気になる3つのブログ関連サービス
土曜日の早朝、ロンドンに向かって発ちます。
最終目的地はパリだけれど、噂に聞くGherkinとApple Store Regent Streetを見つつ、Design Museumを覗き、日曜日の早朝はThames川沿いをSegwayで散歩(なんだか、最近、shiologyがうらやましいネタばかりなのに刺激されましたー笑)
今、日本時間は16日午前3時30分。おそらくANAの相乗りタクシーが迎えるに来るまで、既に30時間を切ってします。
でも、こういうカウントダウンが始まっている忙しい時に限って、おもしろいことが集中するもの...
まだ、いくつかやることがあるけれど、気分転換にブログに書いてしまえ
【ここから本編】
GoogleがついにBlog検索サービス、「Google Blog Search」を発表して話題になっています。
でも、私はほぼ同時に発表となったASKのサービス、「Ask.jp:ブログ検索」にも注目しています。
以前、CNet Japanの記事、「Teomaエンジンを核に技術で挑むアスク&ブログラインズ」で、bloglinesのマーク・フレッチャー氏をインタビューした時、彼は「今夏中に世界トップクラスのブログ検索エンジンになる」と宣言していた。
ついにこのサービスが始動したことになる。
さて、もう1つの注目サービスは、本日大幅リニューアルを果たした「TVblog」だ。
毎月1回、日本のBlog界の主要人物が集う「Blogディナー」という会がある(Sblog dinner、五反田カレーの会など呼び方はいろいろ)。
今月の会に、インターネットでは有名な橋本大也さんと、彼が今、一番深く関わっている会社、MetaCastの代表取締役、井上大輔氏が参加した。井上氏のサービスは、聞けば聞くほどおもしろそうだが、その全貌を正式発表するのが、昨晩、開催の「第1回テレビとネットの近未来カンファレンス」と題されたイベントだ。
基調講演はKNNの神田さん、テレビ業界の現状を詳しい統計資料などを交えながら、今後、テレビとネットの関係がどうなっていくべきかを熱弁。
つづいて、橋本さんが、今日のテレビ関連のいろいろなガジェットや関連するおもしろいサービスを紹介(って、本当はそんな薄っぺらい内容ではないけれど、あまりこのエントリーに時間をかけられないのでスミマセン、ここではそういうことにしておいてください)。
そしてフジテレビの方がテレビ局側の現実を紹介。
最後に井上さんがMetacastのサービスを紹介。
そもそも、TVblogは、テレビ番組に対してのトラックバックポイントを用意していた(みなさんも、blogでテレビ番組の話題を取り上げるときは、ぜひtvblog.jpの番組表にトラックバックを打とう。あるいはこの番組表を見て、他のブログでその番組についてどんなことが書かれているのかをチェックしようーー残念ながら私の好きなBS AsahiなどBSデジタル放送の番組表は完全ではない)。
で、今日発表されたのは、このMetacast社の次のサービス。
テレビ番組内のコーナーや場面について、コメントをかけるサービスだ。
例えば番組開始から32分24秒から始まって33分15秒に終るコーナーについてひとこと言いたければ、Windows用のオープンソースの専用ソフトを使って、番組のその部分を抜粋し、コメントを書き込むことができる。
こう書くと、著作権はどうなるの?と心配になるかもしれないが、MetaCastのサービスは、何も録画した番組をWebに掲載しようとしているわけではない。見ている人、全員がテレビ番組をPC録画していることが前提になっているのだ。
つまり、同じ番組を録画していた人だけ、引用している場面とコメントを同時に見ることができる。
こう書くと、なんだ、俺はそんなにたくさん番組を録画していないよ、という人もいるかもしれない。
しかし、すでにVAIO type Xのような、1週間の地上波番組をすべてとりためられるような製品も出始めている。
「今のままハードディスクの容量が増え、動画の圧縮効率があがれば、2013年には30万時間録画ーー1日100時間録画して10年弱録画できるかも」と井上さんは言う。
どっちにしても、テレビ番組にタイムコードに沿ってコメントをつけられるのは、それだけ素晴らしいこと、おもしろいことだ。
以前、Gracenote社のCTO、Ty Robertsと話しをしたとき、彼はDVDのディレクターズ・コメンタリー(サブ音声に入っている監督による解説ーー俳優による解説の場合もある)もおもしろいけれど、インターネット経由で、タイムコードと同期する形で、そのDVDを見ている人の声も同期できたらおもしろい。「そんなサービスをやりたい」と語っていた。Tyの場合は、Video IDというDVDのディスク認証技術を売るという考えが根本にあるので対象がDVDだったが、Metacastのサービスを使えば、毎日放送されているテレビ番組に対して、こうしたコメンタリーがつけられるのだ。
Flickrのようなタグ情報もつけられるかもしれない。
そうそう、説明を忘れたが、MetacastのMetaはメタデーターのメタ。同社が目指しているのはConsumer Generated Metadata(CGM)を広めること。
でも、そんなに熱心にメタデーターをつけてくれる人がいっぱいいるのか、と疑問に思う人もいるかもしれない。
だが、井上氏によれば、1日中すべてのテレビ番組をみて、ひたすらメタデーターを打ち続けている会社が既にあるのだという(すみません、ノートを見て確認すると時間かかりそうなので、このエントリーは見ないで書いています)。
実際に井上氏は、その会社によって人気テレビニュース番組に打たれたメタデーターを披露してくれた。番組内のコーナーごとに、細かく時間をわけて、解説が書かれており、コーナーで何がとりあげられたかなども書かれている。
こうしたデータが蓄積されていけば、将来、テレビ番組の中で話されていた情報だって検索可能になる(*)。
来年からはテレビ番組はハードディスクレコーダーに録れるだけ録り貯めておいて、Metacastのサービスに寄せられたコメントやTVblog.jpのブログエントリーをみて、おもしろそうな番組だけをピックアップしてハードディスクから再生するーーそんな時代がやってくるのかもしれない(その際、情報系番組なら時間節約で1.3倍速とかで再生されちゃうのかも...人のこと言えないけれど慌ただしい世の中だ)。
どっちにしても、このMetacast、うまく言ったら世界に自慢できるサービスになるかも。とりあえず、来週パリでやる仕事が1つ増えた。
Metacastのソフトは、今のところWindows版しか開発していないようなので、EyeTVを開発するドイツのEl Gato社に話して、Mac版もつくらないかと提案してみよう。
将来、El GatoとMetacastで協力して、このサービスを世界展開とかできたら素晴らしいかもしれない。
ところで、今日の会議で、来場者から、「1人1人の視聴者がすべての番組を録画するというのは、資源の無駄。それより、なんとか番組はどこか中央においておいて、見たい番組をそこから引っ張ってこれるようなモデルにならないのか」、という質問があった。
まったくその通りだ。それこそが正しい未来なのは明白だが、それでも今のテレビ業界の体質だとそれは難しい。
iTunes Music Storeの音楽業界ビッグバンの次は、テレビ業界ビッグバンが来るのかもしれない。
銀行ビッグバンにしても、なんにしても、古い業界は必ず今ある利権にしがみついて、抵抗勢力になってしまう嫌いがあるけれど。なんとか、テレビ業界くらいは、率先して自ら改革を押し進めたりはしてくれないものだろうか。
これから先、テレビ業界にどういう収益モデルがあるのかを含めて、議論することはたくさんある。でも、腫れ物に蓋をするのではなく、率先してオープンかつ積極的にそうした話題をとりあげて、正しい姿へと持っていってくれればうれしい。
P.S.それにしても出張前であわてていてカメラを忘れてしまったのは失敗だった....
*)橋本さんによれば、米国ではすでにそういったサービスは登場している。TVEyesというサービスで、なんとテレビ番組の内容を音声認識でテキスト化して検索可能にしているそうで、これもおもしろい。
書き終わったら4:20分...やはり、ブログの更新は危険だ。
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