You Tube買収で気になるのはGoogle Video
WSJに書かれた噂は、やはり本当になるんですね。
GoogleがYou Tube買収。
Mercury News:
日本語:
CNet Japan:
ITmedia:
ascii24:
個人的にこの買収で一番気になるのはYouTubeとGoogle Videoとの関係。
たしかにYouTubeはYouTubeで見る側としてはおもしろいが、
ビデオをつくってアップロードする側としてはGoogle Videoもかなり魅力的だ。
なぜなら、
など、本格的なコンテンツを提供しようとすると、Google Videoの方がよくできているからだ。
世間一般ではYouTubeの方がGoogle Videoよりも人気があって、シェアも45%と大きいという。
The Mercury Newsの記事が掲載したNielsen/NetRatingsの2006年8月の調査結果で言えば、YouTubeが3400万ユーザーに対して、Google Videoが1300万ユーザー(でも、この1300万ユーザーはお行儀がよく、献身的ーー良質な1300万ユーザーだと思う)。
日本語のニュースでは、買収後、両サービスがどうなるかがあまり詳しく綴られていないが、Financial Timesの記事はGoogle側の発言として、YouTubeがGoogleから独立したオフィスと現在の67人の社員はそのままにすると書かれている。
つまり、当面はYouTubeはYouTube、Google VideoはGoogle Videoとして独立して運営されていくようだ。
Mercury Newsは、「YouTubeを買収して、Google Videoに統合するようなことは、努力を無駄にすることであり、財政的に見て自殺に他ならない」というジュピター・リサーチ社のアナリストの発言を引用しているが、その通りで、YouTubeユーザーの側も、今のYouTubeの状態や使い勝手(特にアップロードすると、すぐにそれが掲載される手軽さなど)が損なわれれば、YouTubeの最大の魅力である視聴者数の多さという点で大きなダメージを被ることになる。
つまり、Googleとしても、このまま財政的後ろ盾として、事業にはほとんどNo Touchで、YouTubeを運用しつづけるしか道はない。
では、Googleはそれによって何を得るのだろう。
実は、これら性質の異なるサービスを両方持つということはGoogleにとって大きなリスクヘッジ(ダブルヘッジ?デュアルヘッジ)になるーーそして実はこれこそが重要なんじゃないかと思う。
IT系サービスを考える上で、重要なのは、どこに基準を持つか。
これまであった成功しているサービスを基準にして考える、というのがよく行われるやり方だが、
もしかしたら、これまであったサービスは、間違った前提の元に、ポテンシャルを活かし切らないレベルでの成功しかしていないかもしれない。
YouTubeはGoogle Videoと比べて、どこがどれだけ良い、という考え方だ。
これを「相対的思考」と名付けるならば、もう1つの考え方は「絶対的思考」だ。
YouTubeのようなサービスもありえる、でも、Google Videoのようなサービスもありえるかもしれない。
どちらも、まだ成熟しきっていないが、今後、改良をつづけることによって「本当の形が見えてくるかもしれない」し、逆に「成長の限界が見えてくるかもしれない」。
とりあえず、どちらがいい感じで育つかわからないから両方育ててみよう。
今回のYou Tube買収の本質はそこにあるんじゃないかと思う。
(外村さん、FTとMercury Newsのリンクありがとうございました!)
ちなみに、外村さんはこの発表のはるか前に、この件についての洞察をこちらの記事の最後の方で書いていたそうです:
“It‘s ShowTime!” :Oct. 12 ’06 Apple Special Event from San Francisco by 外村 仁
GoogleがYou Tube買収。
Mercury News:
- Google buys YouTube for $1.65 billionMercury News発/★★オススメ★★
- Financial Times:Google to buy YouTube for $1.65bnFinancial Times発/★イチオシ★
日本語:
CNet Japan:
- グーグル、ユーチューブを16億5000万ドルで買収CNET News.com発
- CNet Japan:ユーチューブ買収は成功するか--過去のネット企業買収を振り返るCNet News.com/★イチオシ★
ITmedia:
- Google、YouTubeを16億5000万ドルで買収(ITmedia)
- YouTube買収がGoogleにもたらすメリットは?(REUTERS)
- YouTubeのビデオにCMが入る日が来る?(DOW JONES Newswire/★イチオシ★)
ascii24:
- 【速報】GoogleがYouTubeを買収へ——買収額は16億5000万ドルascii24編集部
個人的にこの買収で一番気になるのはYouTubeとGoogle Videoとの関係。
たしかにYouTubeはYouTubeで見る側としてはおもしろいが、
ビデオをつくってアップロードする側としてはGoogle Videoもかなり魅力的だ。
なぜなら、
- コンテンツの有料課金ができる(しかも課金形態も選べる)
- コンテンツをiPod/パソコン用にダウンロードさせるオプションがある
- 字幕が追加できる
など、本格的なコンテンツを提供しようとすると、Google Videoの方がよくできているからだ。
世間一般ではYouTubeの方がGoogle Videoよりも人気があって、シェアも45%と大きいという。
The Mercury Newsの記事が掲載したNielsen/NetRatingsの2006年8月の調査結果で言えば、YouTubeが3400万ユーザーに対して、Google Videoが1300万ユーザー(でも、この1300万ユーザーはお行儀がよく、献身的ーー良質な1300万ユーザーだと思う)。
日本語のニュースでは、買収後、両サービスがどうなるかがあまり詳しく綴られていないが、Financial Timesの記事はGoogle側の発言として、YouTubeがGoogleから独立したオフィスと現在の67人の社員はそのままにすると書かれている。
つまり、当面はYouTubeはYouTube、Google VideoはGoogle Videoとして独立して運営されていくようだ。
Mercury Newsは、「YouTubeを買収して、Google Videoに統合するようなことは、努力を無駄にすることであり、財政的に見て自殺に他ならない」というジュピター・リサーチ社のアナリストの発言を引用しているが、その通りで、YouTubeユーザーの側も、今のYouTubeの状態や使い勝手(特にアップロードすると、すぐにそれが掲載される手軽さなど)が損なわれれば、YouTubeの最大の魅力である視聴者数の多さという点で大きなダメージを被ることになる。
つまり、Googleとしても、このまま財政的後ろ盾として、事業にはほとんどNo Touchで、YouTubeを運用しつづけるしか道はない。
では、Googleはそれによって何を得るのだろう。
実は、これら性質の異なるサービスを両方持つということはGoogleにとって大きなリスクヘッジ(ダブルヘッジ?デュアルヘッジ)になるーーそして実はこれこそが重要なんじゃないかと思う。
IT系サービスを考える上で、重要なのは、どこに基準を持つか。
これまであった成功しているサービスを基準にして考える、というのがよく行われるやり方だが、
もしかしたら、これまであったサービスは、間違った前提の元に、ポテンシャルを活かし切らないレベルでの成功しかしていないかもしれない。
YouTubeはGoogle Videoと比べて、どこがどれだけ良い、という考え方だ。
これを「相対的思考」と名付けるならば、もう1つの考え方は「絶対的思考」だ。
YouTubeのようなサービスもありえる、でも、Google Videoのようなサービスもありえるかもしれない。
どちらも、まだ成熟しきっていないが、今後、改良をつづけることによって「本当の形が見えてくるかもしれない」し、逆に「成長の限界が見えてくるかもしれない」。
とりあえず、どちらがいい感じで育つかわからないから両方育ててみよう。
今回のYou Tube買収の本質はそこにあるんじゃないかと思う。
(外村さん、FTとMercury Newsのリンクありがとうございました!)
ちなみに、外村さんはこの発表のはるか前に、この件についての洞察をこちらの記事の最後の方で書いていたそうです:
“It‘s ShowTime!” :Oct. 12 ’06 Apple Special Event from San Francisco by 外村 仁