太鼓語で「蛇に噛まれた」

今日は森美術館の会員の年に1度のパーティーと「ブログ神の新たな門出を祝うパーティー」を掛け持ち。

前者のパーティーでは、アフリカン・パーカッションの生きた伝説、ドゥドゥ・ニジャエ・ローズのパフォーマンスが行われました。現在、開催中の「アフリカ・リミックス」展の作品が並ぶ中での演奏は、森美術館ならではの趣向。他では味わえない雰囲気です。
MAMC PARTY
ちなみにニジャエさん(百獣の王の意味)は1986年にはマイルス・デイビスのオープニング・アクトで登場、1990年はローリングストーンズのツアーに同行。
今月28日に御歳、76歳になるとは思えないほどのバイタリティーです。
(実際、今日、日本についたばかりだというのに、いきなりのパフォーマンス。息子さんは疲れてどこかで休んでいたというのに...)

パーティーでは演奏もさることながら、楽器の歴史についてのお話も聞くことができました。

曰く「なんとかいう楽器(名前忘れてしまった)というのが伝統的な楽器だけれど、それは12Kgもあって、奏者は皆、猫背になってしまう。だから、私は1955年にコロンババスともう1つ別の楽器(名前忘れた)を発明した。」ーーニジャエさんは楽器の発明者でもあるようです。

曰く、セネガルでは「楽器がコミュニケーションのツールとしても使われている。」やら「25キロほど音が届く。」
突然、コロンババスという楽器を叩いたかと思うと、会場の向こう側から息子さんがやってくる。
これもコロンババスの太鼓の音で、息子さんを呼んでいたようです。
昔はこれらパーカッションの音で、割礼の儀が行われれば、それを報告するタムタムの音が。
そして周りの家からは、割礼式を祝うタムタムの音が。

結婚初夜には新郎がタムタムで、新婦が処女であったことを確認するタムタムを...
って、さすがにこの話には通訳の人も多少引き気味。聞いていた人達からは「そんなことまで報告するのかい」といった雰囲気のざわめきがおきました。
でも、所変わればなんとやらで、おもしろいですよね。

この自分のプライベートなことをなんでもかんでも報告しちゃうあたりは、
ややブログ/SNS的と言えるのかも!?
(でも、後に残らないのがいいですね)

ちなみにタムタムの言葉は結構、細かい表現もできるみたいで、
「蛇に噛まれた」という場合も、
それが黒い蛇なのか、赤い蛇なのか、といったことまで表現できるそうです。
医者も、このタムタムの音を聞いて、準備を変えて飛んでくるとか...

最初は疲れていた上に楽器のチューニングができていなかったようで、やや不調気味だったニジャエさんも、2人の息子さんを壇上に呼んでからは元気を発揮して、「蛇に噛まれた」の音以外にも、何曲か演奏してくれて、最後にはアンコールに答えて、「日本人は魚好きだろうから」と魚の大量を祝うタムタムを振る舞ってくれました。

ニジャエさん、今回の来日では東京で2回、まつもと市で1回、兵庫県で1回、コンサートを行う予定です。
詳細はこちら、「conversation|ドゥドゥ・ニジャエ・ローズ・パーカッション・オーケストラ

興味がある方はぜひ...

関係ないけれど、ニジャエさんのフランス語、妙に聞き取りやすかった気がしたのは、話し方がゆっくりだったから?それともセネガルの発音がはっきりしているから?フランス語はまったく×な私でも3分の1くらいはわかりました。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年07月26日 | Permalink