You Tube買収で気になるのはGoogle Video

WSJに書かれた噂は、やはり本当になるんですね。
GoogleがYou Tube買収。
Mercury News:Financial Times:
日本語:
CNet Japan:
ITmedia:
ascii24:

個人的にこの買収で一番気になるのはYouTubeとGoogle Videoとの関係。
たしかにYouTubeはYouTubeで見る側としてはおもしろいが、
ビデオをつくってアップロードする側としてはGoogle Videoもかなり魅力的だ。
なぜなら、

  • コンテンツの有料課金ができる(しかも課金形態も選べる)
  • コンテンツをiPod/パソコン用にダウンロードさせるオプションがある
  • 字幕が追加できる

など、本格的なコンテンツを提供しようとすると、Google Videoの方がよくできているからだ。

世間一般ではYouTubeの方がGoogle Videoよりも人気があって、シェアも45%と大きいという。
The Mercury Newsの記事が掲載したNielsen/NetRatingsの2006年8月の調査結果で言えば、YouTubeが3400万ユーザーに対して、Google Videoが1300万ユーザー(でも、この1300万ユーザーはお行儀がよく、献身的ーー良質な1300万ユーザーだと思う)。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年10月10日 | Permalink

Stupid Networkと25番ポート

一昨日、CNet Japan Innovation Conference 2006 Autumnの取材と3時間がかりの打ち合わせを終えて帰宅。

溜まりに溜まったメールの返事を書いて送ろうとするもなぜか送信できない。
違うSMTPサーバーを指定してもダメ。
急ぎのメールだけGmailから送って対処したが、原因が一向にわからない。

電子メールソフトを使ったのでは、何が起きているのかわからないのでターミナルからtelnetを使ってSMTPサーバーにアクセスしてみたものの、何もしないのに勝手にセッションが閉じられてしまう。
(telnet <SMTPサーバーのアドレス> smtp などとすればよい)

インターネットの通信は、例えばWebページの転送は80番、メールの送信は25番といった具合に、用途ごとに情報の通り道が決まっているが、試しにサーバー設定も変えて、25番以外のポートから送信してみたら無事にメールが送れた。

今日、 「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」から帰ってきてメールを見てみたらISP(フレッツ光りで、いくつかのISPを使い分けているが、最近はBIGLOBEをメインで使っていた)から「お知らせ」のメールが届いていて、同ISPが26日から、「迷惑メール対策の一環で25番ポートをブロックした」ことがわかった。

実は 「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」の昨日のセッションで、これにちょっと関係する話があった。
「STUPID NETWORK」が理想という話だ。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年09月28日 | Permalink

Everyware講演のビデオが公開

IT業界を代表する名スピーカーといえば誰を思い浮かべるだろうか?
スティーブ・ジョブズ?ラリー・レッシグ?

こう書いていて、また思い出してしまったけれど、
今日行われた「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」のレッシグの基調講演も素晴らしかった。

もし、まだレッシグのスピーチを見たこと、聞いたことがないという人がいたら、
ぜひとも、だまされたと思って、こちらのFlashムービーを見て欲しい。
ムービーにはレッシグ氏の姿は出てこないが、レッシグ氏ならではの個性的なスライドとともに、
ittousaiさんがつけた字幕が表示される。
http://ittousai.org/mt/archives/2003_04/free_culture.html


今からもう4年以上前の講演のスライド+音声+日本語字幕だが、
何度見ても一向に魅力が衰えることがなく、繰り返し見てしまう。
石谷さんも繰り返し見ちゃっている、という。

Read Write文化とRead Only文化の共存を訴えた今日のスピーチも、
ぜひ、いずれ上のような形で「共有」されればうれしいのだが....
石谷さんが関係者に聞いたところ「検討」はしているようだ。


ジョブズとレッシグ、この2人のスピーチは、ちょっとした音楽ライブパフォーマンスや
舞台芸術を見るくらいのすごさ、楽しさ、感動があるが、
現在、私のリストで、これにつづく3番目に来ているのはアダム・グリーンフィールド氏だ。


この7月、慶応義塾大学のデジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC Institute)で近著、「Everyware: The Dawning Age of Ubiquitous Computing 」の内容をまとめた講演を行った。

前日、キャスタリアの山脇社長が、「彼のスピーチはすごい」と言っていたので、どんなものか気になっていたのだけれど、実際に見てみたら本当にかっこよかった。

ジョブズのように製品を売り込むスピーチではなく、世の中に伝えたいメッセージがあって、
それを魅力的かつ効果的に伝えるスピーチで、そういう点でもレッシグのスピーチと重なるところがあるけれど、内容も素晴らしければ、そのプレゼンテーションも素晴らしい。
スライドのデザインされたかっこよさでは、レッシグに勝っている。


実はそのスピーチがWeb上から見れるようになった。
Everyware: The dawning age of ubiquitous computing - A talk by Adam Greenfield

adam greenfield@keio univ.

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年09月27日 | Permalink

THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006

今日、デジタルガレージ主催のイベント「THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2006」が開催した。
今日と明日の2日間にまたがるイベントだ。

今日のテーマは「Culture of Web 2.0」。
日本でも有名なラリー・レッシグも含めて、ゲストもそうそうたるメンバーなので、
それなりの期待はしていたが、正直、日本でこれだけ質の高いディスカッションが聞けるとは思っていなかった。
N新聞のK編集委員「これはPC FORUMだね」と言っていたけれど、まさにそんな雰囲気。

今、IT業界から見た世界の流れを知る上で、
それも川の浅いところではなく、深いところで起きているsubstantialな変化、
5年あるいは10年あるいはもっと先の未来をも変えうる変化を知る上で、
ぜひ見ておくべきカンファレンスの1つだったと思う。
こういうカンファレンスが日本で、日本の聴衆向けに行われたのも素晴らしいと思う。

今日や明日のビジネスですぐに使える知識を求めている人には向かないかもしれないが、
もっと、長期の展望を持てるリーダーの人達はぜひ来るべきカンファレンスだったのでは?
なかなか、そんな長期のことを見ている余裕はない、という人もいるかもしれないけれど、
最近、日本でもよく話題になるCSR(Corporate Social Responsibility)とかも
こうした視点が備わった方が、ちゃんと議論ができるように思う。

そして、そういう意味でも今日のカンファレンスはよく構成されていた。
IT系の人には、まず、説明不要の伊藤穰一(Joi)さん
Mozillaプロジェクトの立ち上げから関与し、現在、Mozilla Corp CEOのミッチェル・ベーカーやTechnoratiのチーフテクノロジストでかつてはMicrosoft社Macintosh Business Unitにいたタンテック・セリックの名前が止まるだろうが、視野をそこだけに止めず、AT&T社のベル研究所で、ネットワークのあるべき姿の研究に取り組み続け余計な干渉をせず、ただTCP/IPのパケットを流すだけの「Stupid Network」が一番いいという結論に到達したプロサルタントのデビッド・アイゼンバーグ氏。さらに、ちょっと変わったところでは、ブラジル文化省デジタルカルチャー部門のクラウディオ・プラド氏といった色とりどりの人選だ。

冒頭の挨拶でJoiさんが言う。
「日本では通産省など経済関係の省庁が中心となってインターネットの発展を支えてきたが、ブラジルではこれを文化省がやっている。」ーーなるほど、確かに面白い。



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年09月27日 | Permalink

ナビゲーションを卒業したGPS

Googleearth

「GPS」と聞くとすぐに「ナビゲーション」という言葉を思い浮かべる人が多いと思う。
でも、最近、そこにちょっとした変化が起きている気がする。

この写真はGPSを助手席においての都内ドライブの様子をGoogle Earthで再現しているところ。
再生ボタンをクリックすれば、走った経路を上空からトレースできる。


5年前、アップル社CEOのスティーブ・ジョブズは、身の回りにあるさまざまな電子機器がパソコンとつながることで、新たな楽しみを得る、と語り「デジタルライフスタイル時代」の到来を宣言した。

便利さばかりが強調されていたデジタルガジェット、スペックシートに書かれた機能と性能だけで勝負していたデジタルガジェットに、新たに「楽しさ」が要求されるようになった。

他のメーカーの音楽プレーヤーのできがよくないからと、5年前、アップルが自ら創造したデジタルガジェットこそ「機能」や「仕様」を隠して、「楽しさ」を全面に押し出した「iPod」ではなかろうか。

今、GPSにも同じ変化が起きている。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年08月04日 | Permalink