207km/dayの2日間

かなり前にJoiさんに教えてもらったPlazesを使い始めました。
自宅ーオフィスから、ハワイ、ロサンジェルス。この2日間の移動スピードは207km/dayだったようです。
このサービスを使って、このnobilog2の右サイドバーに、私の現在地を表示するようにしました。

Plazes



人生で最高の日はいつですか?最悪の日はいつですか?

よく、学生時代、例えば語学系のクラスなんかで、こんな質問をよく耳にします。
毎日、新しい自分、別人格の自分に生まれ変わっている自分にとっては−−というとかっこいいですが、毎日、その日のことだけで手一杯というのが真実かも−−、これは難しい質問で、いつも答えに窮してしまいます。

逆境になればなるほど、それを楽しむ楽天さが自分の強みですが、昨日はさすがにへこたれて、ホノルル空港のデルタ航空カウンターの人のやさしい声を聞いて泣きそうになりました。

スティーブ・ジョブズは「『死』は生命における最良の発明。変化をもたらすエージェント」と語っていた。確かに人類の歴史においてはそうかもしれないが、個人の人生というスケールにおいては「眠り」がそれに当たる。

おそらくロサンジェルスにたどり着くまでの顛末を、昨晩書いていたら目も当てられない恨み節で終わってしまい、Good vibeどころか、negative vibeを発しまくりだったかもしれないが、心地よいベッドで一晩寝たおかげでかなり気分も爽快。昨日のことも笑って振り返れるようになった。

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mixiなどでも書いて、一部の人に心配をかけたので、昨日1日を振り返るとこんな感じだ:

1.◎[iPodを忘れて取りに帰る/後々、大正解に]ー>駅まで車で送ってもらうが、iPodを忘れたことに気がつく。たかだか「iPod」だし、今回はあきらめるか...と思いつつ。4時間くらいかけて仕込んだコンテンツのことがあきらめきれず、タクシーで一時帰宅してiPodを拾い、そのままGoogleの取材へ。長〜〜い1日、このiPodがあるとないとでは、かなり心持ちが変わっていた。iPodではハワイ気分でJack Johnsonの音楽や某テレビ番組と、京都大学のオープン講義、きき耳文学の「檸檬」などを楽しんだ。

2.◎[Googleランチ/おいしかったです]Google社でプレス luncheon前のランチ。このブログではよくプレス向けイベントについて書くので、ここでも一言。プレスと一緒にランチを囲みながら、新規事業などについて話す、luncheonイベントは海外ではよく行なわれる。日本のGoogleも昨年に1度行なったが、日本のプレスは「あまり質問をしない」のに加えて、「次の仕事」に追われてか、ゆっくりランチも楽しまないまま、名刺交換だけ済ませてサッサと帰ってしまうことが多い。昨年はせっかくのランチが手つかずのまま残されて、非常にもったいなかった。Googleはこういうところでもinnovationをしている。今回は、まず昼ごはんを食べてから、セッションが始まった。おいしかったし、不健康なプレスを気遣ってかすごくヘルシーだったし、味も○。でも、今日の私にとっては、この進行はちょっと×だった(その後の予定がなければ◎だったけど)。その後のリムジンバスが控えていたので、Googleの説明会をちょうどいいところで抜けなければならなかった。
 メイントピックである「Google Transit」の発表も、私が去った直後に行なわれたようだ(ぜひ、他のWebニュース媒体で確認して欲しい)。

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3.×[飛行機欠航/楽しい1日になる予感]空港へ向かうリムジンバスの中、携帯電話で知らせを受ける。「飛行機が欠航になった」との知らせ。「なんで!?」天候なのか、なんなのか原因はわからないけれど、とにかく飛行機が欠航になったらしい。久々のユナイテッド航空だが、どうも私と相性がよくないのか、前回、乗ったときは帰りの便、私の席がダブルブッキングされていて、もう1人の人が先に乗ってしまったと、搭乗を断られ、ハワイ経由で帰った。楽しみにしていた岩井俊雄さんのインタビューを編集者に代行してもらうはめになった(このため岩井さんには、いまだにお会いしたことがない。一緒に仕事をしているという友達は大勢いるのに...)。今回は欠航だ。私は海外取材に行くたびに何らかのトラブルにあう(命名:トラブルトラベル)。しかし、それでも、そのトラブルをなんとか乗り越え、場合によってはかえっていい結果に結びつける才能に恵まれているようなので、「ドーンと来い!」と、それからの自分の活躍をテレビドラマの展開を見るような思いで楽しみにしてしまう、悪い癖がある。

4.△[ホノルル経由に]飛行場で、振替便の手続きを行なう。とにかく長い行列だった。同じイベントに呼ばれているライターの人が、もう1人、遅れて到着するということなので、私の方でまとめて手続きをすることを引き受けたが、30分後に、その人が到着した時点でも、私はまだ行列にいた。遅れてきたもう1人の方は、以前、CNet Japanのパーティーの2次会で話したことがあるTさんだった。振替便の手続き、あと30分早ければ、Northwest航空のL.A.直行便だったのだが、行列で待たされている間に、そちらの便は搭乗時刻に...結局、ホノルル経由になった。「ホノルル!」という言葉にガックリする気持ち半分、ワクワクする気持ち半分。ただし、午前9時頃にL.A.到着の予定が、午後9時になったので、その時点でL.A.での友達訪問、Amp'd Mobile本社の訪問の計画は、すべて丸つぶれに...関係者各位にお詫びの電話をかけまくる。Amp'dの中山さんは、それでも最後まで頑張って、フォローしてくれようとしていたが...ごめんなさい、L.A.到着の時点で、私はボロボロでもう何もできませんでした。L.A.の空港からホテルに向かうタクシーの中で、最後の力を振り絞ってマット日高さんと「すみません。次回、会いましょう」の電話。

5.×[ホノルル到着/移民管理局につかまる]よく考えてみたら、昨日起きたことで、私にとって唯一、問題だったのは、このホノルル空港到着かもしれない。6時間近いフライトを終え、ホノルル空港に降り立った時点では「小雨模様」は残念だけれど、久々のホノルル空港にうきうきしていたところもある。
 イミグレーションをみたら、L.A.の空港や、San Franciscoと比べても、人が少なく、あっという間に自分の順番。おまけにイミグレーションの人もやさしい人で、「次の飛行機まで5時間あるのだけれど、ちょっとだけビーチを見に行く時間ありますかね?」の質問にも「今はラッシュアワーだから、〜〜するといい」の親切なアドバイス。
 すっかり、ウキウキ・ムード全快だった。
 しかし、この時、同行したTさんは別のブースで暗い表情。彼担当の移民局の人がわめきたてていた。
 私が悪知恵を与えると恐れられたのか「お前はパスしたんだから、下へ行け。さもないと強制送還するぞ」と脅されて、引き離される。ハワイどころか、アメリカも初めてというTさん、可哀想に。英語もあまりわからないのに、移民管理局の女性にものすごいいきおいでまくしたてられている。
 baggage claimでTさんを30分近く待つが、いっこうに現れない。いろいろ電話をしていると、Tさんが神妙な面持ちで現れる。
 Tさんの通訳をしてくれた女性はすごい親切な人で「あの人(移民管理局の女性)はおかしい。ただし、私も同行しているからには、同じ穴のムジナ」ということで、移民管理局に呼ばれ、ここで3時間を過ごすことになる。
 バチバチする蛍光灯の下に3時間だ。トイレも、ロックされたドアの外、独房のような部屋におかれた「ドアのロックができない」トイレしかない)。
 我々が入った後も、10分に1人くらいの割合で、次々とアジア人の人が部屋にやってくる。いずれも、見るからに観光旅行という日本人、韓国人、中国人ーー同じオフィサーが送りこんだのではないかと勘ぐってしまう。
 我々は、「米国の会社に招待されて、それを見学した成果で、(執筆行為によって)利益をあげる可能性がある」という容疑で、ビザが必要という話し。罰金270ドル近くを払わされ、その場でビザを発行してもらい、なんとか入国。抗議しようものなら、ますます状況を複雑にしそうなので、仕方なく受け入れる。
 何度も指紋をとられたりして、次回からの米国訪問が、大変にならなければいいけれどと不安がよぎる。
 もっとも移民管理局での3時間(あるいは3時間半)という時間の大半は、担当の人(入国管理の女性とは別の日系ハワイ人の男性)が、移民管理用ソフト(全米で同じプログラムを使っているらしい)の操作がわからなかったから。イタリア人系の年配の老眼の男性(!?)が唯一、操作方法をわかっているらしくて、老眼鏡越しで時間はかかるけれど、スムーズに作業をしてくれるのだが、日系人の男性に変わったとたん、ボタンを1個クリックした後、また5分程作業が中断し、イタリア人男性の手があくのを待つ状態。
 この部屋を出た頃には、心身ともに疲れ切っていた。

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6.◎[ホノルル空港]移民管理局でのつらい数時間を過ごした後では、ビーチはさすがにいけない。でも、ホノルル空港の明るい日差しと、気持ちのいい中庭、そしてデルタ空港のチェックインカウンターの女性のやさしい言葉で、ちょっとだけ元気を回復。
 あの移民管理局での時間は憂鬱な数時間だったけれど、あの憂鬱な部屋から一歩外を出ると、地球は相変わらず、時点をしていて、世の中ではハッピーに過ごしている人も大勢いる。自分もいつまでも、陰鬱な気分に浸って、残りの1日をruinしてしまうのではなく、ハワイでの残り数時間を楽しまないと!
 ということで、ふらふら空港内を散歩して過ごしました。

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7.◎[そしてL.A.到着]翌日、時差ぼけにならないようにホノルルからL.A.までの便では、iPodで映像コンテンツを見まくった。ただ、L.A.に到着した時点では、ボロボロで、なんとかやっと声が出る状態。
 ホテルに到着したのは、家を出てからなんと28時間後。機内でも4時間ほどは寝たが、アメリカの海外ドラマ1シーズン分をまるまる見れる時間を空港や機内で過ごしたことになる。

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というわけで、これまでのトラブルトラベルの中でも、精神的疲れは最大級だけれど、今、ゆっくり寝て、すっきりと起きた自分にとってみれば、「昨日の自分は昨日の自分」。
 「もうちょっと(トラブル)行けたかも」などと不謹慎なことを思ってしまう。

でも、カリフォルニアでのこれからの3日間は、心地よく過ごしたいな。

みなさんも入国審査では、前の人がどのように扱われているかを注意しましょう。

列の長さも大事だけれど、結局、列が短くても1人1人にやたらと時間をかけるオフィサーだと、結局は他の列よりも遅くなってしまいます。オフィサーも人間。やたらとからむ人もいれば、虫のいどころの悪い日もある。
 できれば、スムーズに心地よい会話を交わせる私を担当してくれたオフィサーのような人を見つけて、そこに並ぶのが吉だと思います(なんか、ちょっと負け惜しみっぽいけれど)。

ということで、書き始めたらちょっと恨み節も出てしまったけれど、シャワーを浴びて、朝食を食べて、もう1度リフレッシュしてきます!(ブログはやはり朝書くべきですね。帰国後はぜひそうしたい)

P.S.いつもはインタビューしている小川浩さんに逆にインタビューされました。Enterprise Watchの人気企画「ネットショッキング:仕様のPCから思想のMacに学ぶこととは?」。長い楽しい話しをキュキュっと読みやすくコンパクトにまとめています。あまりに長い話しなので、途中、ちょっとはしょられちゃって展開が早すぎる部分もあるけれど、ぜひ、行間の部分を自分でfillしながら楽しんでもらえればと思います。ITmediaにも、(連載2回目ではないけれど)、そろそろ新しい記事がアップされるはずです!


【緊急ニュース】 明日(水曜日)の午前9時45分!TOKYO FM!
上の時間、ラジオが聞ける人はTOKYO FMを!台湾でお世話になった青木由香さんが TOKYO FMのタペストリーという番組に出るそうです。 日本アジア航空の枠で 「JAA Weekly Hot Five」というコーナーだとか。四月に出たJTBパブリッシングで「るるぶ台北」にもたくさん登場しているのだとか!彼女もポジティブ・エナジーの塊!よくサイフを落としたりして落ち込むけれど、1時間後には落ち込みながらも挽回するすごいパワーの持ち主です。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2007年04月24日 | Permalink

  • Re: 207km/dayの2日間


    アメリカって本当にイミグレーションで悩まされることがありますよねぇ。私もアジア出張があまりに多かった(週1回ペース)もんだから、麻薬所持を怪しまれてズボンまで脱がされたことがあります(人の前でデスよ!)。逆にニコニコ顔を黒人の男性に当たって、「イッテラッシャーイ」と日本語で送り出されたことも。
    こういう事件ってアメリカが一番多いような気がします。入国はあんなに厳しいくせに出国は、異様にあっさり。
    アメリカって国を何となく象徴しているような気がします。とはいえ、アメリカ行きは嫌いじゃないんですけどね(笑)

    投稿者名 ShimoKen

  • Re: 207km/dayの2日間


    私も前のパスポートのときには、ほぼ間違いなく別室に連れて行かれました。理由は、ビザを3枚も貼っていて、それでいてビザ・ウェイバーで入国するから。特にIビザがあることが、Homeland Securityができてからは問題だったのかも。ま、30分~1時間、別室(病院の待合所みたいなところ)で自分の番を待つだけで済んだんですけど…

    投稿者名 nob seki