立体版ドット・アニメーション

最近、YouTubeネタがつづくが、Engadgetで見つけた動画が涼しくていい感じだったので、
執筆エンジンを回転させるために1本(...ブログの記事を書きます)。


[via BMWCCA, via 本家Engadget, Engadget Japanese]


これを見て、真っ先に思い出したのは、「六本木クロッシング:日本美術の新しい展望 2004」で、オーディエンス賞として一票投じさせてもらった笹口数さんの作品。

Googleイメージ検索:笹口数

動いてこそはいないが、(いやだからこそ)あれはあれで素晴らしかった。
いくつか、この角度が好き、というポイントがあって、何度も作品を見に足を運んだのを思い出す。

それにしても、こういうおもしろい動画が日々、追加されていることに改めて驚かされる。

さらに、今やこうした動画はパソコンだけでなく、ケータイでも見られるのだからさらに凄い。

7月11日発売のiPhoneはもちろんだが、
それを待たないでも、他社のスマートフォンや、NTTドコモ製のP904i以降の端末でも見られる。
気がつけば、日本のケータイ電話も一気に動画が花盛りだ。
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ちなみにYouTubeは、auの端末にも対応しているが、こちらは約2分半(1.5MB)の容量制限があり、何か動画を見ようと思っても「この動画は再生できません」というメッセージでガッカリすることが多い。

 今はなきAmp'd Mobile Japanが日本進出した時にも同じ問題を抱えていた。
コンテンツがおもしろくなってきたところで、第2話へつづくならまだわかるが、余裕がないので、いきなり話しの途中でブツ切りにして1話をいくつかのファイルで分割配信するしかないのだ。

つまり、今のところケータイ動画はNTTドコモならではの大きな強みの1つとなっている。
それだけにそこかしこで大々的に宣伝もしている。

 私の好きなドラマのLOSTもシーズン1全話を配信している。もっとも、LOSTに関して言えば、テレビ用につくられたドラマ本編もいいけれど、ケータイ電話の画面サイズに最適化してつくられたmobisodeの方もしっかり配信して欲しいところだけれど。
 アメリカでは、テレビ業界も「ケータイ動画」という新しい市場の可能性に期待を抱いていて、FOX Mobile社、CBS mobile社、NBC2Go社など、既存テレビ局がモバイル専業子会社をつくって、ケータイ画面サイズに最適化した番組の開発/提供にかなり本腰を入れ始めている。


ITmedia +D Mobile:
“iPhoneを振った”米Verizonが投入するキラーサービス──「V CAST Mobile TV」

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これと比べると、日本は法的な問題もあって、今のところワンセグ放送はテレビと同じ内容を垂れ流しているだけで、スポーツ番組をみても「ボールが小さ過ぎて見えない」などの文句を聞くこともある。いずれは地上波とは別編成の放送に主軸を移すとも聞くが、それに向けての準備はできているのか、他人事ながら心配になる。

もっとも、NTTドコモも「春と秋のカエルの王子」みたいなオリジナルドラマづくりをしているし、余計な心配なのかもしれない。

ちなみにauも、技術的制約はある中、LISMO videoを始めたり(以前はEZチャンネルもやっていたし)、頑張れる範囲では頑張っている。

 そう考えると、実は一番、動画対応は遅いのはソフトバンクモバイルなのかな。

 ただ、ソフトバンクモバイルには究極の動画再生端末、iPhoneがあるから孫さんには、ぜひとも今後はiTunes Storeの国内での成功にも協力して欲しいところ。iTunes Storeで、日本でも海外同様に映画やテレビの人気番組が見られるようになれば、これはかなりうれしい(もっとも、今でもビデオPodcastは見られるが)。

 今やテレビ以外にもGoogle社のTechTalkみたいなためになる番組を始め、テレビでは放映していない見たい番組も山ほどあって、テレビは本当にもっと魅力をアピールできないとヤバイと思う。だからこそ、SPIDERはテレビ業界の救世主だと思うんだけれど:

nobilog2: タイムマシン誕生、期間限定で...
nobilog2: テレビの明日は「暗黒時代」?(ぜひコメント欄にも注目!)

 権利者のこととか、いろいろ気を使って見なければならない気苦労系番組は、世の中にゴマンとある見たい番組の中のごくわずかな一部でしかないんだから。
 これから動画をつくる人は、どうやって制限を設けようと考える前に、まずどうやって存在感をアピールし、いかに見ようという気にさせるかを十分考えて、その後になって始めて、いかにしてしっかり自分の権利を守るかも考える、というのが正しい順番ではないかと思う。

 いずれにしても、今や身の回りには、見るデバイスも、メディアとなる技術も、番組も視聴能力をはるかにうわまわるくらい溢れているわけだけれど、なんとかこれらを総括して、もっとも(自分にとって)おもしろい動画だけを見つけられる全動画対応版Spiderみたいなのでてこないかなぁ...
 (本当はYouTubeが、それを目指しているんだろうけれど、久夛良木さんが言うように、Spiderがサービスを目指して、今のSpiderのような日本人的おもてなしを維持した上で全メディア対応してくれるなら、それもいいなぁ...)

 

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2008年07月08日 | Permalink