郵便局への提案
10月に民営化されるという郵便局だが、ひとつ提案がある:「郵便物の回収」だ。
実はこのことはこれまでにも何度か、いろいろなところで記事にした。
(と、思っていたが、今、発見できたのはboiledeggs.comのこの記事だけだった:
日本人のユーザーエクスペリエンス)
よく映画などで見かけるアメリカの郵便受け。この矢印の先の旗みたいな部分にはなんの意味があるかわかるだろうか?
実はアメリカでは、ここに切手を貼った郵便物を挟んでおくと
配達に来た郵便局の人が、ついでに郵便を回収していってくれるのだ。
アパート、マンションといった集合住宅でも、郵便受けがある場所には、
必ず郵便を出すためのポストも用意されている。
もちろん、町中にも郵便ポストがある(なんと、最近ではLucas Filmと組んでつくられたR2D2型のポストも全米200都市に400本あるそうだ。先日、サンフランシスコで時間切れで写真を撮りに行けなかったのが悔やまれてならない)。
こうした町中ポストは、オフィスで働いていた人が、ランチで出たついでにプライベートの郵便物を出したりとか、そういった使われ方をしていると思う。
住宅街にもあるが、1日に朝夕の2回くらい回収があるのが強みだ。
これに対して自宅の郵便受けのポストは配達時に1日に1回回収があるだけだ。
だが、この自宅からの郵便回収には、ポストまで行かないで済むという以上に重要な意味がある!
それは間違って配達された郵便物の回収だ。
あなたの家に、間違って他の人宛の郵便物が届いたとしたら、あなたはどうするだろう?
1.黙って無視
2.郵便局に届ける
DMの類なら「1」でもOKな気がするが、なんだか大事そうな書類が入っていそうな封筒だと、ほとんどの人が「2」と答えるんじゃなかろうか。
ところが、アメリカの郵便受けのような回収のしくみがないと、受け取った人は、わざわざ配達員のミスのために郵便局に出向くことになる。
日本にこういうシステムがないのは、日本人がきまじめで、仕事が正確で、間違った配達などありえない、という前提に基づいているのかも知れない。
実際、私も「アメリカ人は仕事いい加減だからこういうものが必要」、なんて考えている部分もあった。
しかし、昨年まで6年近く住んでいたマンションに引っ越して状況が変わった。
前のマンションは郵便局の本局から数十メートルのところだったが、郵便の誤配達がやたらと多かった。
私は2丁目なのに、3丁目に住んでいる「林さん」宛の郵便物が毎週のように届くのだ。
かなり大事そうなものも混じっている。
事態を解決したいこともあり(そしてそちらの方が近いこともあり)誤配達された郵便を郵便局に届けるのだが、届けた郵便物が再び私のマンションに舞い戻ったことも数回あった。
その後、4〜5回行って事情を説明してもラチがあかず。
(今の時代、ちょっと怖いと思いつつ)郵便受けに家族全員の名前を書き出しても効果なし。
1〜2度は、「同じ件でこちらに来るのはこれが初めでではない。責任者の人を呼んで欲しい」とかけあったこともあった。
そうすると、自称「責任者」の人が出てきて、ペコペコ謝る。
こちらは別に謝ってもらいたいわけではなく問題を解決したいだけなんだけれど、
日本だとよくありがちなパターンだ。
クレーマー対策でとにかく下手、下手で謝り倒して、話を煙に巻き相手の機嫌を損ねないように、
なんの解決策とか改善案の提示もない(こちらの方がむしろ私の機嫌を損なうのだが)。
「いや、謝って欲しいのではなく。問題の原因をつきとめて解決して欲しいのですが、どうして同じ間違いが頻発するのか原因はわかりますか?」と聞いても、
「とにかく2度と起きないようにしますので」の一点張り。
「怒っていることもあるけれど、それ以上に私宛の郵便物が先方に届いていないか不安で、事態を解決して欲しい」といっても、
「とにかく2度と起きないようにしますので」でぜんぜん話が本質の部分にたどり着かず、事態が解決しそうな気がしてこない。
実際、予感的中で1ヶ月ほどは間違えがなくなったけれど、その後、再び再発である。
なんか、日々、ニュースで見ている日本のさまざまなニュースの縮図を見ているようでやるせない気がしてきた。
少なくともアメリカに留学中くらいまでは「先進国」だと思いこんでいた日本の実態にガッカリするばかりだ。
さて、その後、今年のはじめに実家の近くのマンションに引っ越したはいいが、引っ越してきてから大家さんに、「実は前に同じ部屋にいた人も林さんだった」と聞いた。
「それって、もしかして...」と不安に思っていたが、予感的中の日々だ。
郵便配達員のミスがある度に、「もしかして、これってわざわざ郵便局に持って行かなければならないの?」とい日々を送っている。
(もしかしたら、電話かけて呼び出せば来るのかな?実はその方が効果がある?と書いていて思いついた)。
前のマンションにいた当時は「小泉内閣が郵政民営化」を推し進めようとして、(本局の近くだったので)それに反対する人たちの声が聞こえてくることもあったがけれど、その声もむなしくしか聞こえなかった。
しかし、今や民営化は2ヶ月後の現実。これから郵便局が生き残っていくためには自浄努力も改善努力も必須になる。
そんな郵便局に冒頭の提案だ。
もし、郵便配達時の郵便回収をするようになれば「ゆうびん」は、しばらくもっとも身近な郵送手段の座を保てるだろう。
何しろ宅急便などの他のサービスのように、わざわざ電話をかける必要もなく、朝、出がけにポンっと郵便受けの上に送りたい手紙を置いておけばそれでいいのだから。
過疎地でどうするのか、職員数は足りているのかなど、いろいろ議論の余地もあるかも知れないけれど、今のサービスとしての信頼度の低さ(私だけ!?)から考えても、ユーザーの利便性を考えても、他社に対する強みを築く上でも、make senseすると思うのだが、どうだろう?
実はこのことはこれまでにも何度か、いろいろなところで記事にした。
(と、思っていたが、今、発見できたのはboiledeggs.comのこの記事だけだった:
日本人のユーザーエクスペリエンス)
よく映画などで見かけるアメリカの郵便受け。この矢印の先の旗みたいな部分にはなんの意味があるかわかるだろうか?
実はアメリカでは、ここに切手を貼った郵便物を挟んでおくと
配達に来た郵便局の人が、ついでに郵便を回収していってくれるのだ。
アパート、マンションといった集合住宅でも、郵便受けがある場所には、
必ず郵便を出すためのポストも用意されている。
もちろん、町中にも郵便ポストがある(なんと、最近ではLucas Filmと組んでつくられたR2D2型のポストも全米200都市に400本あるそうだ。先日、サンフランシスコで時間切れで写真を撮りに行けなかったのが悔やまれてならない)。
こうした町中ポストは、オフィスで働いていた人が、ランチで出たついでにプライベートの郵便物を出したりとか、そういった使われ方をしていると思う。
住宅街にもあるが、1日に朝夕の2回くらい回収があるのが強みだ。
これに対して自宅の郵便受けのポストは配達時に1日に1回回収があるだけだ。
だが、この自宅からの郵便回収には、ポストまで行かないで済むという以上に重要な意味がある!
それは間違って配達された郵便物の回収だ。
あなたの家に、間違って他の人宛の郵便物が届いたとしたら、あなたはどうするだろう?
1.黙って無視
2.郵便局に届ける
DMの類なら「1」でもOKな気がするが、なんだか大事そうな書類が入っていそうな封筒だと、ほとんどの人が「2」と答えるんじゃなかろうか。
ところが、アメリカの郵便受けのような回収のしくみがないと、受け取った人は、わざわざ配達員のミスのために郵便局に出向くことになる。
日本にこういうシステムがないのは、日本人がきまじめで、仕事が正確で、間違った配達などありえない、という前提に基づいているのかも知れない。
実際、私も「アメリカ人は仕事いい加減だからこういうものが必要」、なんて考えている部分もあった。
しかし、昨年まで6年近く住んでいたマンションに引っ越して状況が変わった。
前のマンションは郵便局の本局から数十メートルのところだったが、郵便の誤配達がやたらと多かった。
私は2丁目なのに、3丁目に住んでいる「林さん」宛の郵便物が毎週のように届くのだ。
かなり大事そうなものも混じっている。
事態を解決したいこともあり(そしてそちらの方が近いこともあり)誤配達された郵便を郵便局に届けるのだが、届けた郵便物が再び私のマンションに舞い戻ったことも数回あった。
その後、4〜5回行って事情を説明してもラチがあかず。
(今の時代、ちょっと怖いと思いつつ)郵便受けに家族全員の名前を書き出しても効果なし。
1〜2度は、「同じ件でこちらに来るのはこれが初めでではない。責任者の人を呼んで欲しい」とかけあったこともあった。
そうすると、自称「責任者」の人が出てきて、ペコペコ謝る。
こちらは別に謝ってもらいたいわけではなく問題を解決したいだけなんだけれど、
日本だとよくありがちなパターンだ。
クレーマー対策でとにかく下手、下手で謝り倒して、話を煙に巻き相手の機嫌を損ねないように、
なんの解決策とか改善案の提示もない(こちらの方がむしろ私の機嫌を損なうのだが)。
「いや、謝って欲しいのではなく。問題の原因をつきとめて解決して欲しいのですが、どうして同じ間違いが頻発するのか原因はわかりますか?」と聞いても、
「とにかく2度と起きないようにしますので」の一点張り。
「怒っていることもあるけれど、それ以上に私宛の郵便物が先方に届いていないか不安で、事態を解決して欲しい」といっても、
「とにかく2度と起きないようにしますので」でぜんぜん話が本質の部分にたどり着かず、事態が解決しそうな気がしてこない。
実際、予感的中で1ヶ月ほどは間違えがなくなったけれど、その後、再び再発である。
なんか、日々、ニュースで見ている日本のさまざまなニュースの縮図を見ているようでやるせない気がしてきた。
少なくともアメリカに留学中くらいまでは「先進国」だと思いこんでいた日本の実態にガッカリするばかりだ。
さて、その後、今年のはじめに実家の近くのマンションに引っ越したはいいが、引っ越してきてから大家さんに、「実は前に同じ部屋にいた人も林さんだった」と聞いた。
「それって、もしかして...」と不安に思っていたが、予感的中の日々だ。
郵便配達員のミスがある度に、「もしかして、これってわざわざ郵便局に持って行かなければならないの?」とい日々を送っている。
(もしかしたら、電話かけて呼び出せば来るのかな?実はその方が効果がある?と書いていて思いついた)。
前のマンションにいた当時は「小泉内閣が郵政民営化」を推し進めようとして、(本局の近くだったので)それに反対する人たちの声が聞こえてくることもあったがけれど、その声もむなしくしか聞こえなかった。
しかし、今や民営化は2ヶ月後の現実。これから郵便局が生き残っていくためには自浄努力も改善努力も必須になる。
そんな郵便局に冒頭の提案だ。
もし、郵便配達時の郵便回収をするようになれば「ゆうびん」は、しばらくもっとも身近な郵送手段の座を保てるだろう。
何しろ宅急便などの他のサービスのように、わざわざ電話をかける必要もなく、朝、出がけにポンっと郵便受けの上に送りたい手紙を置いておけばそれでいいのだから。
過疎地でどうするのか、職員数は足りているのかなど、いろいろ議論の余地もあるかも知れないけれど、今のサービスとしての信頼度の低さ(私だけ!?)から考えても、ユーザーの利便性を考えても、他社に対する強みを築く上でも、make senseすると思うのだが、どうだろう?