「MacBook=シングルレイヤー」の真相

  1. Mac
MacBookが搭載するSuperDriveについては当初から情報が交錯していたようです。
私自身もいろいろ確認しつつ、インタビューなどの準備をしながら、あまりちゃんと確認していなかったため、混乱を広める片棒をかついでしまった感がありますが、ここでもう1度だけ書いておきます。

MacBookが搭載しているSuperDriveはシングルレイヤー(1層式)です。
MacBook Pro 15"もシングルレイヤーです。

MacBook Pro 17"だけが、デュアルレイヤー仕様になっています。
この件は(mac24のインタビューでは割愛してしまっていましたが)インタビューでも確認してあります。

では、いったいこの混乱はどこから生じたのでしょう。

夕方になって、混乱の元も突き止めました。

MacBookの仕様をまとめた公式ページ、ここに原因がありました。
実はこのページ、ちゃんと読めば間違った情報は書いていないのですが、

  1. 事実をあまりにも細かいところまで書きすぎていたこと
  2. 一度にいろいろな情報が入ってきて、MacBookについて書いている人が情報を一語一語吟味している余裕がなかったこと
  3. 中身を吟味しないまま著した記事が氾濫してしまったこと


この3つが原因ではなかったかと思います(私もその混乱をつくってしまいました)。

先のMacBookの仕様のページを注意深く見ると、このように書いてあります:


スロットローディング式SuperDrive(DVD±RW/CD-RW):DVD-R/DVD+R、DVD-RW/DVD+RW記録時は最大4倍速、 CD-R記録時は24倍速、CD-RW記録時は10倍速、DVD-ROM(1層)読込時は8倍速、DVD-ROM(2層DVD-9)、DVD-R、DVD +R、DVD-RW、およびDVD+RW読込時は6倍速、DVD-R(2層)、DVD+R(2層)読込時は4倍速、CD読込時は24倍速



果たして「Dual Layer(デュアルレイヤー)」か「2層」かを気にしていた人達は、このページを表示して「Dual Layer」や「2層」で検索をしていたことでしょう。実際、昨日の朝方、あるアップル社の方にこの仕様について聞いたときも、「えっと、私もまだ細かくは確認していなくて」ということになり、「じゃあ、調べてみましょう」とWebページを表示して、検索。「2層」という言葉を見つけたので「あ、大丈夫です。2層対応しています。」という話になりました。


ただ、この文章、気をつけてよく読んでみると冒頭に「読込時は...」と書いてあります。
ほとんどのDVD対応ドライブは、市販のDVDビデオが再生できるように『読み込み」では2層対応になっています。
 この仕様書はこのことをいっていたのです。

で、先の仕様のページをもう少し細かく見てみると、実は先の文の上には:


スロットローディング方式コンボドライブ(DVD-ROM/CD-RW):DVD読込時は最大8倍速、CD-R記録時は最大24倍速、CD-RW記録時は最大10倍速、CD-ROM読込時は最大24倍速



と書いてあります。「1層」とも書いていませんが、「2層」とも書いていません。


  1. 記録時は「1層」という、今となってはやや遅れた仕様ながら、それが明記されていない
  2. 一方で、読込み時については「当たり前ながら2層対応」であるにも関わらず、それをわざわざ強調するように明記していた


これをあわてて見た人がニュースを書いた。
そういったニュースが増えたから、「見るWebサイトによって書いてあることが違う」という混乱が生じたんですね。

これからの新製品発表で仕様を表記する際に大きく参考になりそうな一件でした。

もっとも、MacBookがシングルレイヤーだったからといって、あの製品の魅力がそれほど損なわれることはないでしょう。MacBook Pro 15"もシングルレイヤーなんだし、「むしろ当たり前」のようにも感じます。




投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年05月18日 | Permalink