レーベルゲート社長、「iTunesに惑わされず〜自らしっかり盛り上げる」
エニーミュージック、サービス開始に向けラウンチパーティを開催
−“AppleはiPodを売りたいだけ”とレーベルゲート山口社長
AppleはiPodを売りたいだけというのは、逆を返せばそこでしか利益を得ないことによって1曲あたりの価格を99セントに抑えるビジネスモデルの開発だったとも思う。
個人的にはいろいろな売り方、売られ方のチョイスがあるのはいいことだと思うけれど、それを最終的に選ぶのはエンドユーザーであるべきではなかろうか。
日本にはレンタルCDがあって、米国にはない、など確かに現状では背景的な違いがある。でも、それはサービスへの第一印象には影響を与えても、サービスが本質的に便利かどうかということには関係ない気がする。
実際、どうしても欲しい曲が1曲あった際の利便性についてiTunes Music StoreとレンタルCDサービスを比較してみよう。
iTunesなら目的の曲を検索して見つけ出すのに数秒、でも視聴はたっぷり30秒。気に入ったらその場で99セント、そして数秒後には「購入した音楽」というところに購入した曲が表示され、自由に聴くことができる。
これに比べて、レンタルCDでは、わざわざレンタル屋に出向いて、広い棚から目的のCDを探し出す。もし、誰かがそのCDを借りてしまっていれば、「今回は運が悪かった」という話になる。試聴ができるところもあるが、「この曲だけ」貸し出しはしてくれない。レンタル料は1週間で数百円(かな?)。そして借りたからには、1週間後には返さなければと心配事が増える。
もちろん、エニーミュージックなら、レンタルCDよりははるかに便利なサービスが実現できるのだろうけれど、iPodはもちろん、Mac/Windowsで音楽を楽しむ際にも十分な利便性が発揮されるのかは、これから実際に製品が出てきてから評価されること。それに例えエニーミュージックが便利でも、だからといってiTunes Music Storeが不便になるわけではなく、やはり、これはこれで便利なサービスであることには変わりはなく、多くの人がこのサービスの日本での実現を望んでいることにもなんら変わりはない。
記事の中で、「著作権は重要で」といったくだりがあり、その後にiTunesの話があるのでいかにもiTunesの著作権管理が悪いような印象を与えるが、実際にはそんなことはない。
犯罪に使われる恐れがあるから野球のバットを売らないか、世の人を信じて野球が好きな人のためにスポーツショップで誰でも自由に買えるようにするかに似た問題に思える。
そんなことを考えながら記事を読み返すと、「AppleはiPodだけ」の「だけ」には、アップルは自分が儲かることだけ考えて、他の会社に儲ける隙を与えてくれない、という声に聞こえてくる。確かに(アップルは)そういう印象がある。でも、それならアップルと組むなり、もっと便利なサービスを生み出すことで対抗すればいい。エニーミュージックがそうなることを期待はしているし、もし、本当にそうなら親とかにはそれを勧めるかもしれないが、既に自分の部屋で音楽を聴くならiMac、リビングには今あるオーディオセット(iPodの接続可能)があり、次に環境整備をする時までは検討の余地がなさそうだ。
万が一、今使っているオーディオセットが壊れたとしても、購入した曲をPowerBookに移して海外出張中も聴けるのなら、エニーミュージックもありだけれど、リビングでしか聴けないとしたら(あるいは面倒な再生権移動プロセスなどを踏まなければならないとしたら)、やはり、購入を検討することはないだろう。