来るかMVNOの時代?
MVNOとはMobile Virtual Network Operatorーー自分では設備を持たずに、既にある携帯キャリアのネットワーク設備を借り受けて携帯事業を行う、というビジネスモデルだ。
例えばDDI Pocket(現ウィルコム)のネットワーク設備を使って、定額制通信専用PHS端末などを販売している日本通信などはその代表例と言える。
日本通信のb-mobile端末はおもしろいし、それなりに魅力があるとは思う。
その一方で、MVNOって果たして本当になり立つんだろうかと疑問に思っているところもあった。
そんな私がMVNOの魅力に一気に目覚めさせたのは、
BREW 2005 Conferenceで知った、「Amp'd Mobile」というサービス。
ヤングアダルト層をターゲットにして、この層が好きな映画とかの世界観を生かす、というまったく斬新な発想の携帯電話事業だ。
そもそもホームページからして、こんな感じで、とにかくかっこいい:
http://www.ampd.com/
独自コンテンツもいっぱい提供する予定で、内容はライブ音楽やスポーツのストリーミング放送などを多数用意ーーそうコンテンツもターゲット層の好みに思いっきり合わせている。
おまけに、スポーツ系ストリーミング放送番組を収録するスタジオやら、取材中継用のVANまで、この世界観を貫いていてすごい。
もちろん、この世代のあたらし物好きIT系ビジネスマンが仕事でも役立てるようにBluetooth通信をはじめとするパソコンとの連携、接続性にも力を入れるという。
1つの世界観を貫ぬくために、おそらく端末のデザインや仕様もある程度、キャリア主導で決まっているが、こういうコンセプトであれば、それも仕方がないという気がする。
もっとも、完全なキャリア主導ではなくて、携帯電話の画面の世界を描き出しているのはBREWという世界的規模で展開されているOS(のようなもの)、つまり、Amp'd Mobile用アプリケーションとかの開発も比較的簡単にできるし、少なくともクローズドなプラットフォームではない。
今のほとんどの携帯電話は、1台でありとあらゆる層に答えようというところがある。
しかし、もしかしたら、そういったものを削ってでも自分が臨むのに近い仕様を目指してくれそうーーAmp'dの端末にはそんな期待が持てる。
少なくともMVNOって、そんなにすごいのか?と思っていた私の頭は「なるほど、そういう切り口なら確かにいけるかも」と切り替わった(日本通信を知った時にも「これはおもしろい!」と思ったけれど、やはり、視覚的なインパクトはAmp'dがすごかった!?)
そういえば、数年前、このAmp'd Mobileと同じくらい衝撃的な携帯電話の存在を知った。
端末1台が100〜200万円の英Vertu社だ。
富裕層だけをターゲットにしたユニークな電話メーカーだ。
端末はレザーや貴金属やら新素材のリキッドメタルを使い、最高級の職人仕事のフィニッシュを施してある。
端末の側面に「コンシェルジュ」ボタンがついていて、これを押すとコンシェルジュがNYのシアターのチケットからコートダジュール近くのヨットの停泊所の手配までなんでもやってくれる(この2例は私のイメージによる想像)。
派手な広告は一切売っていないけれど、口コミだけでそれなりに売れているようで、オーナー達のためのサロンも用意されているーーもっとも、今のホームページはちょっとかっこわるいですね。昔、vertu.co.ukだった頃の方が高級感が漂っていました。
Vertuについては、ネットワークインフラについて、あまり詳細なことがどこにも書かれていないけれど、たしかVodafoneのインフラを使っていたと、どこかで聞いた(イギリス本社の広報の方に電話をかけた時もVodafoneの留守電サービスが出た)。
ということは、これもMVNOの一種か?
日本でもテクノロジー主導のMVNOもあっていいと思うけれど、ジェネレーションやジェンダー、趣味趣向を絞り込んだ事業にもぜひ登場して欲しいところ。
関係ないけれど、千本さんと以前、名刺交換をした時、私の名刺をしげしげと見つめるので、何かと思ったら電話業界の先輩で、千本さんが師匠とあがめる人が、私と同じ「信行」という名前で、字もまったく同じだとか。いったい、なんて言う人か、「電話」、「信行」で調べてみたがわからず....
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