これが私の1週間


金曜まで台湾に行ってきます。


結局、仕事を大量に抱え込んだままの出発になりそうで、 MacBookHDDをバックアップして修理に出す余裕もありませんでした。 今日は既に2度、電源落ちが発生していて、このブログのエントリーもこれで書くの2回目です。また落ちても大丈夫なようにectoを使って書いています


Blogに書かなきゃならないネタは夏頃から溜め込んでいますが、仕事も大量に残したままとても振り返っている余裕がない。 ここ1週間ほどのできごと、そして現在、開催中のお勧めイベントについてだけいくつか書いておきます(時系列で)。全部で4項目。本来、個々の話題ごとに、Permalinkを分けるべきかもしれないけれど、どれも一過性のイベントの話なので、一つのエントリーにまとめてしまいました。


  1. Heart Craft Atelier

  2. TOKYO ART BEAT 2nd Anniversary

  3. ビル・ヴィオラ:はつゆめ展

  4. 古川さんを囲む会





Heart Craft Atelier

Heart Craft Atelier [その他の写真はこちらから]


以前、BLOGに書いた「Heart Craft Atelier」展に行ってきました。場所は表参道のNADiffの近くでした。カシオ社のデザイナー、城 聡子さんが描くカシオ携帯電話の待ち受け画面の世界観を、ギャラリースペースいっぱいに展開しています。さらにこの展覧会の世界観を、そのまま一冊に凝縮した書籍、Heart Craft〈Orange―tiny little graces in your handもついに発売開始。iPod nano同様に5色が選べますが、オレンジ色が人気のようで、私が行ったときは売り切れでした。展覧会や本では人気のアデリーペンギンキャラクターがどのように誕生したかなども紹介されています(なるほどね、どこか懐かしい感じがしたんだ!)。カシオの方、曰く、城さんはこの本を、夏休み返上でつくったという話ですが、ものすごく作り込みが細かくてよくできた本。これで1000円なら5色揃えたい、と本当に思っちゃいます。

 ちなみに「Heart Craft」とは“ケータイは、ハンドメイドのように手作りできないけれども、心を込めて愛着を持てるものにしたい”というモノづくりの思想。カシオのau携帯では、待ち受けが面から通信中の画面など、いつでも統一された世界観の画面が表示され、使い込むほどに愛着がわいてきます。

 これまで機能、性能、サービスといったスペックシートと外観デザインばかりで勝負してきた携帯電話の世界を、それだけでなく統一した世界観でくるんだカシオの携帯電話は素晴らしいと思います(もちろん、他社も待ち受け画面とメニュー画面、1〜2枚だったらコーディネートしてはいるんですが、城さんの世界観には破綻がなく、使えば使うほど愛着が湧いてきます。もっとも、だからこそ本にもでき、個展も開けたんでしょうが...

 あ、そうそう。前のエントリーではW41CAのアデリー・ペンギンに愛着がありすぎて、次の機種に移行できないかもと書いていましたが、展覧会を見て、すっかり城さん自身の世界観のファンになってしまいました。アデリーペンギンと完全にさよならはできないけれど、次のカシオ携帯、よければ移行できるかも。

 ナンバーポータビリティーで、今は1つのキャリアから別のキャリアへの移行ばかりが注目されていますが、私はその先にあるのは、携帯メーカー対携帯メーカーの構図だと思います。

 これまでキャリア主導で携帯電話をつくり続けていく風習が長く続きすぎて、携帯電話メーカーの中には、自主的に製品コンセプトを練ることができないところがでてきている、という批判を、ある携帯電話関連会社の方から聞きました。でも、これから数年後は、機能はよくて当たり前、人々に愛着を持たれる世界観を持つことこそが重要だと思います。


TOKYO ART BEAT 2nd Anniversary


TAB 2.0 Party [その他の写真はこちら]


応援しているWebサイト、TOKYO ART BEATの2周年記念パーティーが開催されました。

Tokyo Art Beatは、ガレージカンパニーならぬトイレットNPO。元々は共同創設者のアパート(マンション?)のトイレのペーパー置き場に置かれたサーバー(うるさかったからそうなったそうです)で運用されていたけれど、それも去年まで、設立1周年を迎えた後、本格的なNPOとして活動を開始し、サーバーもちゃんとしたホスティング系サービスに預けたようです。

今年も近所にお住まいの彫刻家の方など、何人かの方と楽しいおしゃべりができました。

TOKYO ART BEAT系のイベントって、日本人以外の参加者の比率がものすごく高いんですが、これはWebサイトがバイリンガルであることや主催者が国際色豊かであることもあると思うけれど、こういった話題を取り上げるのがJapan Timesとか英語系メディアが多いからかもしれません。日本系のメディアも、ぜひ、もっと取り上げてください。


ちなみにTABの重要な資金源であるTシャツですが、今年は5組のアーティストがイラストを提供

TomatoのTOTA HASEGAWA(MACPOWER最新号にインタビューが載っています)、束芋(+DESIGNING最新号にインタビューが載っています)、assistant、PMKFA、Nobumasa Takahashiの5組です。


ビル・ヴィオラ:はつゆめ

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展覧会はインスタレーションも含めて美しく、洗練された印象を受けました。じっくり1日がかりで見たいところ。

入り込めれば「杉本博司:時間の終わり」並みに、ビビっと響くものがありそうです。

数十秒のできごとを10分ぐらいのスローモーション映像にすることで、一瞬一瞬の表情に隠れている奥底の表情。

生、死、再生といったテーマが描き込まれている、いや刻み込まれているといった方がいいのかな。

どちらにしても、今、この慌ただしい状況では感想を書きたくありませんが、記者会見では、ナム・ジュン・パイクを振り返る一幕もあり、なかなかおもしろかったです。

内覧会後のパーティーで、グッゲンハイム美術館 映画・メディアアート部門シニア・キュレーターのジョン・G.ハンハートさんと話せたのも貴重な経験でした。

最近、美術展などで他の作品に混じってビデオ・アート系作品が展示されている機会が増えているけれど、ビデオアートは、どうも敬遠、素通りされがちというと「でも、絵画にしても、じっくり観る人はじっくり観るものだし、時間がかかる、かからないは問題ではない。ビデオアート作品は展示方法を工夫することで、もっと展覧会に馴染ませることができる」など示唆に富んだお話を聞くことができました。こちらも帰国後、時間がある時に...


そして、at last but not least...

先週末の最後をとても楽しいものにしてくれたのが、いちるさん主催のこのイベント:

古川さんを囲む会


Sam Furukawa Party





毎月、五反田でブログについて語り合っている仲間(マイナスdrikin)を中心に、古川さんらと語り合う会。

古川さんとは、これまで取材やイベントで何度かお会いしたことがあり、東京FMの人気長寿番組「AVANTI」で同じ回に出演させてもらったこともあるのですが、あうたびに素晴らしい方だと思います。

オープンマインデッドで、老若男女の分け隔てなく、自分の知識や洞察を惜しげもなくシェアしてくれます。

そして、パソコン史の中でも軽視されがちな、日本のパソコン業界を築いてきた人々、1人1人にクレジットを与え、その功績を讃えてくれます。

パソコン業界の過去に対しても、未来に対しても、これだけ精力を注いで貢献してくれている人は、他にはそういないのではないでしょうか。

遅れての参加で前半の話を聞き漏らしたのが悔やまれますが、ぜひ来年早々(2月頃)にでもまたお仕事をさせてもらえればと思っています。

(近いうちにIDG社の玉井社長か米国の外村さんからも連絡がいくと思います。よろしくお願いします)。


これ以外にも、今週は9件ほど記者発表会などの取材もしているのですが、それはまた近いうちに別の形で紹介..したい...

(けれど、とりあえずは目の前の仕事)



投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年10月15日 | Permalink