iPhoneの魅力をいかに伝えるか

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今日は、おそらく今年でも一番の「iPhone関連記事」のラッシュ日。

インタビューを受けたr25.jpの記事も今日アップされた:
r25: 日本製ケータイにはなかった価値がある!?
ついにiPhoneが日本でも発売!でもナゼみんな騒いでるの?

他にも、なんか、まだいくつかあったように思う...(ナンダッケ...?)

そんなiPhone記事の大量発生のピーク、'08.07.11が、
ちょうどMacTopiaの隔週連載、Apple's Eyeの更新の日だった。

iPhoneの魅力を普通に通り一遍の機能で紹介とすると、
どれもそれなりに似たものになってしまう。
どうしたら人々が大量のiPhone記事にさらされているその日に、
他とは違った「楽しさ」や「気づき」を与えられるか?

悩んだ結果、「ストーリー」に頼ってみることにした。
これには理由がある。
iPhone seminar

iPhoneどころか、iPodの登場後、何度も行ってきた講演の中で、
よくテーマにするのが、21世紀に入ってから最大の消費行動の変化についての話し。

私は'90年代まではスペックシートの文化だったと考えている。
人々は量販店にいって、気になる競合製品のカタログをもらってきて、
それらを並べてスペックシートで機能を比べる。
「このソフトには、この機能がある。こっちにはない....」
これは家電製品だけでなく、パソコンのソフトにおいてもそうだった。

決められたフォーマットの中で製品を紹介する雑誌レビューも
'90年代は、こうしたニーズに応えるべく、ただの機能紹介に変貌していった。
(でも、機能が知りたければ公式ページの情報や、マニュアルダウンロードをした方がいい!)

これが21世紀に入ると、2001.9.11当たりからブログが広がり、SNSも登場。
これがごく普通のコンシューマーにもつかわれるようになると、
そのブログの中で、スペックシートには載らないちょっとした評価
「この操作感が気持ちがいい!」、「この機能のためだけに買う!」
「ガッカリ」、「こういう人にはお勧めできません」。

そして'90年代に、何度も買い物で失敗を重ねたコンシューマー達が、
ただ「機能がついている」ということと、
それを「実際に使う」ということとは別問題だと、身にしみて感じ始めていた。

我々は気がつかないうちに、機能の「量」よりも「質」を求めるように「体質変化」していたのだ。
この「体質変化」を一番、最初に気づかせてくれたのは、iPodの予想を上回る成功だろう。
今、iPhoneがこれを決定的なものにしようとしている。

さて、本題に戻ろう。
iPhoneの魅力をいかに伝えるか。

iPhoneの魅力は、機能の「量」ではなく、「質」である。
それも1つ1つの機能の「質」の総和ではなく
全体としての圧倒的な洗練の度合いだ。

Spiderのインタビューで、久夛良木さんがSpiderはエクスペリエンスだと言ったけれど、
これはiPhoneにも当てはまる。

iPhoneの素晴らしさは、それを自分で触ってみる「体験」の中にこそある。

iPhoneの魅力を、できるだけリアルに知ってもらうには、
読者に、この体験を共有してもらう、記事上で追体験してもらうのが一番だと思った。

そこで平野 日出木さん、お勧めの「物語力」を頼ることにしてみた。

まったく新しい試みで、どれほど共感がえられるかわからない。

やたらと古くさい登場人物の名前や、
ちょっと不自然なシチュエーションはあまり共感できないかもしれない。
稚拙な文章は、読むに耐えないかもしれない。

それでも、我慢して読んでもらって、なんらかの「気づき」があったか、
感想を教えてもらえれば、次からの記事づくりに役立てられるかもしれない。

というわけで、
よければ今回のApple's Eye、ぜひお読みください:


'08年7月25日以降は、リンクがこちらになります。

なお、わかる人には、わかりますが。タイトルは、もちろん、映画「Paris, Je t'aime」へのオマージュです。あの映画、同様のオムニバス形式で、とりあえずどれか1つくらいのストーリーにはひっかかりを持てる確率を高めてみました。


参考文献:
私の考える「機能の質 vs 量」という話しを
「機能価値」、「使用価値」という言葉で
とりあげています。それ以外にも読みどころ満載。

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投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年07月11日 | Permalink

  • Re: iPhoneの魅力をいかに伝えるか


    先日、11日朝3:30頃
    林さんにお声かけさせていただいた。
    ソフトバンク表参道の列に並ぼうとして、駄目だった自転車乗りの者です。

    あれからビックカメラ有楽町店に向かい、無事71番で、ブラックの16G購入できました。
    表参道の混雑ぶりを考えると、ソフトバンク側のメディア操作を感じました。

    おかげで、買えたわけですが・・・
    では

    投稿者名 haru

  • Re: iPhoneの魅力をいかに伝えるか


    ユーザーの声を聞きたいですね!
    どんな使用をして、どんな感じなのか?
    とても興味が有ります!
    通話にしか使わない人とかも、やっぱりいるかな?


    投稿者名 ipod

  • Re: iPhoneの魅力をいかに伝えるか


    haruさん、あのソフトバンク表参道の店は、3日間限定のお店(その後は取り壊し作業で普通のソフトバンクストアに戻る)
    いい記念になるし、それを喜べる人なら並んじゃっていいんじゃないですかね。

    ちなみに私は、あの後、シブチカにいきました。
    午前8時頃で待ち人は5人。
    白5台入荷、黒8GB1台で私の直前で切れました。

    聞くところによると灯台下暗しで、ソフトバンク原宿店は11時までにいけば買えたとか....
    その手があったかぁ!って思わされますよね...


    iPodさん
    そうですね。
    通話しか使わない人は、かなり渋いですね。
    いたらおもしろいですね。
    しかも、白の16GBをソフトバンク表参道で、初日に徹夜で購入していたりして、
    めちゃくちゃ熱心に手に入れている割には認識がオシャレ携帯。 ;-)

    でも、アメリカの統計をみてもiPhoneのWebブラウザやメール機能を使っていない人も数%はいることだし、もしかしたら本当にいるのかもしれませんね。
    気になる(笑)

    投稿者名 nobi

  • Re: iPhoneの魅力をいかに伝えるか


    林さん、はじめまして。
    『ソニーをダメにした「普通」という病』を書いた横田です。
    何度か拙著を取り上げていただき、ありがとうございます。

    最近は、プロダクトだけではなく、それを作る「人間」の「機能価値」と「使用価値」に意識が向いて向いて仕方がなくなりました。
    学校や家庭での教育のキーワードも、実はこれなんじゃないかと思う今日この頃です。

    また、『妻に対する夫の「機能価値」と「使用価値」』なんて本が出たら、結構面白いんじゃないかと思ったりもするのですが、どうでしょう(笑)

    投稿者名 横田宏信