地獄からの6枚
気がつけば2月28日。
このまま行くと、今月はブログの更新がないまま1ヶ月が終わってしまう。
書きたいことは山ほどあるし、下書きのまま眠っている記事もいくつかあるが、貯まっている仕事を優先させると、上の懸念が現実になってしまうので、せめてそうならないように写真中心の短めな記事を投稿したい。
私が大事にしていることの1つに「人とは違った視点」がある。
世の中の見飽きたこと、聞き飽きたこと、いいつくされたことも、ちょっと違った視点を向けるだけでぜんぜん違ったものに変わってくる。
今回、別府の地獄巡りで、自分自身で、それをどれだけカタチに出来るものなのか、iPhoneを使って自分自身を試してみた。
お馴染みの地獄で、どれだけ地獄らしからぬ写真が撮れるか。
「そんなの、蒸気が上がっていないところを撮れば簡単!」なので、
ついでに、どれだけ目が当てられる写真に仕上がっているかも課題とした、皆さんの厳しい採点はいかがだろう。
実際には、これ以外にももう少し撮っているが、ここではそこから6点だけピックアップしてとりあげる。
別府の地獄巡りというと日本的な「つくられた観光地」の代表格のひとつ。
同じ間欠泉でも、アメリカのイエローストーン国立公園のように、自然のモノを自然のままのカタチで見せるのではなく、その周りに柵をつくって、みやげもの屋をつくって商業に、ひいては地域の活性化に結びつけようと努力した観光地だ。
それが正しいか、正しくないかを、ここで論じるつもりはない。
地獄めぐりは80年前、別府観光の父、油屋熊八氏が別府観光を盛り上げようと発明したものであり、その発明自体は数十年を経ても多くの日本人に馴染まれ親しまれている素晴らしいものだとは思う。
今回の地獄めぐりで一番、印象に残ったのは「毎日が地獄です」と書かれたTシャツで、これについての裏話がSNAの機内誌に書かれていたが、その話も面白く。油屋DNAは、今もひきつがれているのを実感した。
ちなみに、かいつまんで紹介すると、地元の若い人が、観光をもっと楽しくしようと「私は地獄に行ってきました」Tシャツをつくり、客に売ろうとしたところ「いりません。私は毎日が地獄ですから」と言われ、その言葉のインパクトに衝撃を受けて商品化したというエピソード。今の時代、どんなことでも実は答えを握っているのは顧客の側だ、ということを象徴するような話だと思って、私も衝撃を受けた。
私はたまたま、ここ数年、大分を訪れることが多く、地獄めぐりもかなり回を重ねたところだったので、あえて違った視線にアプローチしたが、最近の別府地獄めぐりは足湯を用意するなどサービス面も充実。何人かで一緒に訪問すれば、いろいろとツッコミどころも用意されており、それなりに楽しめるはずだ。
地獄めぐりでは、それぞれの地獄のオーナーだか、地主だかがプロデューサー的役割で、笑いを取りに走っているところ、個人の趣味なんかないかと思えるような建物やインテリア、動物が用意されているところ、プライベートな家庭用温泉の一部を観光客に(言えば)解放してくれるところなど、個々の努力のアプローチの差異を楽しむ、という楽しみ方も出来る。
いずれにしても、面白いのは自然に吹き上がる温泉の蒸気よりも、むしろ、それをネタに編み出された人間側の工夫の方で、まさにart-ificialを楽しむ場所なのかも知れない。
来月こそ、もっと頻繁にブログ更新するぞ!
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