今年のキーワード:relevancy
IT業界、今年の一番重要なキーワードは「relevancy」(つまり、自分にとっての関連性、重要性)だと思っています。
(やや直感にそう感じています)。
「インターネットマガジン」最新号向けに取材したYahoo!でも良い検索サービスの条件4つのうちの1つとして「relevancy」を揚げていました。しかし、このキーワードが重要なのは何も汎用の検索サービスだけではないと思います。
例えば最近、RSSリーダー。
これもしばらくチェックしていないと、すぐに未読エントリー数が3桁台になってしまって、とても読む気がなくなってしまいます。
今年はRSSリーダーに登録された全サイト、全未読記事の中から特に自分にとって興味深いエントリー上位10件だけを表示といった機能が追加されてもいいのではないでしょうか。Mac OS Xには、記事の類似性などを検証するツールがちゃんと用意されています。
同様に私を苦しめているメールにしても、これまでは迷惑メールと思われるものをfiltering outしていましたが、これからの時代は自分にとってもっとも重要なメール上位数件だけをfiltering inするアプローチがあってもいいと思っています。
考えてみれば今年リリース予定のTigerで目玉になっているSpotloghtも、このrelevancyを追求する機能と言えるかもしれません。
前からよく書いているのですが、人間が1日に処理できる情報の量にはかぎりがあると思います。
ここ数年のメール急増や、昨年から爆発的に広まったBLOG、SNSで、身の回りの情報量は、我々個人個人が処理できる情報量を軽く上回ってしまった気がします。
人類誕生から1950年頃までの人間の数と、1950年から2000年頃までの総人口って実は同じくらいだそうです(人類の歴史は決してそれほど短くありませんが、農業革命やら産業革命が起きるまではかなり低い数で推移しており、産業革命以後に指数関数的増加が始まったそうです)。
それと同時に、グーテンベルグの時代から印刷されてきた活字の量も、そろそろインターネット上につくられたテキストの量によって陵駕されようとしているのではないでしょうか?(ここいらへんのデーターってどこかにないのかな...)
今後重要になってくる「relevant」な情報追求については水平型と、垂直型の2種類があると思います。
水平型は、横のつながりを発見するためのrelevancyで、実は最近、急速に注目されてきているrelevancy追求です。
例えばbulkfeedsでの検索結果のRSSのようなキーワード単位でのつながりや、trackback、いくつかのBLOGが採用している関連記事の表示機能などです(Sonet BLOGの共感やWebry BLOGのテーマレーダー)。
垂直型というのは自分を軸にしたrelevancyで、上のRSSリーダーやメール、Spotlightがこれにあたります。
これからの発展が望まれるrelevancy追求、relevancy検索の技術です。
自分にとって何がよりrelevanceが高いかは、今がWeekendかWeekdayか、時間は何時頃かによっても変化すると思います。ここいらへんもちゃんと考慮に入れた技術が開発されるといいと思います。
AmazonとかiTunes Music Storeのrecommend機能をもっと進化させたような、それこそ遺伝的アルゴリズムのようなものを駆使してチューニングできるサービスやプログラムがでてきてくれればいいのですが。
なお、このエントリーはnobilog2とCreative Bridgeのクロスポストにさせていただきます
(&近々、英語版をnobilog1にもアップ予定です)
また、今後いくつかの雑誌記事でも同じテーマについて議論してみたいと思っています。