PC-8001の登場から四半世紀[更新]
今回はパソコン関係の話題が中心でしたが、その理由は今日がPC-8001の誕生からちょうど25年目にあたるから。
実は私がやたらとエントリーをして宣伝していたのは、私の話よりもマイクロソフトの古川享氏の話を聞いて欲しかったから(氏が登場することを書いていいのかわからなかったので、あえて伏せておきました)。
さすが古川さんの話はおもしろく、PC-8001のプロトタイプが実は真っ赤だったとか、テンキーのかわりに16進キーがついていてテンキーにした方がいいと進言したが、除算(割り算)のキーだけ入りきらなくって左手で押す仕様になっていたとか...ビル・ゲイツは指2本でタイプしているとか、おもしろい話が満載でした。
他にはMac関係の話で私、インターネット黎明期の話でYahoo! Japanの小野澤忠仁さん、黎明期のパソコン文化の話で本田雅一さんが登場しました。
この回のサマリーはこちらに掲載されています
さて、実は私も最初に買ったパソコンはPC-8001でした。
いとこの影響でパソコンに興味はあったのですが、なかなか触る機会がない。
そんなところ中学校で1クラス1人の放送部の座を奪い合った親友がMZ-80Kを持っていることを知り、よく遊びにいきました。それから彼に秋葉原と言う街の存在も教えてもらいました。
当時はパソコン(マイコン)なんて持っていないナイコンが当たり前だったので、秋葉原にはパソコンを自由に触れるように解放している店がたくさんあって毎週末のように通っていましたね。
実は最初、かなり目移りしていたのですが、いろいろ調べるうちに、NECがよさそうだということになって、ラジオ会館にあったBit-Innというショップ+ショールームに通いまくって、それでも最初はCOMPO/BS 80というマシンが欲しくてそちらを買おうとしていたのですが、結局はPC-8001を買うことに決めました(正確には親に買わせました)。
COMPO/BSといえば電源が本体の正面に鍵がついていて、それが電源になっていて、あの鍵にあこがれを感じていました(だから、Macでも鍵付きのQuadra 900シリーズが出たときはかなり欲しかったのですが、結局、鍵付きパソコンには縁がなかったようです)。
かなり、悩んでいたためPC-8001の購入はずるずると遅くなってしまったのですが、実はそれがちょっとラッキーで、私が買ったPC-8001はちょうどN-BASICがバージョン1.0から1.1に切り替わった直後のモデル。バージョン1.0では、BASICプログラムの打ち込み中に問題がおきることがあったようですが、私は最初から問題解消済みのバージョン1.1でした(どういう問題だか覚えている方は、ぜひコメントに書き込んでください。私はなんとなく覚えています)。
購入価格は忘れもしない定価の16万8000円で、Bit-InnはNECの看板もあってか本体の値引きはしてくれなかったのですが、その代わりおまけとしてアスキーのPC-8001用のセット(ソフト数本が入ったカセットと本のセット)をつけてくれました。実はそれが「アスキー」との最初の出会いかも...
当時はNECのBIt-Inn以外にも、秋葉原にいくつか自由にパソコンを触らせてくれるところがあって、土日ともなるとそこにナイコン(パソコン=マイコンを持っていない人)に加えて既にパソコンを持っている人も集まってくる。
既にパソコンを持っている人は占有しているパソコンのデスク横に10とか15本入りのカセットケースが置いてあるのが目印で、例えばPC-8001の横にカセットケースを持っている人がいると、その横にPC-8001ユーザーが集まってきて、一言、二言挨拶を交わしてからお互いに持っているソフトを見せあって、持っていないソフト同士の交換が始まる。なんとも異様な光景だけれど、これがP2Pの元祖かもしれませんね(笑)。
今、P2Pと言うと「著作権の敵」、というイメージが強いけれど、当時、交換していたプログラムのほとんどは雑誌にリストが掲載されていたもの。つまり、雑誌を買ってわざわざ全国のパソコンユーザーがそれを入力し直すか、それともお互いに入力したものを交換しあって手間を省くかだけのことでした。当時はまだそれほど著作権が大きな問題として取り上げられることはありませんでしたが、Apple IIの互換機がOKかとかそこいらへんで海外では少し話題になっていた気がします。日本で当時、一番印象に残っている著作権がらみの事件と言えば、どこかの出版社がPC-8001のROMのソースコードを印刷した本を出した、という事件でした。
月刊アスキーは、リストを掲載したプログラムを「テープアスキー」という形で販売もしていたけれど、ちゃんとパッケージ化(白い箱に銀色)はかなり後、表参道アドベンチャーというゲームが出てきた頃で、その前はたぶん、注文してからダビングして送ってくれていたんじゃないかと言うほど。打ち込むのが面倒な人から、せっかく打ち込んだデータがあるんだからテープを売って欲しい、と言われて、いやいややっているんじゃないかという雰囲気すら漂っていました。
PC-8001のテープからの読み込み速度は600bps程度、例えば文字データー等を読み込ませて端から表示させていけば、読むスピードが追いついてしまう程度だ。でも、声に出して読み上げると間に合わないくらいのスピードですーー今日のあのラジオ放送の早口ぶりを聞くところ、たぶん、私の話し方は500bps程度かな(笑)!?
とにかく、そんな形で、その当時はいろいろなところにお世話になった。秋葉原のBit-Innはもちろんだけれど、それ以外にも中学時代住んでいた成城の文具店、モナードでもFM-8を使わせてもらっていたし、キヤノンのZERO ONE SHOPは3店舗で常連になっていた。
MacTreeさんのところの「林檎いとしや」で高校生ながらDynaMac発表会の招待状をもらった、と書いたけれどたぶん、これもZERO ONE SHOP関係だと思います。ちなみにこの発表会、1人で行くのは怖いからと、たぶん、ここでコメントしているChagamaも誘ったはず!?学生服でシャンパンをもらっていいものか相談した気がするけれど、どうだろう?>chagama
そうそう、パソコン、特にMacの昔を懐かしみたい方、来週の水曜日にビル・アトキンソンの講演がありますが、まだ今からでも申し込みが可能みたいです...
http://www.vanfu.co.jp/bill_atkinson/
AVANTI、来週の放送も楽しみです。