スクープ・スペシャル
日本の警視庁も進化している。
裏金づくりの領収書のことだが、昔は筆跡を変えるためにほぼ全職員に偽造させていたそうだ。だが、最近では組織への忠誠心があり上層部からの信頼が厚い人達だけを選んで偽造させているらしい。
こうした努力にむくいるように、我々が毎年収める税金の約80億円近くは、全国の警察署の上層部の方々が接待費、交際費として有益に使ってくれている。
たまにこの裏金を嗅ぎ付けてケチをつけてくるジャーナリストや政治家もいる。最近は内部告発なんていうのも増えてきた。でも、そうした場合も「捜査上の秘密」という魔法の呪文を唱えれば大丈夫。なんでも切り抜けられる。
マラソン放送にはあきかえったテレビ朝日だったけれど、やはり鳥越俊太郎「スクープ」は面白い。今日の2時半くらいから始まった「スクープ・スペシャル」途中から見始めたが、最後まで一瞬たりとも見逃せなかった。
番組で報じられた疑惑には'90年代中頃など古い事実も多いが、大事なのは北海道警察などが「そうした事実はない」、「そうした状況は把握していない」(絶対にそんなことはありえない証拠は番組中いくつもあげられている)と回答しているのは『今日』であり、間違いなく今日の北海道警察も(その他の警察署もそうだが)明らかに犯罪組織だ。
いずれにしてもこの番組、再放送があったらぜひ見て欲しい。
番組の詳細は上のリンク先に書かれているが、大雑把にまとめると:
・北海道で拳銃摘発などにつながる情報を提供していた人物が、警察組織のやらせ逮捕の道具に使われていたと自白。もみ消されないように物証を持って出頭したこともあり、同人物はそのまま逮捕されたが、公判直前に拘置所内で変死
・上の人物に訴えられた北海道警察職員で拳銃摘発数の実績が高い人物、最初は事実を否定していたが、上司の自殺を契機に心を入れ替え、やらせが組織的犯罪だったことを認め始める。
・北海道警察では、国からの予算を得るために、拳銃摘発でも右肩上がりの実績が必要だった(テレビ局の視聴率競争と同じ)
・そのために時には暴力団とつるみ、自動車盗難を見逃し、さらにはロシアから拳銃の密輸までしていた
・上の警察職員に対する裁判では、告発された他の職員に関する供述はすべて無視され単独の犯行として有罪に
(ちなみに番組ではこれがいかに大嘘であるかを示すべく、他にも何人もの証言を紹介している)
・このようなヤラセがばれたのは北海道警察だけでなく全国でも6カ所?(7?)
・ある警察署所長は警視庁の拳銃摘発の講習で、他署からヤラセ摘発を促すような講義をうけていることを明かしている
この他にも番組で警視庁が情報提供料を支払ったとしている人々を取材してみると、実在しなかったり、とっくに死んでいたり、あるいは生きていてもぜんぜんそんな事実はなかったと憤慨している人がいたり
残念なのはこの番組がこの番組がこんな誰もテレビを見ていなさそうな日の、誰もテレビを見ていなさそうな時間に放送していること
まずは日本のマイケル・ムーア的なキャラクターを生み出して、もう少し視聴率の稼げる笑える番組をつくり(「アホでマヌケな日本人?」)、とりあえずは、こうした番組に興味のない人々への関心を高めることが必要なのか?
まあ、きっと、番組を見たところで誰も皆あきらめきっていて何もアクションを起こさないのかもしれない。
実際、視聴率競争にしても、何にしても、日本にはこうした社会構造の縮図がはこびっている。それもおそらくかなり昔から、もしかしたらこうした社会構造を黙視しつづけることこそが日本の伝統なのかも?
それならそれで、ぜひ北海道警察を重要無形文化財にしてあげて欲しいものだ