3G版iPhone、今晩か来月か?そして日本では?
ところで、先月のミラノ滞在中、驚いたのが、そこかしこでiPhoneユーザーを見かけたこと。
アップル関係のニュースを細かく追っている人なら、お気づきかもしれないが、iPhoneは、まだイタリアでは発売されていない(最近になって、ようやく噂サイトで、「アップルがイタリアでは、TIMとVodafoneという2つのキャリアと組んでiPhoneを展開するようだ」という話題が出てきた状態だ。
それにも関わらず、ミラノサローネの展示会場にいっても、Duomoの近くに行っても、やたらとiPhoneユーザーを見かけた。
世界的な携帯電話のネットワーク網、GSMがない日本にいるとなかなか実感できないが、(GSMのない)日本と韓国の外の世界では、iPhoneが本当に「世界的現象」になっているのだと肌で感じることができた。
そもそも初日に、駅から乗ったタクシーの運転手も熱狂的アップルファンで、iPhoneユーザーだった。
Malpensaエクスプレスで、市内のカドルナ駅についた後、タクシーに乗って、まずは家電WATCH編集者の伊藤さんをホテルで降ろし、その後、取材期間中泊めてもらった妹の家を目指したのだけれど、私がiPhoneで妹の住所を確認していたところ、「お前もiPhoneか?俺もだ!」という話で盛り上がった。
MacBook Airは持っている、あのマシンは買った、いや、このマシンはどうだ、とか、MACWORLD EXPOでのiPhone発表のときの様子はどうだったかを聞かれたり、着いた後もしばらく止めたタクシーの中でiPhone/Mac談義に花が咲いた。見ず知らずの人が、いきなりこれだけ親しくなれてしまうというのは、アップルというブランドの持つ素晴らしさの一つかもしれない。
話がそれたので元に戻そう。
iPhoneに、間もなく3G対応版が出るという噂がある。
米国と英国のApple Storeでは、既にこれまでのiPhoneの発売が中断されている。
筆者は発表があるとしたら、来月9日から開催されるWorldwide Developers Conferenceでだと思っていたが、毎日1万台以上は売れるiPhoneを、2週間以上もせき止めておくのは得策とは思えない。
そう考えると、統計的に見てもアップルの新製品発表が多い、日本時間の火曜日の午後9時半前後(つまり、今晩)にも、新iPhoneが発表されるのかもしれない。
昨日から再開したPodcast番組、「nobi-taro podcast」、5月の第1回目では、その当たりのことを話した(もし、発表があれば、緊急でエピソードを追加する予定だ)。
ところで、3G版iPhoneが登場するとしたら、もう1つ気になるのが日本版iPhoneが出るか否か。そして、出るとしたら、どこのキャリアからでるか、という話題だ。
これについては、Prediction.jpというサイトで、仮想の通貨を使った賭場を用意したので、興味のある人は参加してみて欲しい:
Prediction.jp:6月、日本版iPhoneが発表される
3G版iPhoneの登場を控えて、日本の携帯電話市場は、かなりおもしろいことになってきた。
まず、私にとっては、NTT docomoの印象がガラリと変わった。
新しいロゴがつくりだす雰囲気もそうだが、今後の製品戦略においても、これまでの路線からガラリと変えている。
GoogleのAndroidと手を組んだり、メーカーを閉鎖的開発体制に押し込めないスタイルだ。
携帯メーカーの方々には、これを励みに、ぜひ、再び海外の市場にも進出して頑張っていって欲しいと思う。
一方のKDDIはというと、相変わらずキャリアが、すべてを仕切る構図を貫いているが、docomoの路線変更によって、それはそれで会社としての性格付けにコントラストが出ておもしろい。
KDDIが、特に頑張っているのが、パソコンとの連携の部分で、drikinも話題にしているが、携帯で受信したメールをGmail経由で、閲覧したり、検索できるのが、素晴らしい。
いや、実はauoneでは、これ以外にもEZNaviwalkに、気になる場所を登録したり、SmartSportsのサイトで、自分がジョギングしたルートを再確認できたりと、おもしろいしかけがいっぱいある。
最近、国内で旅行をするときは、あらかじめ、その周辺にある、おもしろい場所(美術館やショップ、おいしそうなレストランなど)を片っ端から調べておいて、auone.jp経由でEZNaviwalkに登録している。
ソフトバンクモバイルもおもしろい。常に価格破壊を巻き起こしている同社だが、ついにYahoo! BBとソフトバンクモバイル間の定額通話も発表した。IT業界の人が「こうなればいいのに」とか「こうなるべき」と考えていたことを、ちょっと無理そうなことでも、次々とリアルな形に変えてくれている。
今後は同社が展開する無線LANサービスとの連携も視野に入ってくるだろう。
ちょっと前まで、キャリアはどこがいいのと聞かれると、迷わずauと答えていたが、今はなかなか選択が難しい。これは裏を返せば、今の日本の携帯市場はかつてないほどまでに健全な競争が行われている、ということかもしれない。
キャリアがここまで頑張っているのだから、今度はメーカーの側にがんばりを見せて欲しいところ。
iPhoneに負けないくらいの、世界をギョっとさせるケータイ。旅行先で、その携帯を使っていると、現地の人が、ニヤっと笑って、「お前も使っているのか?俺もだ。お前、モノの善し悪しがわかっているな」と語りかけてくるような、そんなケータイの登場を期待しております!