アート作品になった私
ものすごく遅い告知で恐縮だけれど、1月26日から2月26日まで、初台の「WAKO WORKS OF ART」で開催されている展覧会に、小さい頃の私が登場している。
同ギャラリーの15周年を祝って開催している展覧会の第3弾
「WAKO WORKS OF ART: 15 Years / Part III」だ。
Room 1では、
写真家、Wolfgang Tillmansの「paper drop」というのシリーズやChristopher Williams氏の写真、「Velosolex 2200 Nr. 2 」、Henk Vischの不思議な形のスカルプチャー作品、「Names (Nour), 2007」が展示されている。
Tillmansといえば、3年ほど前に、すぐ近くのオペラシティーアートギャラリーでも個展が開かれた写真家で、光の陰影が美しい作品。
Christopher Williams氏の写真は、電動機付き自転車、VéloSoleXが持つメカとしての美しさをドラマチックに描き出していた。
Henk Vischのスカルプチャーは、なんだか心に焼き付けられてしまう。あの形を見て、なんだか宮崎駿的なものを感じてしまうのは私だけだろうか?Namesという名前ののっぺらぼうのような白い物体を見て「千と千尋の神隠し」の顔無しを思い出してしまった。
そういえば、なんだか、すぐ近くのICCに展示されている岩井俊雄のマシュマロスコープにも似ている。
私が登場している作品はRoom 2にある。
[WAKO ART OF WORKSのWebページ。下にある01〜08の番号で表示する作品を切り替えられる。Fiona Tanは08]
Fiona Tanの「Vox Populi, Tokyo, 2007」という作品だ。
Fiona Tanは、世界のいろいろな都市に住む人々の家族写真を集めては、それでコラージュ作品をつくっているアーティストで、私も5〜6冊ほどの家族アルバムを提供しました。
提供した写真は昨年9月のミュンヘンPinakothek der ModerneでのFiona Tanの個展で展示された。
今回、WAKO WORKS OF ARTで行われている個展でも、そこで使われたのと同じ写真が数点使われている。
私が確認した限りだと、九州大学にも縁がある祖母の写真が1枚。
そしてドイツ・デュッセルドルフ時代、生まれたばかりの妹を、椅子の上に座って抱えている連続写真が2枚、
そしてそれから二十数年後の息子を掲げ上げている写真が1枚(私は腕だけ写っている)。
Vox Populiでは、毎回写真の並べ方に特別な意味を持たせている。
それは風景だったり、時代だったり、ある緩やかな規則を持って写真が並べられているのだが、
果たして今回の展示には、どんなテーマがあるのかおわかりだろうか?
ギャラリーを訪れた人はぜひ考えて欲しい(答えがわからなかった方は、ぜひギャラリーの方に尋ねてみよう)。
Room 2に展示された、もう1つの作品は横溝静のビデオ作品「Flow 2007」。
同じ場所に立ち続ける作家を映し出した2つの映像。
片方は遠目から数倍速の早回しで、片方は口元だけのアップを実倍速だかスローで映し出している。
ビル・ヴィオラの作品は、超スローモーションで描き出す、一瞬の表情の変化を捉えたものが多かったが、
その一瞬の積み重ねが都会のコンテクストの中ではあっという間に通り過ぎていくーーと作家はそんなことを伝えたかったのだろうか?
今日は春一番だかで風が強く、新宿駅からの道中は看板が飛んでくるし、小石が飛んでくる氏で大変だった。
WAKOのギャラリーについたところ、ギャラリーの外でスタッフが必死になって飛ばされそうになっている板を抑えている。風で、ガラスが割れた上に、ドアが引きはがされてしまったようだ。私が鑑賞した後、Room 2はシャッターを降ろして一時閉鎖されてしまった。
その直前のギリギリのタイミングで、あの作品を見ることができたのは貴重な体験かもしれない。
もし、余裕があれば展覧会の最終日で、息子の誕生日で、新刊書の見本をもらえる2月26日にもう1度、訪問してみたいと思う。
人によってはすぐに見終わってしまうので、どうせ行くなら、一緒に東京オペラシティーのICCやオペラシティーアートギャラリーにも寄るといいだろう。
ICCは現在、企画なしの常設展だけなので、無料で楽しめる。
オペラシティーアートギャラリーは池田満寿夫の「知られざる全貌展」をやっていた。
風でパニック状態で、ギャラリーの外観を撮影しようと思っていて忘れてしまったので、ひきはがされたドアの写真以外は、例によって関係ありそうで、あんまりない写真で失礼。
Flickrのストックに1枚だけ、関係ある写真があったが、これは昨年5月に開かれたFiona Tanの「News From Future」というビデオ作品が展示されたときのものだ。この作品も非常によかった。