オマーンで運動会を始めた日本人校長先生
仕事が貯まっていて(+遅れていて)nobilog2を更新できない...
(その分、fotologは更新してしまっているのだが...)
でも、ちょっと書かずにはいられないネタが1つできたので、忘れないうちにメモ。
忙しいときは、わずかな気分転換にテレビということで、テレビネタが多くなって恐縮だ。
今回、話題にするのはNHK総合の「遠くにありて にっぽん人「生徒の笑顔は宝物〜オマーン・女性校長先生」という番組だ。
途中から見たので、あまり背景的なことはわからないが、オマーンの学校の日本人女校長、スワード先生を紹介する番組だった。
この校長先生、とにかく生徒からも慕われ、信頼されている。
例えば女の子が7〜8人、歩いている校長先生を呼び止めて、こう尋ねる。
「運動会までにダンスの振り付けを練習する時間がない。数学の時間を使って練習したい。」
日本ではそもそもありえない質問だけれど、校長先生はややタフそうな低い声でこうアドバイス。
「数学の先生に直談判して見なさい」
こうして女生徒達は直談判して、練習時間を得る。
それで勉強が遅れたらその分、あとで自習とかで取り返せばいい。
女生徒達がまたやってくる。
「振り付けがなかなか決まらない。どうしよう。」
校長先生は語る。
「全員で相談して決めようとせずに、まずはリーダー達だけで振り付けを完成させなさい」
果たして運動会の準備が整う。
生徒が少ないこともあるのだろうけれど、それにしてもこれだけ生徒達に慕われている校長先生ってなかなか見かけない。
学校を休んだ生徒がいると、気になってその娘の家を訪問する。
子供の、そして親の目が、この校長をいかに信頼しているか物語っている。
この娘、障害を抱えていて、他の学校では入学を断られ続けていたらしい。
ついに運動会の日がやってきた。
実はこの運動会は、この日本人校長が始めたらしい。日本での運動会同様、紅白にわかれて総合得点を競い合う。
運動会を始めたばかりの頃は、文化的背景の違いもあり、そもそも男女が一緒に競技をすることに拒否反応を示す人も多かったようだ。しかし、つづけるうちに時代も変わり、この習慣が広まっていった。
他の競技でダンスのリーダーが怪我をした。
医者にもとめられて踊れない。
ダンス発表の瞬間が近づいた頃、事情を聞きつけた校長先生がやってきて悔しそうなリーダーの背中を押す
「ダンスは皆で一緒につくったチームワーク。あなたも踊れなくても、皆の前に立って指揮をしなさい」
かくして少女は拍手喝采を得る充実感を共有できた。
この校長先生、本当に心があるし、生徒にとって何が本当によいのかを考え、常識やら慣習にとらわれずに的確なアドバイスを出す。
日本にだって頑張っている先生、いい先生はいっぱいいるだろうし、それと比較するとかいったつもりはない。
ただ、純粋にこの校長の人柄の素晴らしさを忘れてしまうのが惜しくてBLOGにエントリーした。
番組はアラビア海を見ながら湘南の海と親の死に目にあえなかったことを振り返る校長の独白で終わる。
今、この学校で頑張ることが親への供養になると信じていると涙を流していた。
こんなエントリーだけではわからないので、再放送があったらぜひ見てください
(&再放送予定を知っている人がいたら教えてください)
百聞は一見にしかずで、この人のすごさがわかると思います。
もしかしたらとGoogleしてみたら、この校長先生、やはり、一部では有名みたいですね。
スワード校長自身が書かれた記事もありました。なぜイスラム教に改宗したかを綴っています:
http://www2.dokidoki.ne.jp/racket/isuramukyoto_ni_naru.html
テロ以降、ムスリムだというだけで不安に思ってしまう人が増えています(私自身、相手によっては正直やや警戒してしまうことがあり、この疑心暗鬼がいやになります)。スワード校長のような人がもっと増えれば、こうした文化的衝突も緩和できそうですよね(と、他力本願ではいけませんね)。日曜朝のアラビア語入門は毎週録画しているので、今度、まとめて見てみよう。
それにしてもNHK技研(技術研究所)の公開、結局、今年も行き損ねてしまった...