レッチリ、ドームに続いてiTunes Sotre Japanに上陸
6月6日、3月からの延期で行なわれた東京ドーム公演を4万人の観客で埋め、17曲熱唱で湧かせたレッドホットチリペッパーズ。
今晩の公演に先駆け、なんとiTunes Storeにも登場した:
ワーナーミュージック・ジャパンの楽曲が日本のiTunes Storeで購入可能に
絢香、コブクロ、リップスライム、リンキン・パーク、マドンナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど、邦楽と洋楽のトップアーティストがiTunesに登場
先週のiTunes UでのDRMフリー音楽の発表や、
「iPod課金問題」に対しての意見提出など、最近、Macの発表だけでなく、iTunesまわりの動きも活発化している。
林檎の歌:
アップルが「文化庁は著作権行政から手を引け」と主張
CNet Japan:
アップル、文化庁を激しく非難--「私的録音録画補償金制度は即時撤廃すべき」
Engadget Japanese: アップル激怒、文化庁には著作権行政の資格無し
実はこの話題、書きたかったが、札幌出張でタイミングを逃していた。
普通のやり方でいたら、ニッチもサッチも動かないところを、一気に問題の核心に正論で切り込みを書けた形。日本の音楽業界の問題を根本治療しようとするこのアクションは、(情けないことながら)アップルにしか起こせないものだ。
世の中のしくみは、いろいろと前提が積もり積もっておかしくなってくるところがある。
例えばアーティスト達が成功する上で、最初のうちはレーベルや著作権団体といったインフラも必要だった側面もあるのかもしれない。
とはいえ、音楽ビジネスの肝はコンテンツ−−つまり音楽そのもの−−であって、インフラの部分が、そのコンテンツを支配するようになっては本末転倒だ。
世の中は、技術も、風潮も、構造も常に進化をつづけているので、時にはそれまでの前提をとっぱらって何が最適なのかを考え直す必要がある。
これは何にもいえることで、例えば建物にしても(工法とかにもよるのかもしれないが)改築の積み重ねだけでは限界があり、ある程度、老朽化が進んだら建て直す必要が出てくる。
パソコンの基盤のOSもそうで、旧Mac OSは2001年に、それまでの前提に縛られない、まったく異なるベースを持つMac OS Xに入れ替わったことで活力を得た。
個人でも世界に向けての発信が可能になった今日のコンテンツビジネスでは、本来の焦点であるはずのコンテンツクリエイターを中心に、音楽業界や映像業界を再構築した方がいいのではないか。
放送業界も、今は放送ライセンスありきで、ビジネスがつくられているが、今日の秩序の元につくれば、まずは映像コンテンツ制作者がいて、その周りを放送インフラを持つ会社や、IPTVの会社、携帯電話向け放送の会社といったものが取り囲むといった形の方が健全なビジネスが生まれる気がする。
実際、米国の主流な企業は新会社を設立して新しい枠組みの模索を真剣に始めている。
アップルの意見書提出は、その内容に同意するにせよ、しないにせよ、我々にこうしたことをもう1度、考える重要なきっかけを与えてくれた。
まさに黒船来航である。
このニュースについて、もう1つ言うべきことがあるとすれば、この事実を真っ先に発見し、伝えたのが(筆者の知る限りでは)、大手のニュースメディアではなく、「林檎と鼬とオペラとバレエ好きの日記:林檎の歌」というブログだったことで、大手の新聞社などは、まだこのニュースを取り上げていない。
このあたりも、もうひとつ別のビッグバンの芽生えのようなものを感じさせる一面だ。
さて、冒頭で紹介したRed Hot Chilli Peppers、米国では音楽ビデオの方もたくさん販売されているのだが、どうやら日本のApple Storeでは、こちらはまだらしい。
日本のアップル社とアイチューンズ株式会社には、ひきつづきKeep up the good workをして欲しい!
と思ったら、Dani Californiaだけありました。今後も増えることを期待!