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Pinterestが教えてくれたSteve Jobs「1000のNo」の感覚

かれこれ2年近くPinterestにハマっている。

 

知らない人のために簡単に説明すると、Pinterestとはインターネットで見つけた素敵な画像を建物なら「建物」、アート写真なら「写真」といったボード(自分専用のエリア)にピン留めしてコレクションをつくり、その世界観を楽しむサービスだ。

 

例えばこちらは「死ぬまでに行ってみたい素敵な旅行先」の写真を集めたボードだ。


私のPinterestの「死ぬまでに行きたい素敵な場所」ボード

インターネットでせっかくステキな写真を見つけても、大抵は「わー、きれい!」で感動してそのままで終わってしまう。

 

でも、Pinterestなら、自分の心を躍らせるいくつかの分野それぞれについてボードをつくって、そこに素敵な画像や動画をピン留め&コレクションすることが出来る。

 

ITにやや詳しい人だと「そんなことはEvernoteでもできる」とか「私はtumblrを使っている」とか言うかも知れない。たしかに機能で見ると近いことが出来ないわけではない。

 

でも、例えば友達の誕生日に選んだステキなギフトでも、きれいなラッピングであげるのと、そこらに余っていたシワシワのコンビニ袋に入れて渡すのとでは、受け取る側の気持ちの嬉しさが違うと思う。

Pinterestは(少なくとも英語メニュー表示の状態では)ステキなモノをステキなまま(あるいはさらにステキに)コレクションし、人に見せたり、たまに自分でも覗いたりして楽しむ箱として「美しさ」の点でも非常に魅力的に仕上がっている。

見た目だけの問題ではない。Pinterestでは、そうやって収集したステキな画像を、いくつでも自由につくれるボードに分類してコレクションを簡単に仕分けできるのも特徴だ。

さきのようにカテゴリーで分類することも出来れば、人によっては赤いものだけ、青いものだけと色で分けて収集している人、ハートに見えるもの、さらにはこれは後日、別の記事で紹介したいが、もっと抽象的な分類で集めたピンで1つの世界観をつくる、といったこともできる。

 


黒いものばかりを集めたボード


西洋風ながら侘び寂びを感じる写真

これだけでもPinterestを使ってもらう理由としては十分だが、このサービスの魅力はまだまだある。


投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2013年12月03日 | Permalink

基準は自分でつくる!〜UPの取材で思ったこと

日々の運動量と食事、睡眠を記録するJAWBONEの「UP」がついに国内でも発売された(予約が始まっただけで、実際の発売開始は4月20日から)。
眠りの浅い深いを記録し、もっとも心地よく起きれるタイミングで、音を鳴らさずバイブレーション機能で起こしてくれる、というこの機能だけでもかなり人気の製品だ(個人的には、午後も快活に過ごせるようにパワーナップ(仮眠)を支援する機能も素晴らしいと思う)。

製品の国内発売に先立って、担当者が来日し、インタビューに応じてくれた。

 詳しいインタビューの内容はケータイWATCHをはじめ、他所でも紹介されているので、そちらを参照してもらうとして、私は製品説明の場での「防水」についての話が心に残ったので、記事にしたい。

 ここ数年、「防水」と言えば「日本のケータイメーカーの強み」というのが、国内家電メーカーのジョーシキだ。

 日本で7〜8年前に松村太郎氏らが行った調査でも、女子大生(今は社会人?)がシャワーを浴びながらもケータイを使う、といった調査結果もあり、お風呂やシャワーの最中でも使える防水機能が重要とされてきた。

 一度、どちらの方向に進めばいいかを示されると、その方向に対して、黙々と技術を洗練させるのが日本企業のいいところ。日本は非常に高い国際基準のIPX5やIPX7といった基準をクリアするケータイがもはやジョーシキになり、国際ケータイのほとんどのモデルが防水対応になった。

 バルセロナで毎年開催されるケータイのイベントでも、日本メーカーのブースに行くと、海外製品にはない、その強さをアピールすべく、ケータイを水槽の中に展示していたり、水をかけたりしている。

 確かにその技術は凄いには凄いが、そのおかげで日本製のケータイは、すべて電源端子の部分に面倒なプラスチックキャップがついており、充電の度にそれを取り外さなければならない。

 ほとんどの人にとって、年に何回やらかすか わからない水没に備えて、毎日行う充電作業が非常に面倒なことになっている、という事態が続いている。
 しかも、この高度な防水は、この少し大変なキャップを完全にハメる、という状態が守られて初めて保証されるもの。充電する際に面倒だからと、充電端子カバーを緩めに押し込んでいた状態では、表示されている防水性は守られていないのだ。

 私は数年前から、そんな「スペックシート」で優位を示すためだけの防水性に疑問を感じ始めた。
 そんな頃、海外のイベントでは、ナノコーティングという技術を使って、ケータイ電話の基板そのものを、コーティングしてしまうという技術が話題になり始める。
 この技術を使って加工すれば一見、素の状態に見えるiPhoneが、そのまま水の中で使えるようになってしまう。
 



投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2013年04月08日 | Permalink

私が3D革命=実体革命に入れこむまでの遍歴(そして実は日本は凄い、という話)

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 上は今朝(2013年1月2日)、別所哲也さんがナビゲーターを務めるJ-WAVE「TOKYO MORNING RADIO」に出演した後、3D造形の魅力を伝えようと、なんとか140文字でこの凄さを伝えようと、スマートフォン前のiモードなどの話をはしょって書いたツイートだが、ここ数年、私が強く思っていることだ。

 ただ「3D」というと、どうしても大コケし日本の家電メーカーを弱体化させた「3Dテレビ」の印象が強い(実際に3Dなわけではなく目の錯覚を利用した疑似3Dなのにも関わらず)。
 なんか、今、3D技術周辺で起きている、もの凄い革命を総括できる、いい呼び名はないかと思っていたけれど、ブログのタイトルをつける瞬間「実体革命」という言葉が浮かんできた。
 しばらく寝かしてみるとどうかわからないが、今はすごくいい言葉に思えているので、少なくともこの記事では、この言葉で通そう。

 一言で何をやっている人かわかりにくい私が、これまで23年間、自ら営業することもほとんどなくなんとかやっていけているの要因の1つに「未来のテクノロジーへの嗅覚」があるのではないかと思っている(ちょっと自分的には大胆すぎるかな?と思うけれど、お正月だし、言い切らせて欲しい。ちなみに「儲かるテクノロジーへの嗅覚」はない。「サブカルテクノロジーへの嗅覚」もゼロであることは自信を持って断言できる)。
 ちょっと、2013年を迎えるにあたって、その遍歴を辿ってみたい気になった。

 正直20世紀中は外れる予想も多かった(アップル発でIBMやNovellといった大手も参加していたOpenDocという技術に心底惚れ込んでいた時期もある)。

 だが、2000年頃にGoogle社に注目し、日本ではかなり早期の紹介記事を書いたあたりから風向きが変わった気がする(MACPOWERという雑誌で紹介記事を書いたが、その後、編集部を後ろから見ると、編集者達がみていた画面が、毎日、ヤフー!やAltaVistaという検索サービスのページから、どんどん真っ白なGoogleの画面に切り替わっていくのを見るのが壮観だった)。


2001年Larry Page、日本発訪問の様子。画像のリンク先はこの時、語られたGoogleを成功に導いた教訓

ブログ



初期の私のブログ(=nobilog)

 その後、2002-3年頃からは、まだ登場したてでWeblog(ウェブログ)と呼ばれることの方が多かった「ブログ」という技術に注目した(Weblogが転じて、We blogとなり、blogという言葉が生まれた)。
 MACPOWERの編集会議で「blog」のトレンドを記事で取り上げるべき、と提案したときは、まだ日本語に対応したブログサービスがなく、私自身もMoveble Typeというブログシステムを日本語に対応させる方法をインターネットで検索して改造して使っている1人だった。
 編集会議で提案すると、すぐに「欧米では、皆、自己アピールが強いから、ブログのようなものが流行るかも知れないけれど、日本人はそんなに自己アピールをする人がいないからニーズがない」と一刀両断にされたが、実際、私自身も当時はそのとおりだと思っていた。


投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2013年01月02日 | Permalink

2012年振り返り:触手拡大の年だった

最近、学生など若い人に向けた講演では2つのことを言っている。
「1カ所に留まらずに視野を広げること」そして「リアルな生活を重視すること」。

 「視野を広げること」は、企業向けの講演でも、密かに混めているメッセージだ。
同じような大学の同じような部門を出て、同じ会社で十数年やってきた人たちで、ずっと話し合っていても出てくるアイディアは行き詰まるだけ。これは新年のブログ記事でも書くつもりだが、今は我々の想像をはるかに超えた、まったく新しい21世紀の世界がつくられようとまさにし始めているところ(鍵を握るのはスマートデバイス、ソーシャルメディア、そしてこれらを手に触れられる実体とつなぐ3D造形の技術だと思う)。
 その重要さを知ってもらうために、よく引き合いに出させてもらうのが今はなき三洋電機の事例だ。三洋電機では野中ともよさん時代に工業デザインの位置づけの見直しが行われ、すべての製品を串刺し横断するデザイン部門を設立。これによって、それまでずっと1つの製品を作り続けていたデザイナーが、それまでやっていたのとは違うジャンルの製品に取り組もうとすることで、さまざまなイノベーションが生まれた。例えば掃除機の世界で、他社でもなかなか解決できずにいた排気をきれいにする問題が、エアコンに関わっていたデザイナーやAV機器に関わっていたデザイナーの知恵が入ることで解決できた。

 1つの業界、1つの部署と1カ所に留まっていると、視野がどんどん狭くなり、先細りの発想しか出てこなくなるが、これまで自分が触れたこともなかった新しい人種や、その考えに触れ合うことで思わぬインスピレーションを得る、というのはよくあることだ。
 すべての業界が、この数十年で凝固した形から、まったく未知の不定形に変化しようとし始めているこの時代、こうした外からの血の受け入れこそが、閉塞感を救う最大のヒントではないかと思っている。

 これは製品の可能性についても同じで、男性ばかりで企画し、開発し、営業された製品に、女性の視点がごっそり抜けていて、市場機会が半分未満になっているのはよくある間違いだが、より多様な人々の視点が入った製品ほど、視点の抜けが少なく、市場にも根付きやすいことは想像に容易い。
 そのためにも、1個の業界に固守するのではなく、他分野でプロを目指すまではいかないまでも、共通の趣味などを通して、異分野にも人脈をつくり、見識を広げることは、これからの時代を生きる上で必須のことではないかと思う。
 裏を返せば、皆と同じように決まった大学、決まった学部、決まった分野の知識や人脈しか持ち合わせない人は、類似の経歴を持つ他の誰とでも交換可能なパーツにしかなりえない、ということでもある。

 ただ、こうしたことを学生達に言っているだけでは、説得力がない。そのため、この数年、(実際に自分が好きなこともあるが)さまざまな現代アートのイベントやデザインのイベント、そして2012年は特に3Dプリンターなどの3D造形関係、医療分野の最新トレンドのイベントに足を運んだ。そうした結果がついてきたのか、2012年は、それまでとは違う多彩な場にお招きを頂いた。
 書籍を執筆すると大量の時間が奪われて活動できる時間が減ってしまうが、「今年は本は書かない」と決めたおかげで自由な時間をたくさん捻出できたことも一因かも知れない。


 なんといっても筆頭にあげるべきは、Google社のGoogle.orgで山路達也さんと共著と言う形で連載「東日本大震災と情報、インターネット、Google」を書く機会を頂いたこと(まだの方は、最初の一、二編でも読んでみて欲しい)。

2011年3月11日は悲惨な日ではあったが、土壇場での日本人の機転や踏ん張りを垣間みて希望が持てた日でもあった。しかし、地震から3〜4週間目の月曜日を迎えた時、東京の空気感が変わって、そうした希望が、いつもと同じ仕事、生活、官僚主義、マニュアルの中に埋もれ絶望を感じる一面もあり、何か行動を起こさなければならないと思っていたところ、Googleに相談を頂いた。連載はそろそろ一段落させなければならないのだが、終わらせたくないという思いもあり、私の執筆の腰が重くズルズルと引きずってしまった。今、このプロジェクトも次のフェーズに向けて動き始めている(ほとんど山路さん任せで申し訳ない)。
 東日本大震災関係では会津泉さんらが大分のハイパーメディア研究所と組んで開催したワークショップにも参加し、おにぎりだけしか食べない状態で、大規模災害のロールプレイが行えたのも貴重な体験だった。

 2012年は、こうした大規模自然災害関係の活動をする一方で、クリエイティブなコミュニティーと接する機会も非常に多かった。2013年も1月末に開催されるeat KANAZAWAに参加し、金沢の素晴らしい旦那衆と知己を得て、日本中のトップクリエイターと交流させてもらったのも良い機会だった。
 一方で、自動車とモバイルの接点を模索するMobile IT AsiaSmart Mobility Asiaにも企画委員の一人として関わらせてもらった(このモバイル x ITの2軸と、そこから見た新しい社会の形成についての視点は神尾寿さんが本当に素晴らしいものを持っている)。
 さらにTOKYO DESIGNERS WEEKでのDesignNext展にも関わらせてもらった。

 もちろん、相変わらずのIT仕事もたくさんしている。相変わらず多いのがiPadをどのように仕事に活用していくかというもので、1000社以上のiPad 2次代理店を持つダイワボウ情報システムさんのイベントでは本当に全国をまわらせてもらい、それぞれの地域で工夫してiPadの導入を提案しようとするベンダーさんと触れ合うことができた。
 iPad関連の講演で言えば、特定の業界にフォーカスしたものも多かった。放送業界の業界団体でも講演をしたし、医療分野でのタブレットの活用の事例を紹介する講演も行った、豊かな時間探しをしているアラフォーの女性向けのイベントでも簡単なプレゼンテーションをさせてもらったし、ファッション/アパレル業界におけるタブレットの可能性についての講演も行った(女性の聴講者が過半数だった講演は、残念ながらこの2つだけだ ;-)。

 活動をつづけることによって、それぞれの分野での新しい知り合いも増えてきた。まだ明かすことはできないが、来年も引き続きいくつか工業デザイン関連の分野での講演や審査員の仕事をすることが決まっている(そのうちの1つは、ストイックに課題解決、という意味でのデザインだ。この仕事を機会に、世の中にはこびっている「デザイン=装飾」という考えを少しでも変えられるよう貢献できればと思っている)。

 来年の豊富については年が明けてから、改めて書くとしたいが、それでも今年、触手(職種?)を伸ばして、足がかりをつくったそれぞれの分野で、何か形となるモノをつくっていければと思う。
 常に世の中に作品を遺し続けているアート、デザインという分野のクリエイターと接していると、自分が世の中に何も生み出していないことに対して強いコンプレックスを感じている。
 そんな中、2012年にトリニティーの星川代表と、年頭から2、3の記事(2/19のサイゾーの記事5月末掲載のLinkedInの記事-4ページ目-)で予言していた通り、今や時代の寵児となったケイズ・デザインラボの原雄司さんを引き合わせたことで誕生したiPhoneケース、「JIGEN」は、その誕生のきっかけをつくることができた、という意味で非常に思い入れがある製品だ(リンク先のプロジェクトというページにいきさつが書いてある)。



投稿者名 Nobuyuki Hayashi   林信行 投稿日時 2012年12月31日 | Permalink