テロと宣伝効果
ZAKZAK記事
日本人を誘拐したことが一番メディアで取り上げられた(海外メディアでも取り上げられた)。つまり、もっとも宣伝効果があったと指摘するもので、その後の人質誘拐もこれをモデルにしている、というものだ。
私自身、この事件について以前にとりあげているが、Blogも含む公衆のメディアは、今、何を報じるかだけでなく、報じることによってどのような影響があらわれるかも、前もってじっくり考えるべきだというレッスンを学ばされているのかもしれない。
この記事の最後で、今後も日本人が誘拐される可能性があると指摘しているが、昨日になって、大変残念ながら新たに日本人2人が誘拐された模様だ。
もっとも、さすがに大手メディアは何かを学び始めたのかもしれない。筆者がこのニュースを最初に目にしたのは午前1時頃、TVK(テレビ神奈川)に入ったニュース速報だった。しかし、それから1時間経って、Webを巡回してもどこにもそんなニュースは載っていない。大手新聞社のWebがこの件を報じたのはおそらく朝刊が出た後、朝9〜10時のことだった。筆者は慎重を期しての対応だったと期待しているが、もしかして単に朝刊の見出しをショッキングに演出して売り上げを伸ばすためだったりして...
北朝鮮拉致問題の初期にはメディアが重要な役割を果たしたし、NTTがADSLは不要と唱っていた時代にもメディアは重要な役割を果たした。でも、視聴率/購読者数/人気投票と共鳴しながら声を大きくしていくだけがやり方ではないかも。
たまに見かける人質家族への信じられない嫌がらせの数々を見るとますますそう思う:
ZAKZAKいやがらせ記事
問題は今から報道を自粛しても既に邦人関連事件の宣伝効果については世界が十分に伝わってしまっていること。今後、この問題を公衆メディアでどう取りあげるべきかは非常に難しい課題と言えそうだ(もちろん、報道の自由はあるので、どういう意見をとりあげるかは問題ではないけれど、おそらく取り上げる頻度とか露出のさせ方、視聴率/売り上げ競争が問題なんだと思う)。
P.S.ZAKZAKって久しぶりにみたけれど、いつの間にかリニューアルしていたんですね