PGPは時代の逆行を止められるか?
暗号化技術としてあまりにも有名なPGPが、日本法人の設立を発表した。
発表会で耳に残ったのが、代表取締役、浅井政浩氏の「時代の逆行」というフレーズだ。
最近、個人情報漏洩などの事件が相次ぎ、企業でのパソコン利用の形態は大きく変わってきた。
「漏れると高くつく個人情報はすぐに捨てる」ようになり、情報の漏れ口となりえる「USBポートはふさがれ」、「ノートパソコンは社外持ち出し禁止」になっている。
個人情報廃棄で、松下電器は不幸な事故を起こし売る石油ヒーターの持ち主に連絡ができなくなり、USBポート封鎖で次々と誕生する便利なデジタルビジネスツールの扱いが大変になり、より優れたビジネスポータブル機をつくる技術努力が無駄になっている。
浅井氏は、PGPが「そうした時代の逆行を止めるプラットフォームを提供できれば」と語っていた。
このフレーズが気になったのは私だけではなかったようで、質疑応答でも質問が出た。
PGPが直接提供するソリューションはメールやディスクまるごとの暗号化、例えばノートパソコンが盗まれても、ディスクがまるごと暗号化されているので、盗んだ人は情報にアクセスできない、というもの。
これが完璧な解決策かと問われればそうでないという人もいるだろう。まだまだ抜け道はあり得る。でも、そんなことをいったら、今の企業が採用している不便な企業システムにだって、まだまだいくらでも抜け穴はある。
個人的には、このPGP製品(PGP Universal)を基盤とし、今後より高度な(それでいてユーザーの邪魔にならない)セキュリティーをどこかのサードパーティーがつくってくれるんじゃないか、SPAMメールの新たな対策をつくってくれないかと期待を寄せている。
なお、PGPというと思い入れが深い個人ユーザーも多いと思うが、とりあえず今日発表された日本法人は当面、販売パートナーを通して企業向け製品、PGP Universalの販売に注力する。
個人向けのPGP Desktopは、個人向けのサポート体制などがちゃんとできあがってから販売するとのことだ。
ただし、PGP Desktopのソフトそのものは既に日本語対応になっており、米国PGP社のWebサイトから購入できる。
今回、PGP日本法人設立には個人的思い入れもある。今日、技術的質問に答えていた製品担当者、ステファン・ショモジー(これまでソモギーと呼んでいた)は個人的友人でもある。
彼はMacユーザーであり(今日のプレゼンもPowerBookだった)、米国ZDNetなどに記事を提供していたジャーナリストでもある。その知識はセキュリティー、Macの技術だけでなく、日本料理やうまい日本酒にまで及んでいる(彼は西海岸で飲めるうまい日本酒という記事も書いたことがあるとか)。
日本法人設立に向けては2年ほど前から動いていて、訪日する度に一晩は一緒に食事をしていたし、築地へも行った。
ある日、ステファンのiChatのステータスが日本の某ホテルになっていた。それから数分後にこのブログにも度々登場する友人、外村さんのステータスにも同じホテル名が表示された。
そこで翌朝、3人で一緒に築地に行くことになった。外村さんとステファンは、いきなり初対面の数分後には一緒にタクシーに乗り築地を目指していた。
なんだか、最近の世の中はいろいろとスピーディーで、新製品の開発からtime-to-marketも短縮されていれば、友人同士が出会ってから友達になるまでもスピーディーだ。
でも、そんな中、PGPの日本法人は非常に慎重かつゆっくりと準備を進めてきた。
Microsoft Exchangeを使う企業比率が極端に少なく、企業でもBeckyなど日本市場限定のシェアウェアのメールクライアントが普及している環境にも万全の体制で答えられるように奮闘してきた。
この努力が実って、日本企業内での「時代の逆行」が止まってくれれば、うれしいと思う。
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発表会で耳に残ったのが、代表取締役、浅井政浩氏の「時代の逆行」というフレーズだ。
最近、個人情報漏洩などの事件が相次ぎ、企業でのパソコン利用の形態は大きく変わってきた。
「漏れると高くつく個人情報はすぐに捨てる」ようになり、情報の漏れ口となりえる「USBポートはふさがれ」、「ノートパソコンは社外持ち出し禁止」になっている。
個人情報廃棄で、松下電器は不幸な事故を起こし売る石油ヒーターの持ち主に連絡ができなくなり、USBポート封鎖で次々と誕生する便利なデジタルビジネスツールの扱いが大変になり、より優れたビジネスポータブル機をつくる技術努力が無駄になっている。
浅井氏は、PGPが「そうした時代の逆行を止めるプラットフォームを提供できれば」と語っていた。
このフレーズが気になったのは私だけではなかったようで、質疑応答でも質問が出た。
PGPが直接提供するソリューションはメールやディスクまるごとの暗号化、例えばノートパソコンが盗まれても、ディスクがまるごと暗号化されているので、盗んだ人は情報にアクセスできない、というもの。
これが完璧な解決策かと問われればそうでないという人もいるだろう。まだまだ抜け道はあり得る。でも、そんなことをいったら、今の企業が採用している不便な企業システムにだって、まだまだいくらでも抜け穴はある。
個人的には、このPGP製品(PGP Universal)を基盤とし、今後より高度な(それでいてユーザーの邪魔にならない)セキュリティーをどこかのサードパーティーがつくってくれるんじゃないか、SPAMメールの新たな対策をつくってくれないかと期待を寄せている。
なお、PGPというと思い入れが深い個人ユーザーも多いと思うが、とりあえず今日発表された日本法人は当面、販売パートナーを通して企業向け製品、PGP Universalの販売に注力する。
個人向けのPGP Desktopは、個人向けのサポート体制などがちゃんとできあがってから販売するとのことだ。
ただし、PGP Desktopのソフトそのものは既に日本語対応になっており、米国PGP社のWebサイトから購入できる。
今回、PGP日本法人設立には個人的思い入れもある。今日、技術的質問に答えていた製品担当者、ステファン・ショモジー(これまでソモギーと呼んでいた)は個人的友人でもある。
彼はMacユーザーであり(今日のプレゼンもPowerBookだった)、米国ZDNetなどに記事を提供していたジャーナリストでもある。その知識はセキュリティー、Macの技術だけでなく、日本料理やうまい日本酒にまで及んでいる(彼は西海岸で飲めるうまい日本酒という記事も書いたことがあるとか)。
日本法人設立に向けては2年ほど前から動いていて、訪日する度に一晩は一緒に食事をしていたし、築地へも行った。
ある日、ステファンのiChatのステータスが日本の某ホテルになっていた。それから数分後にこのブログにも度々登場する友人、外村さんのステータスにも同じホテル名が表示された。
そこで翌朝、3人で一緒に築地に行くことになった。外村さんとステファンは、いきなり初対面の数分後には一緒にタクシーに乗り築地を目指していた。
なんだか、最近の世の中はいろいろとスピーディーで、新製品の開発からtime-to-marketも短縮されていれば、友人同士が出会ってから友達になるまでもスピーディーだ。
でも、そんな中、PGPの日本法人は非常に慎重かつゆっくりと準備を進めてきた。
Microsoft Exchangeを使う企業比率が極端に少なく、企業でもBeckyなど日本市場限定のシェアウェアのメールクライアントが普及している環境にも万全の体制で答えられるように奮闘してきた。
この努力が実って、日本企業内での「時代の逆行」が止まってくれれば、うれしいと思う。
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