群衆の叡知サミット、締め切り間近か!
気がついたら最後の更新からあまりに時間が経ち過ぎて、nobilog2が真っ白になっていた。
真っ白な状態で、1つだけイベントを告知。
TechStyle社企画の「群衆の叡智サミット2007」が11月1日に開催する。
詳しくはこちらのページから:
http://techstyle.jp/wocs/
「群衆の叡智」と聞いても、ほとんどの人は「?」かも知れない。
英語で言うと「Wisdom of Crowds」で、こちらのWikipediaのエントリーに詳しく書かれている:
Wisdom of Crowds
例えば、ジャック・トレイナー教授の「ビンの中のジェリービーン」という実験がある。
ビンいっぱいに詰まったジェリービーンの数を人に当てさせようと思っても、なかなか正確に当たられる人はいない。
しかし、被験者のグループに予想を出させ、意見を総計したところ極めて正確な数値になったという。
全体予想より正確な人は、常に数人はいるが、全体の予想は常に、かなり正確な答えになるという。
同様にスペースシャトルチャレンジャーの事故があったとき、シャトルに関係のある企業の3社の銘柄の株価が一斉に下がったが、2社は下げ止まった。ただ1つ下がり続けた会社が、実は事故の本当の原因に絡んでいた(と後でわかった)といったこともあったそうだ。
ジェームズ・スロウィッキー著の書籍、『「みんなの意見」は案外正しい』という本では、冒頭からこうした例がたくさん紹介されている。
「みんなの意見」は案外正しい ジェームズ・スロウィッキー 小高 尚子 角川書店 2006-01-31 売り上げランキング : 14072 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
テックスタイル代表取締役の岡田良太郎氏とは、一度もあったことがなかったが、いつも近い波長のようなものを感じていた。
ある日、彼がこの「群衆の叡知」をテーマにしたイベントをやりたいと誘いをかけてきた。
私はスロウィッキーの本は、まだ読んでいなかったが(実は今もまだ途中)、伊藤穰一さんがとりあげていたスコット・Eページの本、「difference」との関係も含めて、このテーマには興味を持っていた。
The Difference: How the Power of Diversity Creates Better Groups, Firms, Schools, And Societies | |
Scott E. Page Amazonで詳しく見る by G-Tools |
岡田氏と渋谷で会うことにして、Foo Campなどの経験を語ると、彼もそれらの話を気に入ってくれて意気投合。
私なんかで大丈夫?かなり身分不相応なんじゃないかと思いながら、
同イベントの3つ目のパネルに参加することになった。
その他のパネルもそうだが、参加される方々はそうそうたるメンバー。
果たして私なんかがパネルで出てもいいのか、と心配になる。
しかし、スコット・ページもスロウィッキーも、「群衆の叡知」には意見の「diversity(多様性)」が重要であることを強く主張している。
一度はエクアドルに住み、日本でドイツ人幼稚園に通い、外人とイジメられた過去も含め、
人と違った経験、人と違った見方をすることなら、少しだけ得意かも知れない。
最近、同じようなニュース、同じような話題が、同じように紹介されているのをよく見かけるが、
私はそうなりそうだと思うと、すぐに逃げて、「どうやったら人と違うアプローチができるか」と考えてしまう。
このdifferentiation(差別化)、最近、我ながらよくできたと思ったのは、ITmediaのこちらの記事:
Mac OS X 10.5説明会:
「Leopard」店頭デモで確認しておくべき機能は?
Mac OS X "Leopard"の説明会に参加していたプレスは思ったよりも大勢いたようだ。
私は元々、他の仕事で忙しいので参考程度で、記事にするつもりはなかったのだが、ITmediaの編集者に「どうしても」と頼まれた。
しかし、他の仕事のかねあいもあり、あまり時間はかけることができず、1つ1つの機能を説明する記事は書けない。
他のメディアでは、しっかりとした記者の方々が書くしっかりとした記事が載りそうだし、私なんかがあっさりと書いたのでは、誰も私の記事なんか読んでくれない。
そこで記事を書く前に、考えに考え、あの説明会の内容を、翌日、Apple Store Ginzaに並ぶ人達がどのように役立てられるかを考えた。その結果、1人では試せない機能の話にフォーカスを絞り、「店頭デモで確認しておくべき機能」というアングルを取ることにした。その考えにいたる時間は30分もかかっていないが、それによりいつもの私パターンの網羅型記事に比べてトータルの時間は節約できたはずだ。
このブログの読者ならご存知の通り、私は文章も雑で、散漫になりやすく、推敲が足りない。
(おまけに語意が少なく、日本語の誤用と誤変換も多い ;-) )
決してライターというタイプではなく、どちらかというと、この角度とアイディアで勝負をしているタイプだ。
でも、それだけに、上記のイベントでも、ちょっとだけ他のperspectiveを加えるのに役立てるかも知れない。
イベントでは、パネルの他にも、いろいろな企画を用意していて、参加者がそのまま「集合知(または集合愚)」の被験者となり証人ともなるかもしれない。
仕事が溜まっていて、申し込み状況などをあまり把握していないが、もし間に合うようで、興味がある人は、ぜひ、今からでも参加を申し込んでみて欲しい。
さて、軽く近況報告。
大きな衝撃を受けた「六本木クロッシング」のスタートや、
「Mac OS X Leopardの発表」など、
いくつかの素晴らしい出会いと、まだ記事にできていないおもしろい取材。
ブログに書きたいことは山ほどあるが、アウトプットしている時間がない。
いつも、そんなことを言っているような気がするが、今月はこれまでの仕事人生の中でも最大級のピンチだ。
今、とにかく力を入れて頑張っているのは年内には登場するあるビジネス系の書籍だ。
しかし、それと同時に、かつて書いた記事を加筆、再構成、再編集した本もほぼ同時にGOサインが出てしまった。これも、ものすごく楽しみな一冊だ。
テキスト量はかなり少ないが、かつて書いたものがベースにあるというので甘えていたが、出版の次期が近づくにつれ、こちらも大変になってきた。
また、共著という形でちょっとだけ関わっている本もタイミングが重なってしまった。こちらも普段なら難なくこなせる仕事だが、タイミングが重なっているだけにかなりキツい。
ずっと睡眠不足の日々がつづいている上に、すぐにでも出さなければいけないWebの記事を書く時間が捻出できずに迷惑をかけている編集者がいる。
少なくとも、群衆の叡知のイベントの前日までは、予断を許さない状況が続きそうだ。
今はただ、ひたすら前進するしかない....
P.S.ちなみに最近になって、ITmediaに大量の記事が掲載されて、驚いた人もいるかもしれないが、上で書いた説明会の記事以外は、すべて既に書きためてあったものだ。
ちょうど忙しくなりそうな時期に原稿だけ書いて、「申し訳ないけれど、図を集めている時間がなさそうです。図を見つけたら後で送ります」といって、そのままになっていた(なかなか掲載されないので、どうしたのだろうと思っていたが、Leopard発売直前にあまり図がない形で原稿が掲載された)。
現在、掲載されている:
System 7で幕をあけた激動の1990年代(前編)
System 7で幕をあけた激動の1990年代(中編)
に加えて、後編と「Mac OS X」時代の原稿も、同時に渡してあって、本当はLeopardをカウントダウンする形での掲載を臨んでいたけれど、編集者もなかなか忙しくて大変だったようだ。
どうせ、ここまで遅れたんだから、ゆっくり行きましょう。
11月中旬までは余裕がなさそうなので、週1くらいのペースで掲載してもらえるとうれしいかも...
P.S.このブログ記事も、数週間前から書くと言っていたのだが、結局、イベント開催直前のぎりぎりになって書くことになってしまった。
P.P.S. Leopard発売開始の取材に行き。いろんな人にあったが、疲れ切っていて、微笑む余裕すらない自分に気がついた。これってちょっとヤバい、と思う。
日本の9月以降はいろいろ重なり過ぎる!
来年からは、もう少し1年間、まんべんなく忙しいように体制を建て直さないと...