Androidいよいよ国内発表で、iPhoneは第2ステージへ

forever

明日にもNTTドコモからAndroid端末が発表されることはもはや公然の秘密となっている。
それに先駆けてどうしてもブログを更新したくなった。

中にはAndroidが出たから、もうiPhoneは終わり、といった
やや短絡的な議論を持ち出す人がいそうな気がしたからだ。

もちろん、事実はその逆で、国内版Androidの登場こそがiPhone第2ステージの始まりに他ならない。

もはや、世界的携帯メーカー、Nokiaが撤退したことで、
ますます海外の携帯電話市場との違いが大きくなった日本の携帯電話市場だが、
世界のスマートフォンでスタンダードとなりつつあるWebKitを搭載したiPhone以外の
スマートフォンが、ようやく日本市場に復活したのだ。

webkit.090

Androidは、iPhone同様に、少し前のパソコン並みの性能と表現力を持ちつつ、
携帯電話ならではのポケットに収まる携帯性の高さや、カメラ、GPS、常時接続機能を備えたスマートフォン。
もっとも、一口にスマートフォントと言っても、iPhoneより前のスマートフォンと、
iPhone以降のスマートフォンでは、できることも、使われ方もぜんぜん違う。
そこでアメリカの多くのメディアや筆者は、iPhone以降のスマートフォンを総称して
「ITphone」などと呼んでいる。

まもなく国内で発売されそうなAndroid機は、そのITphoneの記念すべき2号機なのだ。
ただし、Androidは、まだ発売が始まったばかり、実機を見ないでいうのもなんだが、
日本で本格的に花開くには、もう少し時間がかかると思う。

その一方で、既に東京の電車では、空いている時間でも1車両に2〜3人はみかけるようになった
ITphone1号機「iPhone」は、既に次のステージに進み始めている。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年05月18日 | Permalink

iPhone版Skype登場でマクドナルドに外国人溢れる

{UPDATE: なぜかタイトルだけ「外人」になっていたので、「外国人」に直しました}
@McDonald's

3月31日、ついにiPhone版Skypeが登場した。
テキストチャットはもちろん、公衆無線LAN経由であれば音声通話もできる素晴らしいできだ。

これは、この春、もっとも画期的な事件の1つかもしれない。
さっそく、そのことに気がついた日本長期滞在の外国人労働者の方々。
iPhoneユーザーなら無料で使える、マクドナルドのBB Mobileの公衆無線LANを使って、母国に電話をかけまくりのようで、渋谷のマクドナルドは普段みかけない客層で溢れかえっていた。

というのは、エイプリルフールのジョークだが、
これまで、成田空港にいくと見かけていた、日本長期滞在者向けの国際電話用テレホンカードも、iPhoneを買えば不要になるかもしれない(日本に2年以上いる人なら「iPhone for everbody.」キャンペーンでiPhone本体は0円で入手できる。毎月の国際電話代を考えたら、月額料金も問題にならないはずだ)。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年04月01日 | Permalink

3〜4月の講演:東京、名古屋、長崎

apple computer japan admission

ちょっとだけ自分が講演をするイベントの宣伝を。
(といっても、ギリギリ過ぎて、あまり宣伝の役目を果たしていませんが...)

1つ目は来週31日(火):

スマートフォンが拓くパブリッシングの未来



NPO法人 JPC-日本パブリッシング協会の定例セミナーで、
会場はアップルジャパン(株)セミナールーム。
私は13:30から「スマートフォンが斬り開く電子出版の新しい展望」というタイトルで基調講演を行い。
その後、15:15からパネルディスカッションに参加します。

基調講演では、iPhoneが実は日本でも大躍進を続けていることをいくつか具体的数字を絡めて紹介する他、iPhoneが社会のしくみをどのように変えつつあるのかの紹介。そして最後は本セミナーのテーマでもある電子出版の世界に与える影響を事例を交えて紹介する予定です。

今のところ、どのくらい申し込みがあるかは聞いていませんが、まだ受け付けているようなので
興味のある方は是非、ご参加ください。JPCは、今夏、惜しまれつつも解散するので、
JPCの方々に会うのが目的の方も、ぜひ、この機会に!
(JPC会員無料/一般5,000円)

Apple Store Nagoya Sakae

2つ目は、4月4日(土)で場所は名古屋
14時からApple Store Nagoya Sakaeで開催の

世界に飛び出す日本のiPhone Appクリエイター

”で、
他のiPhoneアプリケーション開発者の方々と一緒にプレゼンを行います。

詳細はApple Store Nagoya Sakaeのページにも掲載されています:
http://www.apple.com/jp/retail/nagoyasakae/

ちなみに、その後、さらに
16:30から東海及び関西地区のiPhoneアプリ開発に興味がある方のための集会をやります。

IT ジャーナリスト林信行氏を中心に iPhone App 開発者のクロストーク
売れ筋 iPhone App 開発の極意とプロモーションとは・・iPhone OS3.0 は・・

といったイベントで、21世紀のゴールドラッシュとも言われるiPhoneアプリ開発について、
iPhone開発者の方々がクロストークを行われます(そこに私も参加)

開催時間: 16:30 より 約1時間+その後 18:00からネットワーキングパーティー
場所:名古屋市中区栄

こちらは定員25名ほどで事前申し込みが必要です。
定員が限られているので、
ぜひ参加したいという熱意のある方は「iPhone Developer Japan Group」などで情報を探ってみてください。
もしかしたら、現地のiPhone開発者同士のネットワークをつくる上でも、いい機会になるかもしれませんよ!

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AUGM長崎


名古屋から1週間後、
4月11日には長崎の佐世保で開催される「AUGM 長崎」で講演をする予定です。

募集をかけたところ38時間で定員オーバー。あまりにキャンセル待ちの人が多いので、急遽、2倍以上広い会場を手配したという曰く付きのイベントです。
残念ながら広い方の会場も、キャンセル待ちの方だけでかなり埋まっているようなので、
申し込みをされる方は急いでください。

アドビさん、マイクロソフトさん、トリニティーさん、イーフロンティアなど、プレゼンターは多彩。
それに毎回、最後に行うじゃんけん大会の商品が豪華で、ほぼ1人最低でも1個は確実にもらえるほど潤沢にあります。

ちなみに、私は、その翌週からはミラノとパリに取材に行ってきます。
5月はAUGM沖縄と某大学院で講演。6月はようやくスケジュールが発表されたWWDC取材の後に某大学院にてパネルディスカッション予定です。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年03月27日 | Permalink

セカイカメラ in action

初日は撮り忘れたセカイカメラの動画を今日撮ってきました。
こんな感じです。



PlaceEngineを使った場所のスキャンは5秒に1回くらい、ということなんですが、
それなりに自然に動いていた印象です。
また空中に漂っているエアタグの写真は、実は半透明なので、向こう側が透けて見えます。



ついでにもう1つ...

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年02月19日 | Permalink

セカイカメラ、世界デビュー

Sekai Camera World Premiere

ついに世界デビューを果たした「セカイカメラ」、2日前にTechCrunchのSerkan Totoと一緒に取材をして、すぐにブログに記事を書くはずが、古川享さんからのメールで予定変更に...

家路への電車を途中で進路変更し、六本木ヒルズへ「未踏プロジェクト」の成果発表会を聞きにいくことになりました。こちらでもセカイカメラに負けないくらい、世界を変えるかもしれない、新しい文化を生み出すかもしれない素晴らしい成果がいくつか発表されていて面白かったです(後述します)。

でも、まずは「セカイカメラ」、(現実)世界デビューの紹介から。
「Rooms」という招待制のファッションイベントでSoftbank Telecomのバックアップの下、
華々しくデビューした「セカイカメラ」の様子は、既にテレビニュースでも報道されているので(YouTubeで検索してみてください)、
そちらを見た人も大勢いるかもしれない。

どんなものか知らない人は、百聞は一見に如かずで、まずはモノを見てもらうのが早いので、こちらのビデオを見て欲しい:


iPhoneのカメラを通して周囲の世界を見渡すと、そこに他の人が書いた書き置きのコメントや記念写真、音声のメッセージなどがエアタグとして表示される。
そんな夢のシステムだ。

TechCrunch 50で発表された当初は、多くの賞賛を浴びる一方で、
今のiPhoneでそんなものができるわけがない、といった批判もたくさん浴びせられた。
しかし、世の中、どんなことも「できない」と言ってしまえば、そこでおしまいだ。

「やりたい」と「どうやったら、できそうか」をうまくつなぎあわせて、初めてイノベーションが生まれる。

2001年に最初のMac OS Xが出たときも、「ひどいOS、これでMacはオシマイだ」だとか、
散々、酷評されたが、結果としてそのMac OS Xが、新しい開発コミュニティーをMacに取り込み、Macを復活させ、iPhoneまで誕生させることになる。

誰かが会議室で「不可能」といったからやめてしまうのでは、一介のコンピューターメーカーであるアップル社が音楽販売ビジネスに乗り出す、といったこともなかっただろう。しかし、アップルは「不可能」とは考えずに、「どうやったら可能になるか」を考えた。だからこそ、今、米国でもっとも多くの楽曲を売っているNo.1の音楽販売会社になりえたのだ。

今の日本は、私と同年代の中間管理職が、ただ議事録に「会議に出席しました」という記録を残すためだけにいっているような考えのない寸評や匿名掲示板やユーザー名の影に隠れてブックマークに書き残される、安全な場所からの一切の責任を取らない論評攻撃によって殺されている気がしてならないので、つい脱線してしまった。

Sekai Camera World Premiere

 さて、Roomsというファッション系イベントでデビューしたセカイカメラの最初のバージョンは、
VAIO type Pなどでも採用されている、「PlaceEngine」の技術を使って半径5メートルほどの精度で位置を特定し、その位置に関係するエアタグを、(iPhoneに電子コンパス機能がないので)まずは方位無関係で表示し、向きは指でフリック操作をして手動で合わせる、というシンプルなしくみ。
(その代わり、向き合わせ用のランドマークをたくさん登録した、ランドマークレイヤーを用意しようとしているようだ)

開発者のトンチ・ドット、井口氏も、決してこれで満足しているわけではなく、「今回、見せたセカイカメラでは、まだ本格的にやりたいことの3%しか実現していない」ことや、「Android上で動いている試作版は、電子コンパスを使って位置合わせもちゃんとできていること」を語っていた。

まもなく、暖かくなる頃までに最初のバージョンがリリースされれば、
それがきっかけで、新たな問題点も発見されれば、「こんなこともやりたい」という新たな目標もでてくるはずだ。
そうやって、まずはモノを出しては、さらにそこから開発が進む。
これこそがWeb 2.0時代の開発の特徴でもある「Perpetual Beta(永遠のベータ)」の基本コンセプトであり「セカイカメラ」も、まさにそれを実践してくつもりだという。




ちなみに、日本ではiPhoneコミュニティーにしか知られていなかったセカイカメラだが、
フランスではTwitterなどと並んで「NetExplorateur 10 2009(世界を変革する10のインターネット技術)」の1つに選ばれている(ちなみにTwitterが、どれほど革新的なものに変わったかについても、別の機会に紹介したいが、私のブログの更新ペースが遅くて、待てない人は、こちらの記事を参照して欲しい)。

さて、未踏の成果発表についても簡単に書こう(あと1時間で外出。明日は講演、月曜日も講演、週末は、書き物の仕事があるので、またしばらく更新が止まりそうだ):

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2009年02月19日 | Permalink