携帯AdSense登場で気になる携帯対応ブログ

今日のGoogleには驚かされた。矢継ぎ早に3つも新サービスを発表したのだ。
たしかにこれまでもGoogleは、同じ日にポロポロと、いろいろなサービスを同時発表することが度々、あったけれど、今回はどの発表も個人的にヒット。

まず1つめの発表は、携帯電話向けのAdSenseサービスだ。
この発表については、ascii.jpの記事に個人的分析と共にまとめたので、よければそちらを参照して欲しい(ただし、2P目の見出しは私が付けたものではない..のに、変更不可だそうだ):
ケータイの収入モデル変える? モバイル向け「Google AdSense」が日本上陸

Afc_gree2

このニュースを書き上げた直後、次の発表が届いた。
「Googleドキュメント」にプレゼンテーション機能追加の発表。

  • インターネットの接続があれば、いつでも、どこからでもプレゼンテーションの作成、保存、アクセスができます
  • 簡単に遅れるメールの招待状により、同僚や友達など、他のユーザーとの共有や管理を簡単に行えます
  • オンラインで共有者と同時に別の場所からひとつのプレゼンテーションを編集することもできますし、別々に行うこともできます
  • 特別な設定を必要とせずに、インターネット上の全てのユーザーに向けてプレゼンテーションを公開することができます
  • パソコン上にある既存のプレゼンテーションをアップロードすることもできます
  • 特定のユーザーだけに公開することも、不特定多数のユーザーに公開することも、誰とも共有しないことも可能です



といったもので、PowerPointのプレゼンテーションを読み込ませることもできる。

Presen




ここで大慌てしていたら、さらに追い討ちをかけるようにGoogleカレンダーの携帯電話対応が発表された!

この3番目、Googleカレンダーの携帯電話対応は、モバイル系の発表会があるたびに、Googleの人にリクエストしていたので個人的に非常にうれしい。

最近、すっかり外出先でのスケジュール管理がiPhoneに移行しつつあったが、iPhoneはバッテリーの持ちの良さ(国内ではSIMカードを入れておくとバッテリーの減りが早いが、抜くと長持ちする)に甘えて、ついついMacとつながず充電も同期もしていないことが多く「肝心のスケジュールが入っていなかった!」ということが多い。
 その度に無線LANホットスポットを探しに行くのは大変だが、今日からは愛用のW41CAを使って(まだW51CAにするか、W52CAにするかで悩んでいて機種変更をしていない)予定が確認できる。

Gcmjpg




 おまけに予定の入力方法は、ちょっとNewtonっぽい(Newtonはアップル社が'94年頃に発表した元祖PDA)。

 「Dinner with Michael 7pm tomorrow」といった具合に入力すると、勝手に予定が入力される。
(もっともNewtonはDinnerと書いただけで、とりあえず夜の7時くらいに予定を入れておくことが、また夜8時以降なら自動的に翌日の夜7時に予定を入れる機能もあったけれど。こんなのは簡単に実現できるはずだ)。

 唯一、不満点を言えば、複数のカレンダーのうち、どのカレンダーに予定を入れるかを指定できないことだ(Settingにあるかと思ったのだが、ないようだ)。
 現在の設定では入力した予定はパブリックなカレンダーに入力されてしまうようになっているので、NDAが絡む予定や特定個人・企業が絡む予定が入れづらい。

さて、この3つの発表に絡めていくつか書きたいことがあるので、やや停滞中のWeb新連載の気分転換として「続きを読む」以下にまとめさせてもらおう。

ちなみにWeb新連載というのは、こちらだ:
ITpro:iPhoneの衝撃
(続きを読む)


  • 携帯電話AdSense

    今日の1番目の発表、携帯電話向けAdSenseって実は重要な発表だと思う。
    外食の記録や、ショップ、映画、美術展などの感想をブログに書き込んでいる人がいるが、実はそういう情報って携帯から参照できてこそ価値がある。
     携帯電話のGoogle検索を使って、そうした情報を見つけたとしよう。
     ほとんどのブログは、携帯電話からの閲覧に対応していないので、Googleの携帯電話向け変換サービスを使って、文字情報が再フォーマット表示される。
     つまり、せっかく挿入したAdSenseの広告なども表示されず、せっかく携帯電話利用者に便利な情報を提供していても、それを広告に結びつけることができないのだ。
     ascii.jpの記事にも書いたが、このことについて質問してみたところ、「そう思っている人には、ぜひ携帯版のAdSenseを使って、携帯電話用サイトも用意して欲しいと言われた。
     ここでハタと気がついた。
     今後、携帯電話利用者に有益な情報をたくさん書いているブロガーは、以下の2つの条件を満たしているブログサービスに移行したほうがいいんじゃないか、ということ:


    1. 携帯電話用のテンプレートが用意されている(できればパソコンか携帯電話か自動判別してテンプレートを切り替えて欲しい...ついでにiPhone/iPod touchも)
    2. AdSenseの利用が許可されている

     現在、実際、この条件を満たすブログサービスっていくつくらいあるのだろう...
     雑誌やニュースサイトには、ぜひともこの当たりを取り上げて欲しいところだ。
     
     私もショップのレビューは滅多に書かないけれど、今後は別のブログを用意して書くことにしようかと思っている。


  • ビリーズ・ブートキャンプの次はAdSenseブートキャンプ


     AdSenseは記事の内容と連動した広告を表示させているので、記事の内容に興味を持った人にとっては広告という以上に有益な情報であることも多い。実際、書いている本人も、気になって「ついついクリックしたくなる」ことが多いが、本人のクリックは規約で禁止されている(自動化のGoogleなんだし、その当たりはユーザーを識別して自動的にカウントしないようにして欲しいところだが)。
     ただし、AdSenseもどこに表示するか、どう表示するかによっては、コンテンツにあまり連動しなくなったり、ユーザーが心理的に押しにくかったりするのも事実だ。
     例えば記事の最初の方に広告を入れても、読者は「まず記事を読みたい」と思っているので広告を飛ばしてしまう。
     逆に記事が終わった後の広告なら、追加情報を読むような感覚で関連広告も見てみよう、という気になれる。
     AdSense最適化で一番、効果があるのが、この「記事下」広告で、筆者もそれをやっただけで、広告収益が一気に3倍程に増えた。
     そう、AdSenseは、ただ貼ればいいというものではなくって、実は最適化してこそ効果があるものなのだ。
     Google社では、AdSenseヘルプセンターの「掲載結果の改善」というページで、その当たりを詳しく紹介している(広告が効果的に使われれば、読者もページが見やすくなり、広告主も助かり、あなた自身やGoogleも売り上げが増えてうれしいことになるので、Google社も熱心なのだ)。
     とはいえ、ヘルプの項目を1つ1つ読んで実行していく、というのは、ジムおマシントレーニングのようなストイックな作業で、なかなか今の時代には似つかわしくない。
     そんなことを思っていたら(既に先週のことだが)Google社が「AdSenseブートキャンプ」というAdSenseのオンライントレーニング講座をスタートした。
     「AdSenseのアカウントを作ったけれど、その先の利用方法がわからない」、 「既にAdSenseを導入したものの、思ったような効果が上がらない」、「他のWebサイトオーナーにもAdSenseを紹介したいが、良い参考サイトが見つからない」、「もっと収益を上げるためのヒントが欲しい!」といった人のための8回連続シリーズだそうだ。既に7回まで言ってしまっているので、リアルタイムでブートキャンプしている楽しみはないが、原稿が落ち着いたらnobilog2でも、毎日コツコツとさらなる最適化にはげんでみようと思っている。
     AdSenseブートキャンプは、こちらで参照できる:
    AdSenseブートキャンプ
    ちなみに、この集中講座は「Google AdSense 公式ブログ「Inside AdSense」の1コンテンツとなっている。

     
  • スライド共有が流行?


    さて、世の中のトレンドのでき方にはいくつかパターンがあるが、気がついたら土壌が整っていたから、という理由で始まるトレンドもある。
     そうやって考えると、今、まさに土壌が整ったのがスライド共有ではないだろうか。
     世界中の人が、Flickrの写真やYouTubeの動画のような感覚で、自分のプレゼンを共有している「Slideshare」のようなサービスもあれば、今回、発表された「Googleドキュメント」もプレゼンの共有に対応している。アップル社の最新版Keynoteは、ユーザーが自分のプレゼンにプレゼン音声をのせて(Slideshareで?)共有できるように、アフレコ機能が用意されている。そして来月登場の新OS、Mac OS X "Leopard"では、iChat経由でプレゼンスライドをリアルタイム共有できる。
     夏ごろにMacTopiaの連載、Apple's Eye(実は次回が200回記念)でも紹介したiTunes Uというサービス(米国の大学の講義をiTunesで聞ける)があるが、今は勉強したいと思っている人は、パソコンを使って、本当にいろいろなことが勉強できる時代になったものだと思う。


    P1110843P1110871


  • 日本の携帯電話が一気に便利に


    それにしても最近、日本の携帯電話が一気に便利になった。Googleカレンダーが使え、gmailも対応、さらにドコモの最新機種ならGoogle Mapの専用アプリケーションも利用できる。
     しかも、このGoogle Mapの専用アプリケーションが、なかなかよく作られている。
     例えば、日本のユーザーはアプリケーションを終了するときに「切る」ボタンを押して終了することが多く、ちゃんと地図の最終表示位置を保存できない可能性がある、という理由から、アイドル状態がある程度、つづくと自動的に地図の位置を保存するといった機能が用意されているのだという。
     Earth Codingのイベントの帰り、たまたま乗り換えた電車で一緒になった安藤幸央さんとその話になって、そうしたインターフェースのつくりこみをちゃんとやっているソフトウェアエンジニアが日本には不足している、という話で盛り上がった。
     iPhoneやiPod touchが登場した今では、携帯電話業界にも必要だろうと思う。
     数えてみると、実は私のまわりには、(個人的にそうしたことに興味があるせいか)この人なら任せられそう、という人が20人くらい頭に浮かぶが、インターフェースだけを専門に研究している会社となると、先日、日経BPのセミナーで一緒に講演をさせていただいた八田晃さんがCTOを勤める京都のソフトデバイス社くらいしか知らない。
    P1110891



     米国のお気に入りブログの1つに「information aesthetics」というサイトがある。私の好きな本の1つに「Envisioning Information」という本がある。どちらも情報を、きれいかつ、わかりやすく、楽しく見せるかを紹介しているものだ。このテクノロジーとアート、左脳と右脳の境界ギリギリのあたりの表現技法って、実はこれからものすごく重要な分野ではないかと思っている(思っているだけで、自分は下手なのだが)。
     日本でも、今後、もっとこうしたことを議論する場が増えてきてもいいんじゃないかと思う。
     なお、Google Mapモバイル版とEZNaviwalkについては、そのうち、ぜひ書きたいと思っていることがあるので、ここにリマンだーとして、そのことを書いておきたい。




投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年09月19日 | Permalink