SPAMが愛しく思えた朝
仕事が一段落して寝たのが朝の6時
昼の取材までの貴重な睡眠時間だ
ところが朝10時、ちょうど私以外の留守を狙ったように
玄関のチャイムがなり響く
寝ぼけた頭で出ると...宗教の勧誘(!?)だった
ふとんに入ってから1時間は寝つけない私としては
再び寝るのも至難の業だ。
しばらく、急ぎのメールがないかだけチェックしていたら
今度は電話が鳴り響いた
「もしかして金曜朝いれ原稿の緊急のチェック?」などと思って慌てて出ると
相手は昨日出がけに電話をかけてきて、なかなか切らなかった
テレマーケティングの勧誘だった(なんとしてでも電話を切らせない特殊なトレーニングでもあるのだろうか、とにかく話をつないで切らせないのだ)
日ごろは腹立たしいSPAMだけれど、ここまで暴力的なメディアではない
そもそも8〜9割は迷メーフィルターで自動的に捨てられてしまっているし
(もっとも、それは簡単に送れる=数が多い、の裏返しか)
そこから漏れたものも手動で迷惑メール指定したり、ゴミ箱にドラッグすることができる。
今や仕事でもプライベートでも連絡手段は9割以上は電子メールに移行している
緊急の連絡がある人もたいていはまずiChatかMSN Messangerで声をかけてくる
電話の使い道は、「電子メールを使わない人」との連絡手段
あるいは緊急の時の連絡手段だ(それだけに電話がかかってくると心臓に悪い)
私は人から電話がかかってくる時は:
1)寝ている
2)トイレに向かっている/入っている
3)あとちょっとで終わる仕事に集中している
4)車の運転中または電車/バスに乗っている
の、どれかである確率が非常に高い。
このため、
いつになったら電話を持たないことが社会的/仕事的に許容されるのかと時々、考えてしまう(今やTELEXはビジネスに不要だろうけれど、いずれ電話もそうなるのか?)
もっとも、そんな私でも電話を使うことはある。
どういう時に使っているのか発信履歴をたどりながら分析してみた。
a)待ち合わせ時の連絡(遅れます?&今どこ?)
b)メールの返事がない場合の緊急の確認
(今、家を出なければならないが、これは出る前に仕上げないとダメ?
駅まで来てしまったが、○○を忘れた。取りに帰るべき?)
c)リアルタイムアシスタント
(今、〜〜のスーパーに着いた。買うのはどれ?
○○通り経由だと渋滞していて遅刻しそう。どこか裏道ある?)
もっとも、これらの用途にしたって
相手が常に電子メールやチャットソフトにアクセスできる状態にあれば
わざわざ(取り込み中かもしれないところ)強引にベルを鳴らしてまで呼び出す必用はない、ことなのかも知れない
電話が本当に必用なのは、本当に緊急の事件や事故の時かも知れない
以前、青山で朝方、変な男に絡まれたことがあるが、
あの時も携帯電話を持っていて110番通報できていれば、もっと早く救われたかも知れない
今や多くの携帯電話がメール機能を搭載しているが、
米国では多くの携帯電話にAOL Instant Messangerも搭載され始めている。
MacWireの松尾さんにしても米国にいる間の自宅のやりとりは携帯電話のInstant Messangerを使って行っているようだ(*1)。私は携帯メールを使っている。
そう、「今すぐ出ろ!」と無理強いする、あの呼び鈴さえ(今だと着メロか)鳴らなければ、そして不要なコミュニケーション(テレマーケティング!テレマーケティング、テレマーケティング!)を未然に防ぐ手段さえ確立すれば、必ずしも悪いコミュニケーション手段ではないのかもしれない。
そこで考えたのがこんなインターフェース:
1)新世代電話機は通常は腕時計のような形状で肌身離さずつけておく
2)インスタントメッセンジャーのように、こちらの状態を一般の人に示す機能を持つ
3)状態が「accepting calls(通話可能)」の時を除いて、基本的に電話は受けない。
だから、通話をしたい時は、まず留守番電話に用件を残すのが基本
4)相手と通話できる状態になったら、この留守電のメッセージに返信をする
(メールやメッセンジャーで返信してもOK。そもそもこういう装置が普及したらメールとメッセンジャーの区別なんてないのかもしれない)
5)実は3で留守電を残した時、電話をかけた側は、折り返し電話があった場合
すぐに受けるのか、状態設定にあわせるのかを選べる(デフォルトは後者)
で、うまくタイミングがあった時だけ通話を行う
でも、忙しい人同士だとなかなかタイミングがあわないだろうから
その場合は、基本的に留守電のボイスメールを、電子メールのように交換しあう
というコミュニケーションでもいいんじゃないかなぁ...
ただ、ここで思うのが日本のボイスメールシステム(伝言サービス)のカスタマイズ性が低く、反応がスローということ。もっと、軽快にポンポンと伝言を残して、交換できるといいのに...
ついでに、電話機にボイスメール(留守電)が何通貯まっているとか表示されたり、
メッセージのスキップや巻き戻し用ボタンが用意(あるいはプッシュボタンの上に再生/巻き戻しなどのラベルが印刷)されれば、さらに便利なのに...
ところで、電話のあの暴力的な呼び鈴が役立つ時もある
それはモーニングコール
と、言うわけで、今、正午に起こしてくれるように頼んだので
取材前にもう一寝することにします(でも、正午って30分後だった...)
*1)ちなみに日本でもInstant Messanger対応の携帯電話はあるようだけれど、日本だとこれに課金がかかる。これに対して米国ではデーター通信については固定料金でextraの料金がかからないことが多いが、これについてはまた別の機会に
注意)このエントリーはSPAMを斡旋するものではありません。SPAMとは今度ともガンとして戦っていきたいと思う。と、書いているそばからWebコラム用に用意した専用のメールアドレスにSPAMが送られてきた(Webページからメールアドレスを抜き出すロボットの仕業)。そもそも改革すべきはコミュニケーションの手段ではなく、それを悪用しようとするマーケティングの方なのかも知れない