甘かった...(復旧したら即バックアップ)
しかし、それ以来、忙しかったし、そのディスクのことを考えると憂鬱なので、そのHDDのことは極力忘れ、元気があるときに、ゆっくり、一歩一歩、復旧を進めて行こうと思った。
数週間前、ちょっと余裕があった時に、Disk Warriorを購入した。
でも、万が一だめだった場合、復旧作業が泥沼化(=時間や労力が大量にかかる)を考えて、すぐには復旧作業にとりかからずにいた。
昨晩、ついに問題のHDDをiMacにつなげ、Disk Warriorをかけてみた。
問題のハードディスクのボリューム名(ディスクラベルの名前)が、久々にMacの画面に表示された。
そこから「Rebuild」というボタンをクリックして復旧作業を開始。
十数分ほど待っただろうか「外部記憶装置の接続を突然、解除した可能性があります」といった内容のFinderエラーが表示され、一瞬、冷や汗をかくが、その後、無事診断結果が表示され、「Preview」ボタンを押すと、クラッシュした直前のハードディスクが表示され、その後、別のボタンを押して復旧が完了した。
「なんだ、こんな簡単に済むんなら、もっと早くやればよかった」
だが、喜び勇んで、新しいマシンに一部のデーターをコピーしていたところ事件は起きた。
カーネルパニック!
旧Mac OSでいうところのシステムクラッシュ。Macがまったく操作できない状態になり、やむを得ずiMacを強制再起動した。
コピー作業を続けようと再起動したiMacのデスクトップに、復旧したはずのディスクは表示されなかった。
「それじゃあ、もう1回」とDisk Warriorをかけるも、今度はエラーが出てうまくいかない。
今、Macを「Disk Warrior」のCD-ROMから起動した状態で、Disk Warriorをかけ直している。
復旧を祈るばかり。
幾度ものHDDクラッシュを経験してきた私としては、HDDが復旧し、マウントしたら、
1.その場ですぐにデーターの完全バックアップ
2.問題のあったハードディスクを再フォーマット
3.バックアップデーターを戻す
というのが「絶対の掟」だ。
しかし、今回はこれを怠り、バックアップもしないまま、HDDを運用し、この事態に陥った。
自らつくった「掟」の重要さを、多大な犠牲とともに痛切に思い知らされた一日だ。
(とはいえ、掟の実行にはそれなりの時間と労力、そして何よりも大容量の空きスペースが必要だし、ゴールデンウィークの最後の1日くらい、ちょっとくらい許して欲しかった...)
今回はデーターのコピー中にカーネルパニックに見舞われたのだから、ある意味、バックアップすらしようがなかった!?と言って自分を慰めているが、この考え方も間違いだ。
詳細は後述するが、Disk Warriorならプレビューをした段階でバックアップをするべきだった。
というのもこの「プレビュー状態」ではHDDがread only(読み込みonly)になっており、誤操作でHDDの状態を悪化させる可能性も少ないから。万が一、今回のようなカーネルパニックに見舞われても、初めてDisk Warriorをかけるときと同じ条件でかけられた可能性が高い(つまり、再度復旧できた可能性が高い)。
このエントリーはもちろん、未来の自分自身と、その他のディスク復旧中の方への警告&アドバイスのつもりで書いている。とにかく、復旧ボリュームが見えたら、 ディスクのクラッシュは再発するものと考えて、(無駄になるかもしれないが)1にも2にもバックアップするべきだろう。
13:33時点で、私自身の勝負は、勝ち負けで言えば、負けに近い状態ですが、それでもやはりDisk Warriorはお勧めだ。
[13:35/診断完了。やはり、何かハード的問題もあってかディレクトリーの入れ替えができない...ショック!一度、電源を完全に落として、試し直してみよう]
Disk WarriorをつくるAlSoft社はテキサス州スプリング市にあるMac関係のベンダーだ。
私自身テキサス州に住んでいたことがあり、ということでも親近感を持っていたが、ここは昔から非常に技術力があったソフト会社だ。
最初の出会いはDisk Expressというハードディスク最適化ツールだった。
これはいわゆるディスクのデフラグツール。ハードディスクは使い込んで行くうちにファイルの断片化という現象が起きてしまう。例えば300MBのファイルを保存しようとしても、ディスクのそこかしこにファイルが散乱していて、200MB以上のまとまった空きスペースがない場合、パソコンOSは、300MBのファイルを200MBと100MBにわけて書き込んだりしている。これが断片化で、これが増えてくると、1つのファイルを読み込むのに、ハードディスクのヘッドが1つの場所から別の場所へジャンプしなければならないため、読み込み(書き込みも)が遅くなる(*1)。
今やほとんど覚えている人がいないSymantec Utility for Mac II(SUM II)のSpeedDiskにしても、Nortonにしても、DiskExpressの前にもたくさんの最適化ツールはあった。しかし、それらはただ、空きスペースをうまくやりくりして、断片化しているファイルをくっつけるだけだった。
これに対してDisk Express IIは、どこがすごいかというと、Macの利用状況を監視して、最適化をしていることだ。
Disk Express IIはコントロールパネル(常駐型)ファイルで、Macの起動中常にユーザーがどのファイルを使ったかの記録を取っている。そして、ユーザーがMacを使っていない間、この統計データをもとに、よく使うソフトはアクセス速度が速いディスクの円盤の外側に、あまり使わないソフトはアクセスが遅い円盤の内側に自動的に配置し直していく、ということをやっていた。
あまりにすごいことをやっているので嫌う人も多かった。実際、私も買うだけ買って、OFFにしていることが多かったけれど、なんだか技術的にはとっても感心してしいた。
そのAl Softが発売するDisk Warriorも、非常にいいポイントをついたソフトだ。ハードディスククラッシュの原因の大半はディレクトリーという部分の破損にある。ディレクトリーとは、その名の通り、どのファイルがどこにあるかを指し示したもの。
ディスク上のデーターは実質的にはえんえんとつづく1と0の羅列なので、どこが始めなのかがわからないと、ファイルとして認識することすらできない。
実は「ゴミ箱を空にする」という操作は(MacでもWindowsでも)、消したいファイルの情報をディレクトリーから消しているだけのこと。これだけでファイルはアクセスできなくなってしまう。
Disk Warriorは、その他の原因によるクラッシュのことは忘れて、このディレクトリー問題の解決だけに専念したソフトで、ディスクの中を完全にスキャンし、ファイルがありそうな場所を診断。それを元に、より最適化されパフォーマンスがいいディレクトリー情報を1からつくりなおしてしまう、というソフトだ。
プレビューと言うボタンを押すと、DiskWarriorがつくったディレクトリー情報を使って、そのディスクをマウントすることができ、中を確認した上、「OK」なら、新しいディレクトリー情報で、古い破損したディレクトリー情報を置き換えてしまう。
ちょっと乱暴なようでもあるが、復旧率はそれなりに高い。
Norton系ツールのMac版の開発が中止した今、
ディスクウォーリア 3.0は、Disk UtilityのFirst Aidではなおらないハードディスクトラブル解消にお勧めの1本だと思う。
もっとも、ディスク診断ツールは宗教のようなもの。
ディスククラッシュの原因は一通りじゃないし、それをすべて予想するなんて、そもそも不可能だ。
診断ツールは、もっとも起きやすいトラブルを想定して、問題が想定内だった場合に対処しているだけにすぎない。
Disk Warriorは、「問題はディレクトリーにある」と、その想定範囲を重いっきり絞り込んで、その範囲では絶品のいい仕事ぶりをしているソフトだが、それ以外の問題に関しては一切感知しない、潔さが気に入っている。
しかし、使い始める前にユーザーの側で、問題がディレクトリにあると診断しなければならないので、実は中上級者向けかもしれない。
問題がディレクトリーにあるかどうか判断がつかない人は、アップル社がAppleCare Protection Plan用の標準ソフトとしても選んだTechTool Pro 4がよさそうだ。
そんなことを書いている間に14:18分。
診断結果が出た。ディレクトリーの再構築はできたけれど、Mac OS Xのサービスの問題で、新しいディレクトリーへの入れ替えができないというエラー。Disk WarriorのCD-ROMから起動して試してほしいと表示されるが、実は既にCD-ROMから起動中だ。なんらかのハード的トラブルかもしれない...
やはり、長引いてしまった...
あと、やるべきは他のマシンで同じことを試すことだが、これはまた長引きそうだ。仕事もたまっているし、しばらくまたこのHDDを封印するべきなのかもしれない....ショック
(あるいは、ディレクトリー以外の問題なので、TechToolも試すべきか...?でも、なんかそういう問題じゃなさそうだ)。
*1)ハードディスク復旧の最後の手段、Norton Utilityの「Norton Recover」や「Data Rescue」というソフトをかけると、この断片化した情報を断片化したまま復旧する(Data Rescueはちょっとはまとめ直してくれていたかもしれない。未確認。)。このため、例えば長い断片化した原稿ファイルであれば、その原稿の途中まで、という状態で復旧することもありえる。
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