんと文字認識されて検索も可能になるのだ。
この手描きのメモをパソコンに転送する技術は、元々スウェーデンで発明されたAnotoという技術に基づいている。
昨年の秋、EUのグローバルゲートウェイというイベントで講演をする機会があったのだが、なんとそこにこのAnotoペンの発明者がいて挨拶をすることができた。その際、「Anotoをもっともうまく活用しているのは米LiveScribe社だと思う」と言ったら、彼も微笑みを返していた。
ちなみにAnoto Penを活用した、その他の事例としては、今年のMACWORLDでデビューしたCONSON社のPaperShowなどがある。こちらは同じAnoto Penの技術を使っているが、パソコンとワイヤレス通信をしてライブで描いた内容を取り込め、PowerPointのスライドの上にOHPシートのように手描きできる。
Anotoの技術そのものは決して新しいものではなく、5年以上前から存在するが、 ただノートをパソコンに転送するだけでは、それほど便利さを実感できなかったし、何よりもペンが高かった。 しかし、今回、メインで紹介したLiveScribeのペンは安い2GBのものなら約149ドル(1万5000円)ほどで買えてしまう。
しかも、実は付属アプリ上にiPhoneに似たAppStoreがあって、サードパーティーがつくったアプリもいくつか販売されている。
一度はかげりがさしたAnotoの技術も、LiveScribeやCansonのおかげで、今後、一気に広がりを見せるのではないかと期待している。
ただし、残念ながらLiveScribeのペンは今のところ米国、カナダでしか販売しておらず、日本から買う術はない。もし、筆者の講演などに来た方で、触ってみたい方は、是非、講演の後などに捕まえて触ってみて欲しい(日本のAmazonでも中古の並行輸入品、それも販売終了の1GBモデルは売っているようだ)。
LiveScribe社には、昨年から日本発売をして欲しいと要望を出している。 彼らは、まずはアメリカでしっかりと成功したいと考えているようだが、実は彼らが使っている手書き文字認識技術は、ModBookで使われているのと同じObjectVision社の技術で、実は日本語の認識も可能になっている。
参考記事: ITmedia: 日本語手書き入力に対応: 液晶タブレット型“Mac”が来日――「ModBook」を一足早く試す
ObjectVisionが日本語文字認識の技術を持っていることは、それこそ2009年のMACWORLD EXPOでもしっかり伝えてあるので、ちゃんと日本発売に向けての開発が進んでいるものと期待したいが、とりあえず私が話した相手は、日本市場に興味がなさそうな印象だったので、ぜひ、どんどん話題にして、こちらから公式ホームページにアクセスしまくって、日本での需要の強さを見せつけて欲しい。
私のページからリンクを辿ってもらえれば、私の方から先方に改めて(忘れていた場合もObjectVisionが日本語対応していることなど、しっかり伝えたいと思っている)。
【3/30 9.14AM追記:日本から買えるかも!】
Twitterのメッセージによれば、米国のAmazon.comから日本にも出荷してくれるようになったとの噂。興味がある人はぜひ下のリンクから試して、もし買えたらコメント欄かTwitterの @nobi 宛でお知らせてください。
【さらに10:28AMに電車の中からiPhoneで更新】
Twitterで @sakanabone さんから米国Amazonから購入できたという報告があったのですが、 @kosa さんが試されたところ、実際に購入できたようです。
4つめは日本のAmazonへのリンクですが旧モデルで容量少ない上に値段は倍なのでお勧めできません。どうしても日本からオーダーしたい人用の参考リンク。
なお、予告していたカメラ好きをうならせるNikonnext.comの記事は、この次に書きます!