アップルは、千載一遇のチャンスをどう生かす?

  1. Mac
仕事の遅れで待たせてしまっている方々には申し訳ないが、今日、久々に友達の松っちゃん(Matthew)とゆっくり話をした。
ベンチャーのアイディア、日本のベンチャー育成環境のこと、最近、アメリカ人の間で注目されているIT系サービスと日本人の間で注目されているIT系サービスの比較などなど....

この当たりの話題については、ここでは触れられないが、
アップル関連でもいくつかおもしろい話題が。

松ちゃんが読んだブログ記事「Information Architects」の「Get a Mac=日本版CM」への提案もおもしろい。
記事では日本人がダイレクトな比較広告などを嫌う、といった文化的背景を紹介しつつも、
現在の広告はつまらなく、Macの良さがうまく伝わりきっていないと指摘。

それよりはスティーブ・ジョブズが、Macをつくるときにタイポグラフィにこだわったといった背景もあるのだし、
Macの日本語画面表示の美しさなどを紹介した方がいいんじゃないか、といった内容:

PC: はじめまして。 私はPCです。
Mac: こんにちは。 僕はMacです。
PC: ほほー。ずいぶんと洒落たフォントをお使いですね。なんというフォントですか?
Mac: それほどでもないよ。これはゴシックというフォントだよ。
PC: そーでしたか。私たち、同じフォントを使っているのですね。
(以下、まだ続きます)

という日本語の台本も書いてあります。
実際、多くのWebデザイナーが、「自分の製作したWebページを人に見せる時、Macの方がきれいに見えるから」という理由でMacを使っているし、これはいいアイディアかも。

なお、記事はこの比較は直接的過ぎないか?と自問した後、
日本人はジョークとなるとタブーがないと、ハード・ゲイ・コメディアンのHGレイザーラモンさんなどを実例として紹介。

今日のMac話で、もう1つブログに書いておかなければと思ったのが、1月開催のMACWORLD EXPOの話題。
松ちゃん曰く、どこかで、今回のMACWORLDは、わざとビル・ゲイツが「Windows Vista」を大々的に紹介するであろう、CESの開催の直後に日付をぶつけたのだという。
MACWORLD EXPO

噂の真偽については、疑わしい部分もあるが、それでも最近、忘れかけていたあることを思い出した。

それはアップルにとって、今度の1月こそが、Windowsのマーケットシェアに追いつく千載一遇のチャンスだということ。iPod人気で、アップル社の商品全般に注目が集まり、米国では今年の春からMacBookが大ヒット。

 そこへきてマイクロソフトが、開発が遅れに遅れた「Vista」を発表するのと同じタイミングで、
もし「そっちもいいけれど、こっちのOSの方は、さらに2世代くらい進んでいるよ」とMac OS X "Leopard"を提示できたら....
hasta la vista, vista

スティーブ・ジョブズは、元々、"Leopard"を"Vista"よりも先に出すべく、かなり社内でハッパをかけていたという噂はいろいろなところから聞いている。

実際、2005年のWWDCでも、LeopardはVistaと同時か、ちょっと前くらいにリリースする予定であると語られている:

【WWDC2005基調講演 Vol.2】ジョブズがアップルについて語ったこと──200万個を販売したTiger、そして“移行のとき”が来た

この計画には、多くのMac開発者が「これはもしかしたらすごいことになるかも」と声をあげていた。インテル移行の宿題を済ませて、今年のWWDC 2006に向かった開発者も、この計画が実現するものとして、かなり期待していた。

期待がトーン・ダウンしたのは「WWDC 2006」の基調講演後だ。
【WWDC 2006 Vol.8】基調講演ビデオと一緒に読む Lepard 10個の注目機能(後編)
(この記事は後編記事の2ページ目です。実はページの下の方に「前のページ」というリンクが用意されていて、これをクリックすれば1ページ目から読めます)。

一部の機能を「TOP SECRET」としながらも、Leopardの数々の魅力的な機能を紹介した同講演だが、ジョブズはここでLeopardの出荷が「2007年の春」になると発表した。
これは1月末出荷予定のWindows Vistaコンシューマー版と比べて数ヶ月後。
それなりの注目は集めるだろうが、かなりインパクトは弱まってしまう。

果たしてジョブズがそんなことを本当に許すんだろうか?

そこで思い出したのが、昨年1月のMACWORLD EXPO/SAN FRANCISCO。
【Macworld Expo 2006 Vol.3】スティーブ・ジョブズの基調講演をじっくり振り返る(後編)

アップルは最初、インテルMac最初の製品の出荷は2006年の6月頃までと語っていたが、実際には半年近くも前倒しして、2006年のMACWORLD EXPO/SAN FRANCISCOで発表した。

「もしかしたら、これと同じことがLeopardでも起きるんじゃないか?」

もっとも、そこで不安になるのが、LeopardのTOP SECRETの機能は、今でも秘密のままだし、噂サイトによれば、今、開発者が手にしている開発途上版は、まだ完成には遠い品質だということ。
 でも、爆弾発表好きのアップルだけに、もしかしたら、大半のデベロッパーには、少し古いビルドを渡しておいて、水面下ではかなり進んだビルドが用意されている、ということだってあるかもしれない。

  それをMACWORLD EXPOで、発表すれば、かなり話題性は高くなりそうだ。

 松ちゃんはお父さんが新規事業を立ち上げる際に、「Macを使うなら、システム構築を手伝う」と提案したという。
その際、殺し文句となったのが「万が一、Mac OSに移行して、うまくいかなかったとしても、わずかな追加投資でWindowsを買い足して、そちらに切り替えることもできる」というものだったが、同じ理由でVistaを待ちきれず、MacBookを買ってしまう人も大勢いるのではないか。

 ただ、やはり新ハードを買うとなると、少し敷居が低い。

 そこで思いついたのが6年前の戦略ーー「Public Beta版」のリリースだ。

 もし、アップルが1月のMACWORLD EXPO開催のタイミングで、それなりに安定動作するMac OS X "Leopard"のPublic Beta版をリリースしたら。
 しかも、そのPublic Beta版に限り、Macだけでなく、一般のWindowsパソコンにもインストールできるように制限を緩めたら....!?

 来年は正月早々、かなりおもしろいことになりそうだ。

Apple Campus
(今年、8月、Air Accordという飛行機教習所に行ってテストフライトをした。セスナ機でアップル社上空を3回旋回してきた)。

投稿者名 Nobuyuki Hayashi 林信行 投稿日時 2006年12月01日 | Permalink