失敗に学べ
未踏海外遠征1日目が終わり、ascii.jpに最初のレポート記事をあげた(ほとんど徹夜だー泣)。
IT再生の「のろし」を上げよ!──シリコンバレーに切り込んだ八人の侍
レポートにある通り、1日目はスタンフォード大学にて、
古川享さん、外村仁さん、そして日本語も流暢なスタンフォード大学工学部のリチャード・ダッシャー博士の講演を聞いた。
どの講演も本当に素晴らしかった。
みんな、バラバラのことをいっているようで、
実は共通している部分をいっている部分もかなり多い。
こちらの記事でも書いたが、同じことを異なる視点で聞き直すのは非常に重要なことだと思っている。
違う視点の意見を1つ聞くたびに、ボヤけたものの輪郭が少しずつ浮かび上がってくる。
今日の話の中で、1つ重要だったのが「失敗」をどう捉えるか。
外村氏が「失敗」をしてもやり直すチャンスがある、という話をしたが、
その後、ダッシャー氏がそれを補足するように、
「それは失敗を受け入れているのではなく、失敗を分析しているからだ」と語っていた。
昨年、参加したFoo Campでは印象に残っているセッションがいくつかあるが、
その1つが「失敗自慢」のセッションだった。
ITニュースサイトを賑わしていた人気のベンチャー、注目ベンチャー達の人々が集まって、
過去のベンチャーでどんな失敗をしたかを語り合い、ホワイトボードに、どういう原因での失敗が多いかの統計がまとめられた。
その模様の一部はこのブログの右側にあるStickamから再生可能なはずなので、誰かやりかたがわかった方は、ぜひ他の人のためにコメント欄に!(時間がないので他力本願)
あれは日経アソシエだったか、やはり雑誌の中程に、有名人が失敗談を語るコーナーがある。好きな記事のひとつだ。
よく考えてみたら、失敗を経験していない人よりも、失敗を経験した人の方が、経験も豊富だし、注意深くなっているし、投資対象としても、信頼がおけそうなものなのに、日本の失敗してしまった悪者が、無情にも殺されるガッチャマンやら仮面ライダーでも見過ぎてしまったのだろうか。
失敗の烙印を押されたものを救済しない。
だから、冒険もしないし、みんながことなかれ主義になるし、どんどん消極的になって殻に閉じこもっていってしまう。
今回の未踏の海外進出は、参加者達だけのためのものではない。
私のレポートや、参加者達のブログを通して、ぜひ、日本にいる他の方々にもライブで、いろいろ感じ、考え、学んで欲しい。
私のブログは、未踏の話かと思っていたら、急にFoo Campの話がでてきたり、話があっちにいったり、こっちにいたり。でも、それが私なりのコンテクストでの理解というものであり、私だからこそ書ける記事だと思っている。
世の中の記事は多かれ少なかれそういうところがあり、純度100%の水というものが存在しないように、純度100%のレポートというものも想像しない。
だからこそ、同じ話のいろいろなバージョンを聞くことによって、世の中の輪郭がつかめてくる。
多様性が大事というのは、要するにそういうことではないだろうか。
失敗を分析する場合も、できる限り、多様な失敗談に耳を傾け学ぶのが理想だ。
そう考えると、Foo Campのあのセッションは素晴らしい場に思えてならない。
「俺はこんな失敗も、こんな失敗も経験した。だから強いんだ」と失敗自慢できるような日本に少しずつ変わっていけばと思う。